
写真は、手持ちのフェライトをいくつか寄せあって写真に撮ったもの
フェフェライトの説明はWikipediaをみてね。
こっちも
写真左側の2つは、クランプタイプのフェライト。電源コードなどを挟んでEMI対策として利用されるタイプ。最近は良く見かけますね。
商用電源からノートPC用やゲーム機用の電圧を得るためにスイッチング電源を利用することが多いのですが、スイッチング電源は、スイッチングノイズが出るので、それを商用電源側に伝播(伝え無いように)させないために利用します。写真は、TDKのZCAT3035というやつ。@400円くらいで秋葉原で買えます。
まんなかの黒いドーナッツ上のものは、フェライトをドーナッツ上にしたもので、別名
トロイダル・コアといいます。これに銅線などを巻き付けたものが、写真上のばらばらになったPC電源の中にみることができます。このPC電源に付けられているものはノーマルモードノイズフィルターと呼ばれるもので、別名チョークコイルといわれます。無線やオーディオをやっているひとには、チョークコイルという呼びかたの方が、馴染があるでしょう。
平衡な信号ケーブルのノイズ対策としては、チョークコイルに似てはいますが銅線を2重に巻いて、それぞれの信号を流して使うタイプのコモンモードノイズフィルターという名称のものを使います。
2重に巻くときに、それぞれの巻数を変えると変成器・・・・つまり、トランスになります。トロイダル・コアを使ったトランスをトロイダル・トランスと呼びます。
より詳しい説明は、
電波障害をみてね
動作原理は、小学生のときに遊んだ人も多いと思いますが、電磁石と同じなのです。
フェライト部分の材質、外形、内形、厚み、そして、比透磁率(磁石にどれくらいなり易いか)によって特性が変わります。フェライトに巻いた銅線に直流の電気を流すと電磁石になりますが、交流の電気を流すと、その周波数によって、電気のながれやすさが変化します。S極とN極に交互に切り替わるのに少し時間が必要なため、その変化に必要な時間と交流周波数が一致するとS極にもN極にも変化できす、フェライトでその電気を消費させてしまうことができます。つまり、電気がながれやすい周波数とながれにくい周波数があるので、目的とする信号の周波数には影響をあたえずにそれ以外の信号を減衰させることができ、ノイズフィルターとしての役割を果たすことができます。
最近の携帯電話はアンテナがないのですが、先ほどのクランプタイプのフェライト・コアをアンテナにかぶせると・・・・圏外になります。これはアンテナから発生した電波によって起きる電流をフェライト・コアが阻害するためにアンテナから電波が飛ばなくなるためです。
フェライトの形状はいろいろあります。トロイダル型以外にも棒状のものもあります。
ノイズフィルターの用な受動型で使う場合もあれば、トランスのように能動型で使うこともあります。(もともと受動素子なので能動型という言い方はおかしいのですが・・・)
能動型で使う場合は、最近はEMI(放射ノイズ)の発散を減らすためにトロイダル型が多く使われます。トロイダル型の利点は、そこで発生した磁力がコア内部だけに留まり外に出にくいからです。棒状だと電磁石となることからわかるように磁力が外に出やすくなります。
ただし、フェライトが磁石になれる量と言うのには上限が有り、トロイダル型では、その上限が引くいため、大きい電力が必要な場合は、大型になり易いという欠点があります。また、その上限(飽和磁気力)に達してしまうと、それまでの電気の流れにくさの制御が効かなくなるので、上限に達しない範囲で利用するというのが絶対的な条件になります。その設計では、テスト&トライがかなり必要になります。トロイダル型では漏れ磁束などが少なく、計算式に近い結果をいつでも得られるため、頻繁に使われています。
使いかたひとつでいろいろな名称に変化する面白い部品(材料)でもあります。
Posted at 2007/01/12 14:38:41 | |
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