この前、懐かしい車を見かけたので思い出話を少々・・・
私が小学3~4年のころまで(もう15・6年も前です)、じいさんが大事に乗っていた車がありました。
※画像はwikiより。。。ちなみに画像のは後期です
5代目セドリック(430型系)
じいさんは、たしか前期型のに乗っていたと記憶しています。
私はこの車に乗せてもらうのがとても楽しみで、家の前に止めてあるだけのこの車に、勝手に乗り込んで、半ドアにして、バッテリーがあがる・・・ということを頻繁にやらかしてました。
また、100kmを超えると、古い車にはついていた「キンコン」という車速注意警報が鳴り、またその音が、レトロながらも上品な車内の雰囲気とマッチして、何とも言えない心地にさせてくれるんですよね。懐かしいです。
私のじいさんは、74歳まで現役の大工として現場に立っていました。
普通の人なら、年金もらってゆっくりしている歳です。
家の中には家屋の図面が本棚にまとめてあり、物置には大工道具が所狭しと置いてある。 とても優しく子煩悩な人ですが、「職人」という言葉が似合う人でした。
ただ、贅沢なんてするような人ではなかったですし、車に特別興味のあるというわけでもなかったので、なんであのセドリックを選んだのか、子どもながらにずっと疑問に思ってました。
そんなじいさんですが、私が高校生になったころ、仕事中にけがをすることも増え、ついに退職する日が来ました。
もともと仕事の合間を縫ってよく会いに来てくれてましたが、退職してからは暇を持て余したのか毎日のように遊びに来ました。
私が札幌の専門学校に行ってた頃は、わざわざ片道4時間もある道を運転して、アパートまで遊びに来てくれたこともありました。
それからまた数年が経ち、私が地元に帰ってきて、今の職場の試験を受け、無事務めることになったとき、すごく喜んでくれました。
ただ同時期から、肺炎を起こし入院してしまいました。「2週間ほどで退院できる」と笑っていたじいさん。
その3ヵ月後、じいさんはガンが再発して、急逝しました。
それが、もう3年も前になります。
酒を飲める歳になって、今まで以上に色んな話ができるなと思ってた時のことだったので、とてもショックでした。
じいさんが亡くなった後、親父に「なんでじいさんはあのセドリックに乗ってたの?」と聞いたことがあります。
親父曰く、もともとその車は親戚が買った車だったそうです。
(その親戚も車好きでいろんな車を所有していました)
ただ、そのセドリックを手放そうと考えてたときに、じいさんは「その車がほしい」と言って、買い手が決まっていたのにもかかわらず、無理をいって買い取ったとのことでした。
今じゃその真意は分かりませんが、たぶん「一目惚れ」だったんですかね。
めったに見る車じゃない(というか、初遭遇でした)ので、すれ違った瞬間、思い出が一気にフラッシュバックしました。
そして、現役で走っている姿を見てなぜか「ああ、430セドリックって、じいさんと雰囲気が似てたから好きだったんだなぁ」と感じました。人とモノを比べるのも変な話ですが、430セドリックの几帳面ながらも徹底した造りと古くも懐かしい空気は、「職人」という言葉がすごく似合うんですよ。
なんか長文で取り留めのないブログになってしまいました(いつもかな(^_^;))。。。
でも、なじみある旧車って不思議と昔を思い出させるんですよね。20半ばの私ですらそうですから、50~60歳の方々だともっと強烈に感じるのかな…
最後に、旧車オーナーのみなさん。維持・管理はとても大変だと思いますが、ぜひ大事に、長く乗っていただけたらと思います。そして、素敵な出会いをありがとうございました。
Posted at 2014/06/07 23:22:28 | |
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