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調布市のKAZのブログ一覧

2005年05月24日 イイね!

警視庁・ピーポくん(SDコンテスト編)

警視庁・ピーポくん(SDコンテスト編)東京都民ならば、一度くらいは目にしたことがあると思われるキャラクターの一つに、警視庁のマスコットピーポくん (←注:クリックで音が出ます)がある。「ピーポくん」とは、前述の警視庁・公式WEBサイトのプロフィール欄によると、「人々のピープルと、警察のポリスの頭文字をとり、都民と警視庁のかけ橋になることを願って名づけられました(>読み仮名は省略、他は原文のまま)」とあり、すでに商標登録済みであるという。

警視庁のマスコットが ピーポくん (←注:クリックで音が出ます)であるのと同様、各都道府県の警察 にも独自のマスコットが設定されていることが多い。例えば、神奈川県警察のマスコットは ピーガルくん と呼ばれ、県警の公式WEBサイトによると、「POLICEのPとSEAGULL(カモメ)のGULL を組み合わせ、この愛称が生まれました。カモメの羽をつけた耳は、県民の声と明日の夢をキャッチし、未来に向け大きく飛躍するさわやかなイメージを表現(>原文のまま)」と紹介されている。また、北海道警察のマスコットは ほくとくん と呼ばれ、道警の公式WEBサイトによると、「北海道にすむ うさぎ、ふくろう、うま、きつね などの動物たちをイメージしてつくられた(>読み仮名は省略、他は原文のまま)」と紹介されている。他の都道府県も同様である。

これらはすべて、どこかしら共通点があるようにも思えるが、実はまったく 似て非なるマスコット たちだ。こうしたマスコットについて順に( ツッコミどころ を)取り上げていくと、それだけであっという間に数日分のブログが書けてしまいそうだが、今回はそれが本題ではないので割愛する(興味のある方々は、各自で各都道府県のマスコットを検索してみてください、面白い結果が得られるかもしれません)。

さて前置きが長くなってしまったが、今回の本題は「SDコンテスト」だ。SDコンテストとは、警視庁交通部が主催するセーフティドライバー・コンテストのことで、5人1組単位でグループ全体としての無事故・無違反を競う・・・というものだ。コンテストの対象期間は 半年間 に及び、その間、公私問わずにグループ全員が無事故・無違反を達成しなければ、表彰されることはない。自分一人だけが安全運転をしていれば良い、というものではない点に最大の特徴がある。口の悪い人の中には「極論すれば、半年間運転しなけりゃイイじゃん!」とお考えの方もいるかもしれないが、例えば 2003年の公表データでは 1259グループが参加して 657グループが無事故・無違反を達成したとなっているから、達成率はわずか約 52.2% に過ぎない。過信・慢心は禁物なのだ。

実は私も、このSDコンテストに参加したことがある。今では少々前になってしまったのだが、2002年度のことだ。友人・知人に声をかけ、私を含めた5人がコンテストに参加した。左上の画像は、その際に配布された簡易マグネットシートだ。参加車両に貼り付けてドライバー自身の志気を高めるとともに、他の車両へのアピールを目的としたものである(>実際に車両に貼ると、大いに気恥ずかしくなるという面もある・・・なにせ、あのレガシィ なので・・・ (^_^;) )。

コンテスト中は、自分自身に万が一の事故や違反があった場合はもちろんのこと、グループ内の他の人に事故や違反がひとつでもあった場合は、それまでに積み上げてきたグループ全体の安全運転記録が寸断されてしまうことになる。私たちは、お互いに緊張感を保ちつつ、今まで以上に安全運転に努めた結果、半年後には見事、無事故・無違反を達成することができた。世の中には、自分では不可避な 「もらい事故」 に遭う恐れもあるが、グループ全員がこうした事故に遭うこと無く半年間を過ごすことができたのは、幸いであったと言えよう。

ただし、これは実際に記録を達成した後で思ったことなのだが、自分の振る舞いや注意次第では、その「もらい事故」に遭う可能性も低下させる余地があるように感じた。つまり、「とんでもなく不可避な状況」は別にすると、「もらい事故」の中にも、自分自身が知らず知らずのうちに事故を誘発させる 「遠因」 をつくりあげてしまっていることもあると考えられる。しかしその「知らず知らず」という状況を可能な限り 排除 して、代わりに「自覚 に基づいて」行動することができるように状況を変革させることができたなら、「遠因」を減らせるぶんだけ、「もらい事故」に遭う可能性も減らせるのではないか?と思ったのだ。例え話をすると、「無意識に他車との車間距離を取る」のではなく、「意識して他車との車間距離を空ける」ことができれば、自分側にも事故の遠因が生じてしまう可能性を減らせるのではないか?という意味になる。・・・まぁ、あくまで「可能性」でしかありませんけどね。

無事故・無違反を達成したあとは、SDカードとともに、半年間 無事故・無違反であることの 運転履歴証明書 が(ドライバー各自の住所を管轄する運転免許試験センターから)交付された。もちろん、私はその公的な証明書をいただいてうれしかったのだが、実はそれよりも、上記画像の右側に示す通り、あの「ピーポくん」の スペシャルキーホルダー を副賞としていただけたことの方がうれしかったというのはナイショである。ストラップ部分には「SD '02 達成証 警視庁交通部」と誇らしげに記載されている。そしてまたピーポくんも、これ以上は無いというくらいの 満面の笑み を浮かべながら、諸手を上げて 喜んでいる。私がSDコンテストに参加したのはその一回限りであるが、このSDピーポくんが私のそばにいる限り、私は心の中で、いつでも自分だけのSDコンテストを開催し続けていきたいと思っている。
2005年05月23日 イイね!

からくりペーパークラフト(パピンとチロル編)

からくりペーパークラフト(パピンとチロル編)紙工作の話・その4。
「匠の技に込められた交通安全の願いを読み取る」・・・の巻。

(参考:その1「インプレッサ編」は → こちら 。)
(参考:その2「レガシィ編」は → こちら 。)
(参考:その3「プリウス編」は → こちら 。)

昨日(2005年5月22日付け)のブログでは プリウス編 をお伝えしたが、今回は同じトヨタの息がかかったペーパークラフトの中でも、少々毛色の変わったものを紹介する。それはズバリ、交通安全を謳った幼児向けの「からくりペーパークラフト」だ。

「こうつうあんぜんえほん・パピンとドライブ」と題された そのペーパークラフト(完成版)は、ストーリーを持った絵本仕立てになっている。各ページには簡単なショートストーリーが添えられているのだが、通常の絵本と大きく異なるのは、それが 冊子状にはなっていない という点だ。すなわち、次のページに読み進むためにはページをめくるのではなく、いま見ているページを、中央の切れ目に沿って 上下に折り曲げながら開く のだ。すると中からまったく新しいページが登場するのである。さらに次のページに進むためには、今度は中央の切れ目に沿って 左右に折り曲げながら開く。するとさらに新しいページが登場する・・・といった具合なのである。

驚くべき点はまだ他にもある。
前述のように、いま見ているページを上下方向か左右方向に折り開きながら読み進んでいくと、何と、いつの間にか いちばん最初のページに戻っている のだ!絵本を読み終えると同時に、いちばん最初のページに自動的に戻るように 仕組まれている ・・・のは、一体どう考えると良いのか? まるでメビウスの輪にもう一回、ひねりを加えたかのような錯覚を覚えるのだ。

以下、「からくり」の様子を、絵本のストーリーとともに簡単に紹介する。
左上の画像は、各ページが現れる様子を示したものである。物語のそれぞれのページが起承転結に相当している。なお「パピンとチロル」とは、トヨタの公式WEBサイトの 2003年3月27日付けニュースリリース を見ると、「動植物をイメージした架空のオリジナルキャラクター」だと説明されている。

<1ページめ:起>
物語:「さぁ、ドライブへしゅっぱ~つ!ちゃんとチャイルドシートにすわったかな?
    あれれ、トノケン(キャラクター名)はチャイルドシートにすわっていないよ。」
解説:物語の対象者(幼児~小学校低学年)に対し、チャイルドシートにすわって
    いないとどうなってしまうのか、注意を喚起している。
操作:分割線に沿ってページを上下に折り曲げて開くと、2ページめが現れる。

<2ページめ:承>
物語:「ル・ル・ルンルン・・・、ル・ル・ルンルン・・・」
解説:走行中、トノケンは相変わらずチャイルドシートにすわっていない。
    なお欄外には、保護者向けに「信号の意味をしっかり教えて下さい」
    とか「傘は前が見えるようにまっすぐさすこと」などと記載されている。
操作:分割線に沿ってページを左右に折り曲げて開くと、3ページめが現れる。

<3ページめ:転>
物語:「あ・あ・あ・あぶない! どうしてトノケンはゴチーンしたの?」
解説:サッカーボールを追って、メキャポン(キャラクター名)が飛び出した状態。
    なお欄外には、保護者向けに「トノケンとメキャポンは何がいけなかった
    のかを、お子さんと話し合って指導してください。」と記載されている。
操作:分割線に沿ってページを上下に折り曲げて開くと、4ページめが現れる。

<4ページめ:結>
物語:「パピンのこうつうあんぜんめいろ」
    「どうろをわたってよいのは どれ? あか/あお/あおの ちかちか」 など、
    交通ルールや安全意識に関する三択の設問がある。
解説:迷路をたどっていくと、「横断歩道あり」や「止まれ(一時停止)」などの
    道路標識がちりばめられており、また上記のような三択問題も載っている。
操作:分割線に沿ってページを左右に折り曲げて開くと、1ページめに戻る。
    以下、その繰り返し(無限ループ?)。

この「からくりペーパークラフト」は、「監修:内閣府政策統括官(総合企画調整担当)、発行:財団法人 全日本交通安全協会、協賛:TOYOTA、(C):木村光雄」 となっており、児童が 興味を持って 交通安全に関する正しい知識を修得し、また 保護者 ともどもその意識を高めることができるよう配慮されていることが読み取れる。事実、トヨタの 2004年3月29日付けニュースリリース をクリックすると、
  ◎トヨタの交通安全キャンペーンは1969年から毎年実施されており、
    今年(2005年)で37年目を迎えること。
  ◎「からくり絵本(トヨタが言うところのパタパタ式絵本)」 262万部を、
    全国の幼稚園・保育所の全新入園児を中心に贈呈すること。

と公表されている。これを知るに至って、私は衝撃を受けた。今でこそ、各自動車メーカーは環境安全を全面に打ち出した自動車造りを進めているが、天下のトヨタは、その遙か昔から交通安全啓蒙活動を推し進めてきたのだ。262万部もの「からくりペーパークラフト」を作製し、それを全国の入園児に配る苦労は、並大抵ではないはずだ。社会的企業としての役割をまっとうしている。「良い自動車を造る」ことだけが自動車メーカー(の役割)ではないと、改めて思い知らされた気がしたのだ。

その一方、我々はどうだろう?その期待に応えるにふさわしい大人になっているだろうか?
トヨタの交通安全キャンペーンが今年(2005年)で37年目であるなら、おそらく「みんカラ」内でサイトを開設しているほとんどのユーザーが生まれるずっと以前から、トヨタは安全に対する願いを(時代ごとに形は違っても)具現化してきたと考えられる。そしてまた、もしかすると幼児期にトヨタの交通安全キャンペーンの恩典を受けた人もいるかもしれない。

そういった人々が、成人して運転免許を取得したあと、「本日の最高速(※1)」・・・などという公道での法律違反ブログを平気で載せるような人に、なってはいないだろうか?
(※1)→ 2005年5月10日付けの私のブログ (「痛いパーツ」と「痛い行為」は違う・・・の巻) 参照。

またつい先日も、軽井沢で大規模なスバル系の全国オフが開催されたようであるが、その会場への往路や帰路で、「高速道路でバトルになった」だの「激走についていけなかった」だのと不特定多数が閲覧するブログに平気でアップロードするような人々は、本当にいなかっただろうか? もしもそういった人がいたとしたら、交通安全キャンペーンに尽力してきた人たちは、一体どう思うだろうか。

今日のブログの後半は ついつい批判的な口調になってしまったが、私自身は「正義」を偉そうに言い放つつもりは無い。ただ、「からくり」という 日本の伝統工芸的なエッセンス を取り入れながら、対象幼児だけでなくその保護者の交通安全意識まで高めようと考えた(であろう)企業姿勢を思いやるにつけ、トヨタという社会企業の 底力本気の願い が垣間見え、また現状の自動車ユーザーの 未成熟さ が悲しく思えてきたのであった。

5/24追記:左上の画像のマル1(①)~マル4(④)の
     縮尺比率は同じ(元の絵本ページは同サイズ)です。
     絵本全体が小ブロックを重ねて貼り合わせたような
     構造になっています。
2005年05月22日 イイね!

ペーパークラフト(プリウス編)

ペーパークラフト(プリウス編)紙工作(と市場リサーチ)の話・その3。

(参考:その1「インプレッサ編」は → こちら 。)
(参考:その2「レガシィ編」は → こちら 。)

NHKの人気TV番組のひとつに、「プロジェクトX~挑戦者たち~」がある。番組の中で取り上げられた題材のうち、特に反響の大きかったプロジェクトに関する展示会が、昨年開かれた。東京ドームシティ・プリズムホールで開催された「特別展・プロジェクトX21」(会期は2004年7月25日からの1ヶ月間)である。「これは良い機会だ」とばかりに私も見に行ったのだが、会場は多くの人々で埋まり、熱気にあふれていた。

この「特別展・プロジェクトX21」は「日本人の情熱と挑戦」をテーマに、当時の製品の実物や映像、技術的ハイライトを展示紹介するイベントだったのだが、実は本来の趣向とは別の次元・・・「NHKが協賛会社に対し、(本来は任意であるハズの)協賛金を、(金額が指定された)出展料として支払強要したのではないか?」という疑惑が持ち上がったこと・・・がインターネットニュースで報道され、何かと話題になったイベントでもあった(という話は、ここでは置いておいて)。

会場では、ホンダのCVCC、マン島TTレースの2RC143、東洋工業(当時)のロータリー、トヨタのクラウン、そして富士重工業(株)のスバル360など自動車メーカーのプロジェクトも多く紹介されていた。左上の画像は、そのトヨタブースで来場者に配布されていた、ハイブリッドカー・プリウスのペーパークラフトである。そのペーパークラフトには、画像から判る通り、大きな特徴が3つある。
  (1)親指を通す穴が設けられている → 組立前に「うちわ」として使用可能。
  (2)もちろん本来のペーパークラフトとして、プリウスを作製する楽しみがある。
  (3)ペーパークラフト完成後は、貯金箱になる → 組立後の「実用性も考慮」。

果たしてトヨタが、熱気あふれる会場光景を 事前予測 して、「うちわ」としても使用できるようにペーパークラフトに特徴を持たせた・・・のかどうかは不明である。ただ、実際に「うちわ」として使用できることから、この手のイベント会場ではありがちな「配布後にそのままゴミ箱に捨てられる」という光景をほとんど 見なかった のは事実である。また肝心のペーパークラフトのデザインについては、ひたすら写実主義を追求したかのような画調になっている。特にヘッドライトやテールライト、ホイールの質感などは秀逸である。2005年5月20日~21日のブログで紹介した、スバルのペーパークラフト (インプレッサレガシィ) とは、対極を成している かのようである。

あくまで私見だが、それぞれの ペーパークラフトの特徴 は、そのまま ユーザーの姿を反映 しているようにも思える。つまり、
 ◎スバルのペーパークラフトの特徴:
    「デフォルメが強く、オプションパーツを選択して飾ることを楽しむようにデザイン」
   されているのは、そのまま現実のスバル車のユーザー像:
    「いわゆる市販のドレスアップパーツやチューニングパーツをポン付けして楽しむ」
   のと重なっているのではないか。
 ◎そしてまた、トヨタのペーパークラフトの特徴:
    「実車同様のボディ比率を紙上で再現させつつ、作成前にも後にも実用性が付加」
   されているのは、そのまま現実のトヨタ車のユーザー像:
    「クルマを実用車としてとらえ、派手な冒険はしないで日常生活の中で堅実に使う」
   のと重なっているのではないか。

もしもトヨタのペーパークラフトが、堅実さを好むリアルなトヨタユーザーの傾向を リサーチ した上で企画されていたならば、恐ろしいリサーチ力であると言えるだろう(同様なことは、スバルのペーパークラフトにも当てはまるのかもしれないが)。そういった意図があったにせよ無かったにせよ、奇しくも「スバルとトヨタのペーパークラフトの違い」は、そのまま「両者のユーザー像の違い」を映し出しす のように私には感じられ、興味深いものがあった。

明日のブログは、「からくりペーパークラフト(交通安全編)」となる見込みです。
2005年05月17日 イイね!

「酸っぱいブドウ」と「甘いレモン」の論理

「酸っぱいブドウ」と「甘いレモン」の論理人の心の中に潜む弱さを認めつつ、
前向きに真実を捉えたい、という話。

高校生のころ、社会科の授業で「酸っぱいブドウの論理」・「甘いレモンの論理」という話を習ったことがある。心理学上の「防衛機制(合理化など)」という心の働きに関連する内容で、それらの意味は次のような寓話を通じて説明されることが多いようだ。

■「酸っぱいブドウ」の論理
昔々、あるところにキツネがおった。頭上においしそうなブドウを見つけて手を伸ばしたが、どうしても届かない。何度試しても結果は同じ。結局ブドウを取ることができなかったキツネは、最後に「ケッ!どうせあのブドウは、酸っぱいに決まっている!食べられないブドウさ!」と履き捨てるように言い残して去っていったという。・・・このことから、自分の欲することが実現しなかったときに、その不満足な精神状態を解消するため、無意識のうちに相手側へ何らかの理由付けを行い、それと引き替えに自己の心の安定を得ようとする心理作用のことをいう。

■「甘いレモン」の論理
苦労してようやく手に入れることができたレモンについて、「こいつは甘くておいしいに違いない。」などと現状以上の評価や理由付けをすることによって、無意識のうちに自己の心の安定を得ようとする心理作用のことをいう。交際相手の優柔不断さを「のんびりしていて良い性格だ」などと評する場合もこれに該当する。

このような考えに立つと、私たちの日常生活は実に多くの「酸っぱいブドウの論理」や「甘いレモンの論理」にあふれていることが分かる。

例えば新車を購入する際、契約直前で予算が足りずに当初予定していたグレードから別のグレードにスペックダウンしたとする。その場合、「もしも最初のグレードを買っていたら、どうせ燃費が悪くて困ったに決まっているサ」などと理由付けて自分を納得させる働きは、「酸っぱいブドウの論理」。一方、例えばYahoo!オークションで程度があまり良くない中古パーツを落札してしまったとき、「安く買えたからこれでいいのサ」などと自分を納得させて心の安定を得ようとする働きは、「甘いレモンの論理」であると言える。これは私見だが、実社会においては、相手側に文句を付けることで自己の心の安定を得ようとする「酸っぱいブドウの論理」型の対応よりも、現状を善意に解釈して方向転換を図る「甘いレモンの論理」型の対応の方が、よりトラブルフリーな気がする。

ところがネットの世界では、そういった「甘いレモンの論理」については、なかなかうまくサイクルが回らないようである。例えばアフターマーケットにおいて、非常に高価ではあるが理論的に本当に効果があるのかどうか不明な商品を買った者が、「こんなに高価なものを買ったのだから、何か変化があるはずだよね」と期待し、その期待が「アクセルレスポンスが良くなったような気がする」というプラシーボ効果を生み、それが「低速トルクアップが体感できたんだってさ」と他人に誤って伝わり、最終的に特定のネット仲間で「○○を付けると低速トルクがアップする!」と断言口調の都市伝説と化してしまうこともあるように思う。そういった例を目の当たりにすると、やはり人間は(心理的に)弱さを持った動物なんだな、と感じる。大勢の人間が「効果がある」とする中で、ひとりだけ「効果は分からない」と言える者が、果たしてどれだけいるだろうか。

人間である以上、こうした心の動き(弱さ)は誰にでもあるだろうから、「酸っぱいブドウの論理」や「甘いレモンの論理」を否定することはできない。むしろそういった防衛作用が無いほうが、適切な生命活動維持の観点からは危険であると思われる。だが私たちは、自分たちの心の奥にはそうした心の働き(防衛機制)があることをよく認識・理解した上で、何事も先入観や偏見無く、なるべく適切に判断する力を持ちたいものである。たとえその対象が、いわゆる「チューニングパーツ」であるとか「ドレスアップパーツ」であったとしても。
2005年05月16日 イイね!

自動車雑誌やTV番組に取材された際の雑感(その4)

自動車雑誌やTV番組に取材された際の雑感(その4)メディアの取材雰囲気についての雑感。
(その4・「TV新潟」 編=最終話)

(参考 : その1・「Car&Driver誌」 編は → こちら
(参考 : その2・「aVプレイヤー誌」 編は → こちら
(参考 : その3・「Option Wagon誌」 編は → こちら

TV新潟の取材を受けたのは、偶然だったと言うより他は無い。その日、所用のためレガシィで東京から新潟に来ていた時のことだ。駐車場にクルマを停めていると、数名の人に声をかけられた。「スミマセン地元の局なんですが、ちょっとよろしいですか?」

最初は何のことだか分からなかったが、ディレクターとおぼしき人の話を聞いてみると、「番組の中で ”街で見かけた自動車フリーク”・・・という小特集を企画している。ついては、あなたのおクルマを今ここで取材させてもらっても良いか?」という内容であった。確かにその人の後方では、カメラマン、照明係、音声係、アシスタント(と思われる人々)がワンボックスカーの周りに立ち、こちらのやりとりの様子をじっと伺っているようだった。う~ん、自動車フリークか。聞こえは良いが、要するに「街で見かけた クルマバカ ってことか?」と思い、どんな番組を意図しているのか再度尋ねてみた。するとこんな答えが返ってきた。「個性的なクルマには、オーナーの何らかの主張や人生観が隠れているはず。我々は、そういった個性的なドレスアップを施したクルマのオーナーから、その 価値観や人生観を探りたい。」

なるほど、そういうことか。確かに私のクルマは、(当時から)ちょっと変わった身なりをしている(シルバーとスモークを異形状に重ね貼りした ウィンドウフィルム や、レガシィに インプレッサのフロントグリル を装着するなど)。確かに「個性的・・・というよりも、他人がやらない(いや、思いつかない)ような改造」を施していることには違いない。これも何かの縁だと思い、取材を引き受けることにした。そこで改めて「クルマの撮影場所はどちらになるでしょうか?」と尋ねると「それじゃ、そのへんで。」と、空いた駐車スペースが示された。うむむ。低予算番組(>失礼!)の成せる技か? クルマを微妙に移動すると、スタッフによりレフ板が当てられてモニター画面への映り具合がチェックされ、私はというと、首のあたりにピンマイクが、腰のベルトのあたりにトランスミッターが装着された。

「それでは、オーナーさん、こちらへ。」ワゴンなのでリヤゲートをオープンして、荷室のフロアに腰掛けながら、クルマの特徴などについて語れば良いらしい。「準備OK?ハイ、それでは30秒間でクルマへの想いを語って下さいね~。3、2、・・・、キュー(←指が振り下ろされる)。」 おいおい、いきなりかよ・・・と思う間もなく、とにかくカメラ目線でしゃべってみる。が、音声がうまく入らなかったようで、撮り直し をすることに・・・。_| ̄|○

ピンマイクの位置を調整し、音声レベルがOKになったところで、2テイクめがスタート。「3、2、・・・、キュー(←指が振り下ろされる)。」 30秒間は短いようで長い。今度は私が話の途中でちょっと噛んでしまったところがあり、再度撮り直し をすることに・・・。_| ̄|○

まぁプロの司会者でもセリフを噛むことはあるサ・・・と気を取り直し、3テイクめがスタート。「3、2、・・・、キュー(←指が振り下ろされる)。」 するとどうだ、今度は音声もしゃべりもバッチリだ。スタッフから撮影OKをもらった。ただ残念なことに、私はまったくの素人ゆえ、先ほどの失敗テイク2回と今回採用となった3テイクとでは、話している内容がそれぞれでことごとく違ってしまい、当初伝えたかったことの半分も話せた気がしない・・・。_| ̄|○

まぁ放送を見る者にとっては、最後の3テイクめの話しか聞かないワケだし、もしかすると番組構成の都合上、当初伝えられた 30秒間 という時間も編集で一部 カット される可能性もあるかもしれない。それよりも、このような貴重な(?)体験ができたことを素直に喜ばなくては。・・・帰り際、スタッフに番組の放送予定日を一応聞いてみたのだが、TV新潟のローカル番組(?)なので 東京で受信することはまず不可能 だそうだ。そこで念のため、その番組が放送される 系列ネット局 の有無について尋ねたところ、「関東では埼玉TVで放送されているが、実際の放送日までは分からない」・・・とのことであった。

実は埼玉TVも私の部屋からは受信圏外だった(当時)のだが、埼玉に住んでいる知人にお願いすれば、ビデオに録画してもらうことはできる。後日、埼玉在住の会社の同僚に 毎週お願い して、結局、私が出演したそのTV番組を無事に録画してもらうことに 成功 した。成功した翌日、私のPCに「昨日のTV放送」などと題したメールが届いた。てっきり録画依頼した知人からの報告メールだと思い、お礼の返信をしなきゃ・・・と思って早速開封してみると、「○○君、昨日TVに出ていましたね?偶然見ましたよ~!」などと驚きの内容を伝える埼玉在住の私の上司からのメールであった。驚いたのは私の方である。まさか、クルマについて熱く(?)語ったあの姿を、会社の上司に見られていた とは・・・ローカル番組のハズなのに・・・。_| ̄|○

TV番組はどこで誰が見ているか分からない。同様に、いやそれ以上に、ネットの世界ではどこの誰が自分のサイトを見ているか分からない。このブログをご覧の皆さんも、ネットの匿名性はもちろん、「不特定多数に見られている」という認識を持つことだけでなく、さらにそこから一歩進み、「ネットの公共性や公益性(※)」についても考えてみて欲しい、と私は思っている。

(※)については、下記関連情報URLを参考にされたし。

プロフィール

「[整備] #CBR250FOURフォア [CBR250Four] 水ホースの引き回し変更(点火プラグ周りの作業性改善狙い) https://minkara.carview.co.jp/userid/132018/car/28623/8432691/note.aspx
何シテル?   11/14 00:00
調布市のKAZ [読み:ちょうふし_の_かず] と申します。 スバル・レヴォーグ(VNHC型)、スバル・エクシーガ(YA5E型)、ホンダ・CBR250Four...

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