大西順子トリオ＠名古屋ＬＯＶＥＬＹ

と、言うことで昨日聴きにいったライブの感想です。

実に七年ぶりの大西順子です。昔聴いたのは結構大きなホールだったんで、こういう距離で聴くのは初めてだったり。
華々しく復活！ってのじゃなくって、活動再開、ぼちぼちやってきます～って感じのようです。まだ手探りで鍵盤辿っているような感じかな。手探りと言っても客の反応とか外に向かうものじゃなくって、ピアノと言うイキモノと向かいあって互いに腹を探りあっているような、そういう意味の手探りの印象があります。
ファーストステージはそんな感じで出る音を確かめているようなぽつぽつとしたピアノでした。セカンドステージまで行くとだんだんエンジンが温まってきたのか、終わりに近づいたあたりで消える以前の大西順子節がちょっと出てましたけど。
それでも店の中は立ち見が出るくらいの盛況ぶりでみんなの視線がピアノに集中しているんだから、プレッシャー凄いんじゃないかなと思うのですけど。本人はどう思っているのか知りようもないけど、大変じゃなかろうかとか思ってしまいます。

北方謙三の小説『黒銹』って言うのが女のために身を持ち崩してシーンから消えたジャズピアニストの話なんですけど、作中の彼のようにどこかのバーなんかであくまでＢＧＭとして、客と距離をおいてピアノに向かう。そんなシチュエーションで彼女のピアノが聴いてみたいと思いました。

まあこれからまたずうっとジャズやっていくのなら、そんなに慌てずに自分のペースでぽつぽつやっていくのが一番いいですよね。頑張ってほしいです。