「カープとカープファンを相手に投げる自分の姿は想像できなかった。」
黒田は そう云ってFA権を行使せず、広島残留を決めた。
自分にとって何が一番大事かを考えた。今後の野球人生を考えた時、「カープで優勝する」ということが最も高いモチベーションになる。来季はプレーオフができ、チャンスは沢山ある。
最終戦(10月16日)の広島市民球場の右翼席にはパワーを感じた。みんなカープが好きなんだなと。自分の気持ちと繋がった。
10年間、カープに育ててもらった。入団当時は、今ほどの投手になれるとは思っていなかった。今の自分には、カープの打者を相手に目一杯の球を投げられる自信はない。プロじゃないと言われるかもしれないが、それが僕の気持ち。
カープだから(勝てない)と言われるのは悔しかった。カープでもできる、どこへ出ても恥ずかしくない成績を残す、という気持ちで常にやってきた。
強い球団を倒すのが生きがい。地方球団に、そんな選手がいてもいいんじゃないか。
自分の気持ちに正直に決断できて、すっきりしている。ようやく野球に集中できる。選手としては、満員の球場でプレーできる事が何より嬉しい。今季の最終戦、ファンが僕に期待をさせてくれた。来季、どこで野球をしたいか。マウンドに立つならどこのチームなのか。それがカープでした。
「このファンと一体になって戦ってみたい。今一番大事なのは、そういう気持ちではないか。」
彼が言う「カープへの愛着」は、強い責任感にほかならない。
カープを相手に投げる姿が想像出来無かったという言葉は、カープを支えている自負心であり、カープで勝ちたい心からの叫びである。
個人主義に走れない性格が、FA移籍の選択肢を消した。
FA権行使で主力選手がどんどん抜けていく近年のカープの中で、一筋の光が見えた。
ファンの願いが通じた この明るいニュースが転機となって、チーム全体も勢い付いて欲しい。
球界唯一の市民球団、広島東洋カープは 地域の財産。
昨年、新球場の早期建設を願って止まない人々が 見せた広島の心意気、「
たる募金」。
一昨年、揺れに揺れた球界再編問題、渦中の臨時オーナー会議で リーグ合併の議決を 市民球団としての生い立ちがあるからこそ棄権した松田球団オーナーの
決断。
信念をもって軸が振れんところは、マツダがロータリーを辞めんのに よう似とる。
あんたら ほんま、みな一概なよのう。
じゃけぇ、弱ぅおても放っとかれん。
頑張れ、カープ!
Posted at 2006/11/07 23:21:18 | |
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