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2017年10月29日 イイね!

【私感】日産、SUBARUの問題について

【私感】日産、SUBARUの問題について日産に続いて、SUBARUでも発覚した完成検査の無資格問題。

みんカラだけではなく、いろいろなところで書かれているので、敢えてこの場で意見をするつもりはありませんが、今回一体何が問題だったのかをちょっと振り返ってみようと思います。

新車を生産、販売する際、自動車メーカーは国土交通大臣に申請または届け出を行い、道路車両運送法で定められている保安基準へ適合しているかを審査を受けます。この審査を合格した車両には認証が与えられ、このことを一般的に型式認証と呼ばれています。

型式認証には「型式指定制度」と「新型届出制度」と二通りの制度があり、「型式指定制度」は、現車(所謂パイロットモデル)によるブレーキ試験等の基準適合性審査と品質管理(均一性)の審査を「独立行政法人交通安全環境研究所」が行います。その結果、適合したクルマには型式が指定されます。レヴォーグの1600の場合は、「DBA-VM4」というのが型式指定になります。
指定された型式の自動車 について、新規検査時の現車提示が省略される制度であり、主に、同一モデルが大量生産される乗用車に利用されます。

型式指定を受け、量産に入り、完成した車両を検査するのが"完成検査"です。
完成検査では、出来上がったクルマが型式指定を受けた時と同じように保安基準を適合しているかを検査します。その結果、適合しているクルマには「完成検査終了証」を製作したメーカーが発行し、クルマに添付して出荷します。完成検査終了証の有効期限は9ヶ月と決まっております。
完成検査終了証を発行するにあたって、メーカーは事前に国土交通大臣あてに印鑑の届け出を行わなくてはなりません。

出荷された車両はディーラーに配送され、ディーラーは登録を行います。登録を行う際、型式指定により自動車検査登録事務所へ車両を持ち込み、検査を受けることが省略されます。その代わりに、完成検査終了証を提出し、手続きを済ませてナンバープレートと車検証の交付を受けます。
つまり、型式指定⇒完成検査終了証により、自動車検査登録事務所へ実車を持ち込むことなく、登録できるという制度です。
自動車検査登録事務所ですが、"陸運局"や"陸事"、"運輸支局"と呼んだ方が馴染があるでしょう。

①新車の開発、設計、試作⇒②量産試作⇒型式認証(型式指定)⇒③量産開始⇒④完成検査(完成検査終了証)⇒⑤出荷⇒⑥登録(自動車検査登録事務所)⇒⑦納車

もう一つの「新型届出制度」ですが、トラックなどの架装車やマル改と呼ばれる改造車等が該当し、車両を自動車検査登録事務所に直接持ち込み、実車の検査を受けて登録となります。
S207等のSTIのコンプリートカーは、こちらの制度が適用されます。

たまに「完検切れ」という言葉を聞きますが、売れ残って長期在庫となっている車が9ヶ月の完成検査終了証の有効期限が切れてしまったことを言います。賞味期限みたいなものではありますが、有効期限が切れたら登録ができないということではなく、新型届出制度と同様に、自動車検査登録事務所で持ち込み検査を受ければ登録は可能です。ただ、ディーラーにとっても持ち込み登録は結構な手間ですので、完検切れの前に登録して新古車として流すか、あるいはものすごい値引きで売り切ってしまうと思います。
個人的には9ヶ月もモータープールで眠っていたクルマは避けたいですが・・・


型式指定により、自動車検査登録事務所の検査をメーカーの完成検査が代行する形になり、完成検査終了証にはそれなりに重みがあるわけです。
完成検査終了証発行の根拠となる完成検査を、日産、スバル共に社内資格のない社員に行わせていたのでした。

この完成検査の不備に対するリコールとして、つまり上記④が適切ではなかったので、⑥の登録の時と同じ検査を実施して、保安基準への適合を確認します。
そこで、"車検"を通したクルマは何故リコールの対象外となるのかという話になるのですが、⑥の登録は普通車の場合は一般的に有効期限が3年とされており(自動車検査登録制度)、継続して車両を使用する場合は、⑥と同じ検査を受けなくてはなりません。この検査が車検となります。

その検査ですが、直接自動車検査登録事務所で実施する場合もありますが、一般的には国土交通省から認証を受けた工場(認証工場)のうち、一定の基準に適合する設備、技術及び管理組織を有するほか、自動車の検査の設備を有し、かつ、自動車の検査を行う者(「自動車検査員」と言います。)を選任して自動車の点検及び整備について検査をさせると認められるものについて、指定工場と認定されます。指定工場は一般的に民間車検場と呼ばれ、ここでの検査は自動車検査登録事務所での検査と同等のものと扱われます。



ディーラーで車検を通すのは、ディーラーの整備工場が指定工場に認定されているからです。

車検で④と同等の検査を実施しているので、車検を通した車両はリコールの対象外となります。
我が家のレヴォーグも先日車検を通したので、リコールの案内が来ることはないでしょう。

某掲示板で、スバルを擁護する方が、これくらいの事なら私はリコールを受けないと書き込んでいましたが、リコールを放置すると車検が通らない場合があるので、手間はかかりますがきちんと処置を受けるべきだと思います。


次ですが、ここからはあくまでも私の憶測に過ぎないので、予めご了承ください。

今でこそトヨタの資本が入っているSUBARUですが、かつては日産が筆頭株主でありました。
メインバンクが同じ日本興業銀行(現みずほ銀行)ということもあり、一時期は社長を日産から迎え入れていました。
バルブ期は国内の自動車メーカーで唯一の赤字であったということもあり、また当時は普通車はレオーネぐらいしかなく、生産ラインに余裕があったということもあり、日産車の受託生産を開始します。つまり、SUBARUの工場で、日産のクルマを組み立てて、出荷するのです。

1968年の業務提携以降、サニーやパルサーといったかつての日産の主力車種の生産の一部をSUBARUが担当しました。
最後の受託生産となったのが、N14型のパルサーです。



余談ですが、免許を取って最初に欲しかったのがこの型のパルサーでした。
写真のGTI-Rは手が届かず、狙っていたのは1600のX1R。しかし、諸事情により最初の愛車は弟分のマーチに落ち着いてしまいました。
無理してでもパルサーを買っていれば、もしかしたらこの時からSUBARUとは縁があったのかもしれません。

WRX(GC8)とライバル関係にあったGTI-Rが同じ工場で作られていたとはちょっとシュールではありますが・・・

1990年代以降はレガシィ、インプレッサのヒットにより受託生産を行わなくてもラインが埋まるようになり、日産との関係は2000年に解消されます。
86/BRZのような共同開発やOEM供給ともなく、提携と言っても日産と同じ部品を使うといった程度だったのかもしれません。
自分が乗っていた3代目レガシィ(BH)のドアミラースイッチは日産車と共通だったと覚えています。
初代のフォレスター(SF5)のパワーウィンドウスイッチの裏に「NISSAN」という刻印があったという話も聞いたことがあります。
日産車初のCVTである、"N CVT"はSUBARUから供給を受けておりました。

この日産車の受託生産を通して、日産と同じ完成検査の方法がSUBARUにも何らかの形で伝授されたのかもしれません。
一部報道では日産は40年前から、そしてSUBARUは30年前から完成検査の無資格検査が行われていたとのことなので、実際は分かりませんが、関係があるのかとつい勘ぐってしまいました。
仮にそうだとしても、SUBARUが免罪されるわけではありません。

今回の件をどう受け止めるかは人それぞれだと思います。大したことなしと一笑に付す人もいれば、事態を重く受け止め、断罪だと責め立てる人もいます。冒頭でも触れたとおり、どちらが正しい、間違っているかをここで論ずるつもりはないですが、いずれにせよ、二社とも適切な対応をきちんととって、一日でも早い解決に向けて進んでいくことを切に願っております。

Posted at 2017/10/30 00:03:39 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ薀蓄 | クルマ

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何シテル?   04/21 21:33
1999年5月、スバルオート横浜(現神奈川スバル)金沢営業所でレガシィB4 RSKを契約。 何度も他社に乗り換えようと思いましたが、結局はスバルに落ち着き...

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