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イイね!
2011年09月26日

サスセッティングとバランス

 前回の日記でALTの結果が散々だったことは書いた。


 たぶん、これはフロント側のバネレートを11kg→8kgに落としたのが理由だろう。
 バネレートを変えるには新しく購入しないとダメなので、ちょっと趣向を変えてダンパーのセッティングを、リアを柔らかく、フロント堅くした。思ったとおり、ステアは重くなり、直進安定性が増し、アンダー傾向が強くなった。理論どおりである。


 理論といっても、これにはきちんとした理由がある。フィーリングではない。今回の日記は、その理由を書こうと思う。


 車というのは4輪をバネの上に載せることで、路面のうねりや高さの違いを吸収できるようにしている。もしこれが全くストロークしない場合、路面に段差があると、一部のタイヤが浮いてしまい3輪の状態になってしまう。それを吸収しているのがサスペンションという機構だ。

 これはまあぁ当たり前の知識ではあるが、この前提は忘れがちだ。しかし、この機構を利用することで、バランス、というものが作り出せる。


 レバー比を抜いたホイールレートでの話を前提で考えよう。

 たとえば、フロント1、リア1のセッティングがあるとする。この状態で車が一定速度の円運動をしている場合、フロントとリアのロール量は全く同じになる。

 ところが、コレがもし、フロント2、リア1だとするとどうなるか。

 フロントが2ということは、ロール量は1に対して1/2である。つまりフロントのほうがロールが少なく、リアのほうがフロントに比べてロールを起しやすい。ところが、車というのは剛体であるため、バネ上のボディ部分がロールすると、均一にロールしようとする。バネがリア寄りでロールしようとしているのにボディが前後一緒にロールしようとするため、必然的にリアのロール分はフロントで吸収しようとする。本来リアはリアの荷重でロールするところが、リアの荷重がフロントに掛かり始める。

 つまり、フロントに荷重が大きく掛かる事になる。前後のバネレートバランスを変えることで、フロントのタイヤかリアのタイヤ、どちらに荷重を多く掛けるか選択できるのだ。

 これは、スタビをつけることでも選択できる。とにかく前後で「レートを上げたほうのタイヤに荷重が掛かる」ということになるワケだ。


 顕著に判る事例がある。
 もともとスカイラインのクスコサスはフロント11:リア8で組んでいた。ベストタイムを出した時も、このレートである。しかし、このレートバランスの時は、とにかく頭が入らない。頭が入らないので、タイヤ幅を225から245にしたら、一気にタイムアップした。これはフロントのロール量が少ないため、リアの荷重もフロントに掛かるようになるからで、フロントのタイヤ負担がかなり大きいことを示している。もちろん、極度のアンダーセッティングだから、回頭性は悪い。しかし、コーナー立ち上がりの加速ではテールスライド起すことが全く無かった。否さんやAKIさんがALTで運転した時に「曲がらない」と感じたのは、間違いではない。ケンちゃんを横に乗せたときに「34ってめっちゃアンダーですね」って言ったのも間違いではない。しかしテールが流れないので、安心してブレーキ残しの突込みが可能になっていた。

 で、このバランスの時のタイヤの減り方は、FRとは思えないような「フロントが極端に減る」というセッティングであった。

 その後、レートをフロント8:リア8に変更し、しかもダンパーの減衰はリア堅く、フロント柔らかにした。今度はニュートラルバランスなのだが、コーナーに入る時にブレーキを残すと、凄い勢いでテールが流れるようになっていた。なので、進入時にブレーキを残さず、ブレーキを踏み終えた後でステアを切ると、恐ろしいほど頭の入りがいい。町乗りしてても解るぐらい強烈に頭が入るようになった。しかし、進入でもテールスライド、立ち上がりの加速でもテールスライドで、傍から見ると「ドリ車?」というぐらい安定性に欠けた状態でもある。

 このバランスの時のタイヤの減り方は、笑えるぐらいリアが無くなっていった。街乗りでもリアが極端に減っていくので、完全にリアに荷重が乗っているのがハッキリと感じられる。

 ところが、このセッティングにもメリットがある。FRという駆動方式では直線加速が猛烈に良くなるのだ。信号ダッシュなどでもホイールスピンせずに加速していく。ホイールスピンしていても加速していくぐらい。ゼロヨンなんかでは、このセッティングがいいだろうし、テールスライドを積極的に利用する最小回転半径以下のパイロンターン、とくにジムカーナをする人にとっては良いセッティングだろう。しかし、ミニサーキットであっても、60km/h以上で回るコーナーでは厳しい。とにかくリアに荷重が集中するため、負荷がハンパじゃない。


 今日は、その教訓を元に、レートはそのままで、減衰をフロント堅く、リア柔らかめに変更した。注意深く運転してみると、その変化は一般道運転でも非常に顕著だ。まず車線変更時の重さがある。バネレートではなくダンパーであるため、ステアの切り始めにフロントがロールしにくいわけだから、荷重がフロントに掛かる。本来フロントとリアで分散するはずの荷重が切り始めだけフロントに集中するため、スリップアングルが増えて直進しようとする。つまり、切り始めがアンダー方向になっているわけだ。

 同じく一般道交差点で右折待ちをする。矢印が出て1速で加速しながら曲がり始める。ちょっと勢い良くスタートすると、前のセッティングではテールがすぐに流れ出すが、今回のセッティングでは、少し流れるも安定して加速していく。しかし、回転半径はふくらみがちである。



 スカイラインの吊るしバネセットは、たいていの場合フロントのレートが高く取られている。これは思うに、重たい車重を加速させる時にリアの荷重が多すぎると、コーナーで横Gを掛けながら加速の縦Gを掛けて行くような場面では、リアの負荷が極端に増えてしまう。FRにおいてリアタイヤは横Gと縦Gに拮抗しなければならないが、リアの負担が大きければフロントの横Gの受け持ちをリアが担いでしまうことになる。つまり、テールスライドを起してしまうバランスを、フロントのレートを上げてフロントのロール負荷を増やしてバランスを取っているのだろう。いわゆる弱アンダーだ。

 逆に言うと、リアを堅めにするセッティングでは、リアの負担が増えるわけだから、リアのタイヤ幅を太くしていけば負荷が軽くなるのでタイムアップできるかもしれない。しかし、スカイラインの車重をリアに受け持たせるには、245どころか、275、下手すると305ぐらいのサイズが必要だと思う。それはあまりにもスマートではない。となると、必然的にレートのバランスはフロントのタイヤに負荷を分散させる方向になる。


 フロント8:リア8でここまでリアがブレークしやすいのと、フロント11:リア8でアンダーが強くなることを考えると、フロント÷リアのレートバランスは1.2あたりがベストなのだろう。8:8なら1だし、11:8なら1.35だ。リア8で考えると、1.2倍なら9.6.つまりフロント10:リア8か、フロント9:リア8にすると丁度いいバランスかもしれない。

 他にも方法はある。ダンパー減衰率だ。今の8:8でフロント堅め、リア柔らかめにしていると、十分にフロントアンダーの感覚はある。しかしダンパーで調整を行うと、荷重移動に伴った特性になってしまう。ただ、ミニサーキットの場合、一定曲率で3秒以上曲がっているようなコーナーは非常に少ないため、コーナー進入時にフロントロール抑制で弱アンダー、パーシャル区間で前後均等、立ち上がりで積極的なリアのロールを利用してテールスライド防止と考えると、案外使える手段なのではなかろうか。



 タイヤの減り方を見ると、現在のセッティングがタイヤ幅とマッチしているかが判断しやすい。レートのバランスは各軸に対しての負荷バランスをコントロールする上で重要なのだというのが良くわかるし、ダンパーの減衰がそれに合わせて「過渡特性」をコントロールする上で重要なのも良くわかる。このあたりはプライベーターで頻繁にサス取り外し、組み付け、走行を行ってると、徐々に見えてくることなのだろう。時間はかかるが、金はかからない。


 一つ確実なことは、今日試したセッティングが案外悪くないことだ。欲を言えば、もう少しアンダーを強くしたいが、そのためにはバネを買わないといけない。しかし、残念なことにR1Rの溝は土曜日の無茶走りで既に無いため、先にタイヤを調達しないといけない、ということだ。



 悩むことはいっぱいあるが、悩み始めている時が一番楽しいし、週末が待ち遠しいんだよな。方向性が見えるというのは、いいことだ。
ブログ一覧 | セッティング | 日記
Posted at 2011/09/26 00:20:35

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この記事へのコメント

2011/09/26 22:16:16
黄色い34のテールが流れにくかったときには、そんな裏付けが有ったとは。
ナントナクは解りますが、ボクは其処まで考えて詰める処まで
行けてないなぁと感じます。

ID65だったら10kも9kも有るので試すときは言って頂ければ、使い回せるかと思います。
ボクは先に動きに慣れたいので、暫くは変更無しですし(汗
この先、何かしら考えて逝くときは、以前からのブログも会わせて、
いろいろと参考にさせて貰います。
コメントへの返答
2011/09/26 23:46:43
スカイラインは本当に足回りのセッティングに対してダイナミックレンジが大きいので、少しの変化でも大きく動きが変わるんだよね。赤いのと黄色いので、「こんなに違ってたっけ?」って思うのと同じぐらい、今の黄色いのは動きが全く違う。だからタイムも大幅に変わってしまう。

慣れもあると思うけど、自分のフィールと合わないセッティングは、やっぱり走行スタイルとのマッチングが取れてないので、走っていて楽しさは感じられないと思う。テールハッピーは操作してて楽しいけど、やっぱり前に進めないというイラ立ちは出てくるからねぇ。

使いまわしは考えたいけど、一度に全部変えてしまうとスカイラインの場合、迷宮に迷い込んでしまうので、効果確認しつつ、かなぁ。

コーナー立ち上がり時に駆動輪には縦Gと横Gが掛かるけど、非駆動輪には横Gしか掛からない、ってのがミソなんだよね。
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