気紛れな梅雨空の下、
都の薬用植物園に行った。
久しぶりに訪れたが、季節も変わり、
咲く花のカラーも格段に増えていた。
ここはお世辞にも派手な植物園ではない上に、
植えられている花は薬用植物に限定されているため、来園者は多くない。
【1】
スイレン
まして雨上がりのハッキリしない天気のもとでは尚更だった。
【2】
マツモトセンノウ:花の形が松本幸四郎の紋所に似ていることからの命名!?
しかし自分はココが存外好きだ。
【3】
植物の薬用効能に触れられる珍しい機会となることは勿論、
身近な花たちを間近でゆっくり観察できるのは有り難いことだ。
【4】
イブキジャコウソウ:芳香があり、伊吹山に群生する
ここでしか観ることができない(少なくとも自分の生活圏にはない)
花に稀に出会うこともあって、毎回ちょっとした期待感もある。
【5】
この日は雨が僅かに残る中で撮影を始め、天候の回復とともに約1時間半、
地味で控え目な花たちを観察してみた。
【6】
アキノベニバナサルビア:香草や薬草に用いられるチェリーセージ
雨のあとということもあってか、花たちは瑞々しく、
【7】
ケジギタリス:ジギタリスより毒性が弱いが薬効は高いと聞く
そして自らの世界に浸っているようにも感じた。
【8】
キリンソウ:傷薬の草=キジンソウもしくはキジグサが転訛したと言われる
植物は外形上、一ヶ所に留まり言葉を発することなく変化に乏しい。
【9】
しかし、それは表層的で片面的なものの見方に過ぎない。
【10】
確かに彼らには、我々の日常にある、食事をしたり、睡眠をとったり、
【11】
キキョウ
暦や時計を見たり、娯楽に興じたり、そんな普通のことが一切ない。
【12】
エキナケアパラドクサ:別名イエローコーン、なるほど
一切ないが、太陽を捉え、水を集め、風や虫たちに受粉を促し、
【13】
エキナセアパリダ:北米先住民族の民間薬
昼夜を感じ、季節を感じ、茎を伸ばし、葉を広げ、花をつけ、実を作る。
【14】
テリハノイバラ:その名のとおり葉に光沢がある
それはまるで、彼ら独自の小宇宙で孤高の旅を楽しんでいるかのようだ。
【15】
シナカンゾウ:全てを忘れるほどに蕾が美味と言われるワスレグサ
大げさに言えば、ミクロの世界をマクロの宇宙に変換しているかのごとく。
【16】
アーティーチョーク:蕾や茎を食用とする大型の多年草
それ程までに、植物たちの営みは繊細で壮大で神秘的に見える。
【17】
梅雨のこの時期、植物たちの神秘の営みは、あたかも定めらたシナリオのように、
【18】
カワラナデシコ:秋の七草の撫子はこの花を指す
いまこの瞬間にもまた積み重なりつつある。
【19】
グロリオサ
※EOS 6D EF100-400㎜ F4.5-5.6L IS Ⅱ USM
(了)
Posted at 2015/06/23 20:48:54 |
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