
今日はBMW特注京商製New Z4と実車メーカー特注のミニカーについてです。
京商はBMWのニューモデルの特注モデルの製作に関してライセンス契約をしているため、優先的なリリースが可能になっています。
ボディカラーは、メディア向けのフォトリリースやプロモーションムービーに出てくるカラーがリリースされるようです。

ミニカー自体の出来ですが、京商クラスのミニカーとしてはごく当たり前の出来ですが、価格のことを考慮すると、ルーフの開閉のほかに何か欲しいところです。
バリアブルトップの開閉自体はより複雑な機構を持つ3シリーズカブリオレでも実現していますし、メルセデスSLや初代SLKがデビューしたころのミニカーでもすでに実現していたので、そのほかの目新しさがほしいです。
さて、実車メーカー特注のミニカーの起源は諸説あるのですが、実車の販売に貢献するようになったのは1950年代のアメリカのディーラーに置かれていたプラスチックモデルがそのルーツになると思います。
この時代のカタログの見るとわかるのですが、今のような写真を多用したものではなく、イラストが中心のカタログでした。
どちらかといえば実車に忠実ではなく「より低く、より長く、よりワイドに」描かれていました。
この傾向は年を追うごとに強くなり、カタログだけを見て契約したユーザーが、納車の段階で、カタログと違うじゃないかというクレームも多かったようです。
しかも、アメリカのディーラーは現在の国産車のようにメーカー直営のものではなく、個人経営のディーラーが多かったため、また毎年のようにモデルチェンジをしていたために、実車を用意したくても資金的にまたは敷地的に厳しいディーラーでは実車を用意できないという実情が起こってしまったのです。
そこで当時のGMではボディスタイルのみが分かるスケールモデル=プロモーションモデルをディーラーに置くようになったのです。
しかし、カタログに写真を多用するようになり、マスメディアなどの発達によって、プロモーションモデルとしての役割よりも、最近ではターゲットユーザーやファン層の拡大のために戦略的に展開されていることが多いようです。
(但し、最近、日本のディーラでも色見本の代わりに各色のミニチュアモデルを置いてあることが多くなりました。)
一般的にメーカー特注モデルの製作は実車が発表される1年程前から、あるいは量産用の内外装のデザインが決定した段階で、ミニカーメーカーに実車データが提供され、実車の発売に合わせてミニカーも発売されていました。
しかし、最近では1:18スケールだけが2~3カ月ほど遅れることが多くなりました。
これには理由があり、実は1:18の場合はドアの開閉やボンネットの開閉などのギミックがあり、内装やエンジンなどをより正確に造る必要があるためと思われます。
この契機となったモデルはおそらくBMW特注京商製E46 M3 CSLだったとのではないかと推測しています。
実はこのモデル、特注モデルでありながら、ハンドルの仕様が実車と異なってしまったんです。
おそらく特注モデル製作の時点では実車のハンドルの素材は本革だったものが、量産の時点でバックスキンに変更されてしまい、実車とほぼ同時に販売された特注モデルでは本革風、少し遅れて販売された一般市場モデルではバックスキン風に変更されていたんです。
このモデル以降、各メーカーの特注モデル(1:18)は少し遅れてリリースされるようになりました。
最近のメーカー特注モデルの動向としては規模的には縮小傾向にあるようです。
ドイツブランドに関して言えば、AUDIはニューモデルの1:18の製作をR8以外のモデルでは中止していますし、この分野での先駆者的な存在であるBMWにしても、5シリーズのLCIモデルのリリース以降、LCIモデルのリリースがなくなり、1シリーズの3ドアモデルやM5ツーリングなど、品番が決まっていたものでもリリースがキャンセルされています。
一方、新興市場である中国向けの特注モデルでは、国産車のリリースが盛んなんです。
たとえば、日産ティアナ、ティーダ・ラティオ、マツダアテンザ、プレマシー、新型デミオ、ホンダフィット、新型オデッセイまで1:18でリリースされています。

現車のオーナーさんにとっては注目の市場になりつつあります。
Posted at 2009/09/22 23:37:58 | |
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ミニカー | 日記