命の値段。

誘拐事件の話ではないのでそういうのを期待した向きは回れ右でどうぞ☆


今朝洗濯しつつ朝ごはん食べてたら新聞のテレビ欄に興味あるフレーズがあったもんでリモコンをぽちっとな。つけたのはテレ朝系の情報番組だったんだけど、そこでやっていたのが乳がんで治療した場合実際いくらくらいかかるもんなんだってお話。

早めに発見出来て入院手術、退院後は放射線２５回とホルモン治療（月一注射二年間と服薬五年間）と言うまあまあオーソドックスな内容でさてお値段は


まあ大体１００万前後です。


保険の負担率にもよるけどねーそれにたぶんこれは主な治療が一通り終った時点で区切ってあると思う。恐らく検査して入院手術を経て二年くらいの一番金がかかる期間の合計だろう。私も同じような内容だったんで、テレビもそれなりにほぼ真実を伝えてるなーと思ったけどね。
ただし、上にも書いた通り服薬は五年、そして三年目からは大体三ヶ月に一回定期健診を受けます。病院の方針にもよるけど採血とエコーで、私の場合は社会保険の三割負担で五千円弱。その時に毎日飲む薬を出してもらうんだがそれが七千円ちょい。当初の二年にくらべると大幅に減ったとは言えまだまだ後一年半はこの状態です。おまけに術後○周年記念には徹底的に精密検査を受けるんで、PET-CTが約三万円。
五年経って一応の治療が終っても、定期的に検診とかはあるだろうしね。確率が大幅に低いとは言え、その間に再発がないとは言えないし。

しかしこれは乳がんの治療の中でもかなりマシな方なんだよね。発見早期だし、ホルモン治療で済んでるしさ。これがもっと発見が遅くてタチの悪いタイプだと更に費用が嵩む。それに医療費だけじゃなくって、人によっては所謂代替療法とか切った乳房再建しようと美容整形（これは保険適用外）とかやるかもしれんから、あらゆることをやろうと思うと幾らでも金はかかるってことだ。


最初の二年は苦しかったね～経済的に。月一回の検査と注射が高くって、三割負担でも毎月何万もかかるんだもん。生命保険に高額療養費に傷病手当と使える手はすべて駆使したけど、正直ヘタレそうだった。治療を止めてもすぐ死ぬわけじゃないけど、それでも出来る限りのことはやっておきたいのが人情じゃないか。まだまだやりたいことだってあるし。
そんな感じでがん患者ってのは再発転移の恐怖もさることながら、治療をこのまま続けられるのかと言う心配が常に付きまとっているわけなんですよ。早期の私でこれだから、もっと重い患者の心中はいかばかりか。

それに医療現場のお粗末さもまだまだ改善の余地がでかいんだよね。「命助かったんだからありがたく思え」みたいな空気が根強くて、手術で損なったもの（有形無形どっちもな）へのケアは非常にしょぼいのが現状だし。
先ごろの国会でがん対策法が通って大きく前進したとは言っても、まだここ２、３年でやっと患者が声出し始めたところなんだよね。

そんな感じでがんにならないに越したことはないんだけど、誰にだって罹る可能性はあるわけでして、今現在健康な人もくれぐれも用心して欲しいところです。
乳がんに限って言えば、女性は月一回は自分で状態を確かめて、年一回は検診を受ける。
そんで男性は彼女や嫁の胸を日々しっかり触っとけ。そしてもし「あれ？」と思ったらあなたが病院に引っ張っていってやって欲しい。がんじゃなかったら「なあんだ」で終るんだからさ。ずっと放置してやっと病院行ったらもう手の施しようがない、なんてことになったら大変でしょ？