
2017年9月2日(土)。
モノクロ専用機でのたてもの園。
前回に続いて今回が2回目だ。
引き続きディテールの切り取りになる。
今回もたてもの園で撮影した画像だけれど、
被写体の解説ではなく機材自体のインプレにしようか思う。
ご興味のない方は華麗にスルーください。
【1】
LEICA M Monochromeの印象は、CCDだった前モデルを知らないため、
比較する対象機がなく、まさに感覚的で主観的なものになってしまう。
勿論カメラ内の設定でモノクロ化した画と比べる方法はあるのだが、
それではどう考えてもフェアではない気がしてしまう。
センサーからカラーという要素を削ぎ落とした先に、
果たしてどのようなメリットが生じたのだろうか…。
【2】
それにしてもこのカメラ、味気ないというか素っ気ないというか、
外観のシンプルさは比類なく、社名のロゴすらない。
以前Typ240を使っていたがマウント上部にブランドロゴがあった。
それと較べても潔い程の装飾排除が隅々にまで徹底されている。
(実はホットシューカバーに小さなメーカー刻印はあるんだけどねw)
こうした大仰でない外観には好感や愛着が湧くんだけど、
こと使い勝手の面では、俄然国内メーカーに力強く軍配が上がる。
【3】
Typ246はそもそもグリップの良いボディ形状ではない。
全体にスッキリしているため滑るのと指掛かりが小さいから、
ともするとシャッターを押す際に微妙にブレてしまうこともある。
【4】
軽ければ良いというものではないが、結構重い点もネックになる。
特にバッテリーは重いヨ(-。-;
【5】
それに、様々な動作反応がすこぶる鈍い。
起動時、壊れたのか?と思うこともしばしば。
【6】
だから電源offの最中にシャッターチャンスが訪れたときは、
もう観念するしかない、どう足掻いても間に合わないから。
【7】
欲しい情報にサクッとアクセス出来ない点も難儀だ。
例えばバッテリー残量を確かめるなんて作業をするとよく分かる。
【8】
細かい点だけど、バッテリーの出し入れも面倒だ。
いちいち底部のフタを外さないといけない。
【9】
そう、SDカードの抜き挿しも同じだ。
伝統のスタイルなのだろうが、いかにも前時代的でイラッとする。
【10】
と、何だか文句ばかり並べてしまったが、
ユーザーフレンドリーではないことは事実だから仕方ないよね。
【11】
一方、肝心の写りはどうかと言うと、正直未だに分からない。
【12】
時としてハッとするような陰翳の写真が撮れたかと思えば、
次の1枚はそこはかとなく凡庸だったりする。
【13】
どちらかと言えば、アンダー目に撮った時の方が味を出す。
【14】
等倍以上に拡大してみると、暗部に潜むモノクロの階調には、
先入観も否めないものの、確かにこのカメラならではの、
境目のない滑らかなグラデーションを感じることができる。
【15】
Typ240よりは高感度耐性があるように思うが、
目を瞠るような強さを示すレベルでもない。
【16】
それに銀塩カメラのように小さな粒が残るような微妙な合焦なのだ。
【17】
が、モノクロの画としては、不思議な遠近感・奥行きもあったりする。
【18】
つまりひと言で表現するなら「捉えどころがない」ということだし、
それ以前に「使いこなせていない」ということに他ならない。
【19】
写りの大半はレンズで決まると言われるが、LEICAのレンズ自体、
カバー領域がほぼ標準(準広角〜中望遠)に留まり、
最短撮影距離が今時0.7-1mのみがラインナップされている。
【20】
そうそう各焦点距離を揃えられる価格でもないときてるので、
素人が変化をつけようと苦労することは目に見えているわけだ。
【21】
一筋縄ではいかない、でもハマった時のインパクトは禁断の味。
【22】
滅多に味わえない禁断の瞬間をこれからも探すことになるのか、
はたまた伍してゆく覚悟が失せ挫折するのか、今はまだ結論が出ない。
【23】
おわり。
※LEICA M Monochrome(Typ246) LEICA Summicron 35㎜/f2.0 ASPH.
(了)