
クリスマスイブのせいか駅前は人でごった返している。
なんとなく、ここは居心地がよくない。
そう思い少し寂しげな所に非難することにした。
幸い人口密度の低い所にベンチを見つけ、ふと横を見るとそこには、ちょっと寂しげなクリスマスツリーが佇んでいた。
うん? ツリー?
いや、よくよく見てみるとサンタクロースがクリスマスツリーを作っているオブジェだった。
どうりで寂しげなツリーな訳だ。
でも、こんなツリーもありだろう。
しかし、寒い。
帰るかな。
「♪石焼きぃ~いも~ 焼きたてぇ~~」
何ともクリスマスに不釣り合いな音色が聞こえてきた。
まぁ、クリスマスイブに焼き芋もいいか。
焼き芋屋を一本買ってそのまま帰る事にした。
会わなくなってから4年。
別に4年の間、彼女の事を思い続けて来た訳じゃない。
そもそも付き合っていた訳でもない。
それでも、くだらない口約束を覚えているって言うことは自分自身、気にはなっているのだろう。
「お兄ちゃん、焼き芋一本お待ち!」
五百円を払い、そのまま家路に向かおうと思ったが、もう一度だけ確かめて見ることにした。
今ここで帰ったら、後悔が残る気がしたから。
今一度、寂しいクリスマスツリーの元へと駆け寄って行く。
買ったばかりの焼き芋を二つに折りながら。。。
「この駅の雰囲気すごくいいね。落ち着けてさ。」
「6年後のクリスマスイブにお互い一人だったら、ここに来ることにしよう」
「何だよそれ(笑) しかも何で6年後なんだよ。」
「う~ん、深い意味はないけど、そう思っただけ。」
「6年後お互いどうしてるかな、なんて思ってさ。。。」
Posted at 2005/12/01 01:44:56 | |
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