前回は、前日に車庫にエキシージが入るか試す約束したところまで書きました。その続きです。
昼前には着けるということだったので、待っているとやけに喧しい車がやってきました。営業さんはデモカーのエキシージ350でやってきました。かなり喧しいので来たのがすぐに分かりました。レーシンググリーンです。
昔乗っていたロードスターに似た色ですが、イギリス車にはこの色が良く似合います。 我が家の地下車庫、道路からスロープで下がっているのですが、このスロープが結構急なため、車庫に入れるためのチェックポイントが2カ所あります。一つが、入り口のところ。道路の縁石と車庫内に雨水が入らないように少し盛り上がっています。そのため、車を入れたときに車高が低いと腹を擦ってしまいます。以前、NBを入れたときに腹を擦ってしまいました。
NCの時はこんな感じでした。この場所は車庫内に段差解消ゴムを敷いてあるので、多分大丈夫だと踏んでいました。
ゴムのお陰でここはクリア。問題はスロープを下がって行った時にフロント部分とスロープが擦ってしまうところ。エリーゼはナンバーが擦ってしまい、外して入れました。ポルシェは車高が結構高くてOK。エキシージはディフューザーが出っ張っているのでかなり厳しいと思っていました。 営業さんの運転でゆっくり下がってもらいましたが、やはり下がりきる前にディフューザーが接触してしまい。地下の平坦部分に入れることが出来ませんでした。やはり予想通りでした。残念ながら、これでは購入できません。
ここで営業さん、ロードスターはディフューザー無いので、ロードスターを持ってきましょうか?との提案をされました。往復すると2時間程かかるので、申し訳ない。それじゃ、ディフューザーを外してみましょうということで、その場でディフューザーを外してみることにしました。このディフューザー空力的にかなり効くように作ってあるためか、かなり頑丈に取り付けてあり、外すのがとても大変でした。ネジもトルクスからプラスネジ、クリップまで多種多様あり、工具が色々と必要でした。
苦労して外してみて、再度チャレンジしてみると・・、今度はナンバーを擦ってしまいました。最後にナンバープレートを外すと何とか車庫に入りました。
擦ってしまうのは、写真の手前側、グレーチングのとこらからスロープになっているのですが、ここでフロントの出っ張りが擦ってしまうのです。結構、余裕はありませんが、そこは上の写真にもある、段差解消ゴムを上手く使えば何とかなるでしょう。
これで、何とか入ることは確認できました。純正はフロントのディフューザーとリアのでかいウイングでバランスを取っているのですが、フロントだけ外した時に大丈夫なのか?と心配になりますが、実際はサーキットに行くわけでもなく、高速で走るぐらいなので大丈夫ということにしました。同じような方がもう一方いるそうです。
ロードスターはディフューザー無しでリアのウイングもダックテールになっているので、こちらにしようかとも考えました。ロードスターの中古車も在庫にあったのですが、色が黒でボクスターと被るのでパス。エリーゼで屋根を開けるのは結構面倒な上あまり開放感が無いことも学んだので、今回はクーペで良いかなと言う感じです。
とりあえず、車庫に入ることは判明したので、物理的には買えることを確認できたのですが、その前に家の周りを試乗することにしました。
第一印象はまず、エンジンを掛けたときの音がでかい。近所から文句言われそうなレベルです。うーん困った。と思ったら、レースモードにしていたみたいで、ツアーモードにしたら多少ましになりました。しかし、エリーゼに比べると格段にうるさいです。
次に乗り込んでみますが、メーターとか機器の配置はエリーゼとほぼ同じなので、見慣れた光景です。ただ、この車のシフトリンケージ、丸出しなのでこの部分だけは結構違和感がありました。
これは、掃除が大変そうです。ただ、シートについては一番前にしてもクラッチ踏むと足が伸びきる。エリーゼと比べると微妙に縦方向が長いようです。これは困った。更にミラーを合わせますが、350からリアガラスが軽量化という名目でルーバーになっているのですが、このせいで後ろの視界が極悪。目当てにしていた中古車はこの部分はガラスなので、かなりマシだそうで。ルーバーなら、ルームミラーをカメラに付け替えることを検討するレベルの視界の悪さです。
エンジンを掛け、動き出そうとするとステアリングが重い。フロントタイヤが205になっているのもありますが、同じくフロントを205にしたエリーゼより格段に重いです。車重が950kgから1180kgに230kgも増えているのでここが効いているのでしょう。エリーゼより10cm幅広になっていますが、ここはリアのフェンダーがメインなようで、さほど違和感なし。外から見るとデカイと思いましたが、乗ってみると意外や意外エリーゼとほぼ変わりません。
とりあえずツアーモードにして走り出してみます。静止状態では重いステアリングも走り出せばそんなに気になりません。それよりも気になるのは後ろから聞こえてくる音。エリーゼと違い、エンジン音も排気音も強烈に入ってきます。試乗した個体はSCが作動した時にベルトか何かの音が盛大にします。うーん、これは長時間乗っていたら疲れるな。初めは、アクセルをこわごわ開けていましたが、さすがトヨタ製のエンジン。低速でトルクがものすごくあってとても運転しやすい。踏んづけなければエリーゼよりも運転しやすいぐらいのエンジン特性です。一番感動したのがブレーキ。エリーゼよりも2レベル位良く効くし、コントロールもしやすい。ボクスターより良く感じます。普通に街中を流す分には音が喧しい以外には運転しやすい感じです。ただし、足はかなり固めで道路の凹凸をかなり拾う感じでした。
少し、開けた道路でスポーツモードにしてみるとワンランク音が大きくなります。そしてアクセルの付きが良くなってエンジンの回転が速めに上がるようになりました。ちょっと踏んでみましたが、スゴイ加速。エリーゼより一回りスゴイ加速です。回した時の音は泣きが車内でも聞き取れるぐらい大きくて、これならマフラー交換の必要性は無さそうです。更にその上にRACEモードがあるそうですが、これは公道で試すと危なそうなのでやめておきました。エリーゼよりも車重が増えた以上にトルクが上がっている(25.4kg→40kg)ので、加速感はエリーゼよりも上です。エリーゼでさえ踏んづけると背中がシートに押し付けられるのに、エキシージその更に上。公道では全開に出来ません。
試乗は自宅の周りを30分程度でしたが、これならなんとなく行けそうだなという感覚を得ることが出来ました。
1回自宅に戻ってもらい、そのままエキシージに同乗して、LOTUS東京へしっかりとあの白いエキシージを見るために行くことにしました。運転しますか?って言われましたが、後ろが見にくいのとぶつけたら大変なことになるのでお断りして、助手席に乗っていきました。横に乗って冷静になってみると、やはり脚が固い。以前、エキシージを試乗した時はここまで硬くなかったはずなのですが、確か350になった時に脚回りの見直しをしているので、それで固いのでしょうか。このレベルの硬さだとちょっと疲れそうです。エリーゼの良さはあの脚のセッティングにあるので、ここはちょっとマイナス点でしょうか。それと後は助手席に乗っていると更に感じる、室内のうるささ。SPORTモードにしているとオーディオつけていても良く聞こえないレベルです。途中、高速も乗ったのですが、加速がすごい。積んでいる2GR-FEというTOYOTA製のV6、3.5Lエンジン、アルファードやヴェルファイア、エスティマ、ハリアーなんかに積まれているエンジンで、2GR-FSEのD4Sを取っ払ってポート噴射のみにした廉価版エンジンに見られがちですが、エキシージ積まれたら訳分からんほど過激になっております。余計な直噴が無い方がSC付けて弄りやすいのでしょうね。ヴェルファイア powerd by LOTUSとかあったら面白いかもしれません。2GR-FEというエンジンは、GT300のMR-Sにも載っていたようで、弄ればかなりの性能を出せるのでしょう。直噴じゃない分、壊れるという話もあまり無いようですし、いまだ現役の中々良いエンジンのようです。そして、トレッドとホイールベースが拡大されているのが良い方向に出ていて、高速域での安定性はエリーゼよりありそうです。うらやましいのはエアコンパネル。350になってから薄暗い有機ELからLEDに変わっていました。これだけ付かないかな。
1時間ちょっとでディーラーに到着。ディーラーについてショールームに置いてある、エキシージSをよく見てみます。色はアスペンホワイト。白のメタリックです。
自分で色が選べるなら、ケロリン号と同じ色といきたいところですが、それは設定なし。それ以外だとクロームオレンジ。
もしくはイエロー。しかし、中古車は在庫車のみで色は選べません。まあ、白も落ち着いて良い色です。(オプション価格356,400円。)
ステアリング右下に、モード切替のスイッチが付いていますが、これはRACEモードが選択可能なのでレースパックが付いています。
レースパックは「ツーリング」「スポーツ」「オフ」に「レース」のモードが加わり、ローンチコントロールを追加。足回りがトロフェオ用に少し硬めにセッティングされます。とここまでは良いとして、自分的に一番大事なのは、エンジンプロテクションバルブの切り替えスイッチが付くということ。このスイッチ、押すと排気音がうるさくなります。ポルシェで言うとスポーツエグゾーストのスイッチですね。排気のバイパス部分のバルブを開いて音がより大きく聞こえる仕組みです。このスイッチ押すと、アイドリングから音が変わります。これを開けると音量も増えますが、鳴きも良く聞こえるようになるので、ぜひ欲しい逸品です。エキシージの中古車にはほぼ装着されているオプションでもあります。(オプション価格415,000円。) 内装に目を向けると、シートがカッコいいシートになっています。ドアの内張りと取っ手やセンターコンソールも革張りになっています。そのおかげでエリーゼよりも豪華に見えます。
自分で新車を買っていたら付けないと思いますが、このオプションも中古車には結構ついています。スポーツプレミアムパックというやつですね。(オプション価格334,800円。)理想を言えば、音がちとうるさいので、多少防音がされているプレミアムパックが良かったかな。更に、シートやセンターコンソール等のステッチがすべてレッドになっており、このワンポイントがかなり効いています。
これはコントラストステッチというものです。(オプション価格59,400円。)
それと、あまり見たことのない、ふんどしカップホルダーが付いています。正直、カップホルダーとしての役目はイマイチなのですが、この実物を見たのは初めてです。(オプション価格不明)
オーディオのところには、ナビが付いています。ナビはAVIC-VH0099のようです。エリーゼで付けていたのよりもひと型新しいものです。実は、唯一Pioneerで残っていた1DIN+1DINのナビ、今の型から廃止になりました。唯一付けることが出来たナビですがこれから先困りますね。ただ、エリーゼについているスカウターユニットが付いていないので、後でドライブレコーダーは必要になりそうです。ETCもPioneer純正のものが連動ケーブルで取付済。VICSユニットも装着済み。バックカメラも装着済みです。これならわざわざエリーゼのものを付け替える必要は無さそうです。(オプション価格391,100円)
外を見てみると、ホイールがちょっと違う。ダイヤモンドカットホイールです。スポークの部分が切削されている形でワンポイントになっていてカッコいいです。(オプション価格81,000円。)
フロントとリアに牽引フックが付いています。
これはLOTUS CUP指定の牽引フックだと思います。(オプション価格58,000円)
ロービームがHIDになっています。エリーゼの時は純正ハロゲンのままだったので暗かったので、いつかHIDにしようと思っているうちに乗り換えになってしまいました。これは付いていてラッキーです。(オプション価格114,480円)
更に、ミラーとリアウイングのステーが赤くペイントされています。
これはエキシージがフランクフルトショーで公開された時の車のイメージに合わせてペイントしたようです。(オプション価格不明)
走行距離は8,000kmとちょっと。登録から約2年で補償は1年残っています。下回りも含めてみてみましたが、事故やフロアに大きな傷等はありませんでした。フロントディフューザーもきれいなもの。タイヤ、バッテリーは新品に交換済み。
殆どフルオプション状態のこの車。購入時は1,000万円を大きく超えた乗り出し金額だったと思われます。(あとで計算したら、オプションだけで約180万でした。アルトワークス買っておつりが来ます。)ポルシェの中古車もそうですが、車両本体価格からそんなに値段が下がらないで売りに出されていて、初めは高いな~と思うのですが、実際はオプションがかなりの値段付いており、やっぱり結構なお値段が下がっているのです。このオプションが曲者で、売出しの価格にはその分があまり乗らない傾向にあります。だから、新車買う時はオプションは極力抑えて、中古車買う時は、オプションてんこ盛り買うのがお得なのですが、新車買うときはやっぱりオプション盛ってしまうのが人の性です。
で、購入された方はこだわって発注して大事に乗っていただろうことはなんとなくわかる車です。それだけあって、お値段も中々のもので、そうおいそれと手を出せる値段ではありません。エリーゼの買取価格大幅アップでもまだ金額的に差があったのと、問題点がいくつかあるのでその点を相談です。
①このままではフロントディフューザーを外してもナンバーが擦ってしまうのでこの点の対応。
②短足のせいでシートを一番前に出しても足が伸びきってしまう。ポジション取れないのはちょっとつらい。
③350ほどではないにせよ、斜め後ろが見にくい。
④エリーゼについているパーツの取り外し及び移植(SACLAMマフラー、SACLAMエアクリ、ウインカーレバー、ウインカーリレー、レーダー探知機、CTEK充電コード、ナビの接続ケーブル)が必要。
①についてはステーを工夫すればなんとかできるとのこと。
②については、JAEから出ているシークレットペダルカバーがあるので、これを付ければ何とかなる。
③について、ZOOMあたりのワイドミラーでかなりカバー可能。
④については、作業工賃が掛かります。
問題点を解決するのに合わせて、更にかかる追加費用は、ドラレコ、駐車場の段差解消ゴム(意外と高い)、ホコリよけカバーぐらいかな。そんなに追加は必要無さそう。問題は、自動車税が58,000円になること。本格的にスイフトの軽との入れ替えを検討する時期が来たようです。
もろもろを考慮したこちらが何とかなる価格と、向こうが提示してきた価格にはかなりの差がありました。作業で解決できる問題はサービスしてもらえることになったので、後は金額だけ。一応、限界の金額を提示してあとは待つだけにしました。正結構時間が掛かって営業さんから、何とかなりましたとのこと。かなり頑張ってもらった数字ですし、ここで断ったらさすがに鬼なので、買い替えることを決定しました。追い金はずっと忘れていたユーロの預金があったことを先日思い出したので、これでカバーというか予算はこのお金で縛られてました。
なんだかんだですごい勢いで車の購入を決めてしまいました。馬鹿ですね~。エリーゼには何の不満もありませんでしたが、体力がある今のうちに楽しめる車もあると思うので、これはこれで良かったと思います。
エリーゼの方は早速売り出したいとのことで、乗ってきたエキシージ350で自宅まで送ってもらい、帰りに純正のマフラーとエアクリを乗せて帰っていきました。本当はセレナで行く予定だったのですが、出払っていたのでエキシージ350になりました。
ちなみにケロリン号、後日素敵なお値段で売り出されました。走行5,000km、プロテクションフィルム貼ってあるので外装はほぼ新車、内装もシートはほぼ新品、大きな傷なし、更にナビとパフォーマンスダンパー付き。タイヤは1,000kmぐらいしか走行していないバリ山。バッテリーはCTEK繋ぎっぱなしなので劣化も少ないと思います。以上かなりのお買い得物件だったようで、売り出してすぐに売れてしまいました。
保管はほぼ屋根付き車庫内のうえで、ホコリ除けカバーをかぶせてあったし、雨天時は走行してない等かなり丁寧に扱っていたので、購入した人は満足してもらえると思います。大事にしてもらえるといいですね。
怒涛の一日。家に買ったらすっかり夜になっていました。こういう形で車を買い替えたのは始めてなので新鮮な気分です。新鮮なのと並行してちょっとだけ後悔しました。今年の車を買わない目標はあえなく達成されませんでした。