何かと話題の
SUBARU BRZと
TOYOTA 86。
予約しないとなかなか乗れないと聞いていたのだが、
スバルディーラーの前を通った際に実車が見えたので寄ってみたら、
意外にも飛び込みで全然OKだったので、乗ってみた。
用意されていたのは、3グレードの内の真ん中のR、
6MTのクリスタルブラック・シリカであった。
実車を見るのは初めてではないが、この外観は改めて見ても
やはり個人的にはちょっとクドすぎると感じる。
まぁこれは好みだから良いとして、早速乗り込んでみる。
「低いっ!」
低いとは聞いていたが、想像以上に低い。
だが低い着座位置が好みの私には、この低さはむしろ心地良い。
ハンドル、ペダル、シフト等の操作系もしっくりと合い、
運転はしやすそうである。
足を前に投げ出した位置にあるABCペダル、
FRらしく手を前にのばした高い位置にあるシフトノブも、
敢えての演出でないとはいえ、その気にさせる。
動き出してすぐに感じたのは剛性感。
…というか、約10分程の試乗での印象を一言で表すと、
良い意味でも悪い意味でも「堅い」ということであった。
まず足回りの堅さ。
これは正直、長距離移動は遠慮したくなるような堅さである。
この手の車に慣れていない人は閉口するであろう。
しかしサーキットや峠に持ち込むと、
これが一転楽しさに変わるのは容易に想像できる。
実際、特別にお願いして短い山越えの道を走らせてもらったのだが、
前後重量比と着座位置の良さによると思われる、
お尻を中心にクイッと曲がる感覚と併せて、
もっと攻めたくなる気持ちを抑えるのが大変であった。
これにはもう一つの堅さ、ボディ剛性の高さも影響しているだろう。
比較的路面状態の良好な国道を流していてもそれは感じられるし、
逆に荒れた路面でも法外な乗り心地の悪さは感じられない。
やはりボディ剛性は車の基本だと感じさせられる。
そしてシフトフィールの堅さ。
堅いという表現が正しいかどうか分からないが、
適度な節度感があり、カチッ、カチッとシフトチェンジが決まるのは
やはり気持ちの良いものである。
予想外だったのは、フロントの見切りの良さであった。
着座位置の低さから視界はあまり期待していなかったのだが、
フェンダーが少し上に盛り上がったデザインのお陰で、
意外に見切りが良く、それがあらゆる場面で安心感につながっていた。
さて、この車の大きな特徴の一つである低重心化に寄与している、
スバルお得意の水平対向エンジンであるが、
残念ながら実はこれが拍子抜けであった。
セルを回した直後からボクサーエンジンらしい野太いノートはなく、
一昔前の直4エンジンの様に少しざらついた感じの音。
回すと良い感じになるのかと思いきや、
また違った感じのざらついた、ちょっと安っぽい音。
同乗のセールスに聞いてみると「サウンドクリエーター」なる機能で
作った音が聞こえるような仕組みになっているとのこと。
どうせ作るのであれば、もっと調律のとれた、
気持ちを高揚させる音に出来なかったものだろうかと、少し疑問に感じた。
一方、パワーに関しては必要にして充分。
ただシャシー性能が高いからか、車は「もっとパワーをくれ!」
と言っているようにも感じた。
特に低回転のトルクがもう少しあると、もっと楽しめるように思う。
既に待望論が出ているようであるが、スーパーチャージャーや
ロープレッシャーターボなどの過給器付きがあると、
この車の魅力はもっと増すのではないだろうか。
さて、試乗を終えて、改めて外から車を眺めてみたが、
トヨタが「86復活」と銘打って発売したということを考えると、
もっと軽量コンパクトに出来なかったのかと残念に思った。
購入者のボリュームゾーンは40〜50代らしいが、
価格もあと50万ほど抑えて、20代の若者にもアピールできる、
そしてコンパクト化されると噂の次期ロードスターと
(オープン、クローズドの違いがあるとはいえ)真っ向勝負できる
位置付けにした方が面白かったのではないかと思うのだが…
いずれにしても、久々に出た国産FRコンパクトスポーツ。
改良を繰り返しながら、息の長いモデルになって欲しい。
そして、コンパクトスポーツ復権の起爆剤になることを
期待したいものである。
追伸 因みに、数時間後にTOYOTA 86にも試乗してみたが、
街乗りレベルでは、私にはその違いを感じることが出来なかった。
スバルディーラーのセールスは、しきりと86との比較を勧め
不思議に思っていたが、よく考えてみたら、86も製造はスバル。
利鞘は違えど、どちらが売れても儲かることになっていると
分かって、妙に納得してしまった。
2012.06.01追記
一つ気になっていたことを書き忘れたので…
真ん中に大きなタコメーターを配した3眼メーターパネル。
左に小さめのスピードメーターがあるのだが、これが小さい上に
切り欠きが大きく、更に260km/hまで刻んであるために、
目盛りがかなり細かい。
しかも、普段よく使われると思われるスピードレンジが、
時計でいうと6時から8時の間辺りに来ているため、
見難いこと極まりない。
タコメータ内のデジタルメーターを見れば、ということかも
知れないが、それなら思い切ってアナログメーターの代わりに
油温計や油圧計でも付けた方が、走り屋にとっては嬉しいと
思うのだが…?
Posted at 2012/05/27 00:13:57 | |
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