車の話ではありません。 長いです。
「富士山噴火ハザードマップ改訂」でちょっと調べたこと。
初めに
2019年富士山噴火ハザードマップが改訂された。2020年2月現在その改訂作業が行われているとのことだ。
改訂の理由は、富士山の噴火の歴史において、現在の富士山が最終的に形成された新富士火山(約1万年前まで)の噴火活動を取り入れたためである。大きくは山梨県側の雁ノ穴火口、そして静岡県の富士宮側の二子山火口(海抜806m)が新たに加わったことによる。というか、当局により加えられたからだ。
それにより、富士宮側は二子山から市街地(海抜126m)まで直線距離で10kmと極めて近い距離となってしまった。過去の二子山の噴火様式を詳細に調査する必要はあると思うが、主に玄武岩で構成される溶岩流であると、その性状は粘性に乏しく、流れるように山腹を下って行き、市街地まで、約2~3時間で溶岩流は街中に流れ込むことになる。(二子山から市街地までの実際の傾斜角は4度であり、溶岩流の速度は時速4~5kmと想定)
想定される溶岩流の流れは、報道発表(静岡新聞2020年1月)によると、二子山の南側に流れ、一部は風祭川を、一部は弓沢川を下り、両河川とも潤井川で合流する。この2河川に挟まれる地域はまさに、富士宮市の中心街である。更に北側の沢を下ると外神方面から大きく富士宮市街を覆うことになる。
以上のことから、富士山噴火ハザードマップは改訂されるのだが、このインパクトはかなり市民に衝撃を与えたと思うのは私だけでは無いだろう。
二子山の噴火は今から約5000年前(富士宮期)とされているが、その溶岩流は万野溶岩流の上で止まっている。その後、西暦1000年頃、海抜1950m~1800m付近からの噴火にともなう溶岩流が山宮浅間神社まで流れ着いている。(青沢溶岩流)
さて、
富士山噴火の歴史を語るには、その時代の噴火で噴出された溶岩の性質を知ることが重要である。つまり、SiO2(二酸化ケイ素)の含量により、「玄武岩か安山岩なのか?」を知ることによりその時代のどのプレートの影響かを知る手掛かりとなる。(基本的に海洋プレートは玄武岩とされている。)
つまり、南海トラフ地震にはフィリピン海プレートよって引き起こされた可能性があるが、続いて起こるであろうと言われている富士山噴火は果たしてその影響により噴火するのか?
富士山の噴火の歴史を辿ることにより、解明できるかもしれない。
火山岩は、SiO2の量により分類される。玄武岩はその量が52%以下、安山岩は約66%、それを超えるとデイサイトや流紋岩となり、粘度が増す。
富士山は4つの層より出来ている。最下部は先小御岳火山(数十万年前)、その上に小御岳火山(10万年前)、その上に古富士火山(10万年前~)、そして約1万年前から形成されている新富士火山とで現在に至っている。最近の噴火は1707年に噴火した宝永火山であるが、その噴火の約前7週間に南海トラフが震源と思われる大地震(東海地震)が起きている。宝永山噴火の際にはデイサイト質の軽石が噴出されたとのことだ。
玄武岩は、SiO2を50%含む。海洋のプレートはこの玄武岩が主である。太平洋プレート、フィリピン海プレートがそれである。
SiO2(二酸化ケイ素)の量約50%を超えると粘性が強くなると言われる。(安山岩、デーサイト、流紋岩、花崗岩等)
日本列島は大陸のプレート上に位置するが、その下に海洋プレートが沈み込んでいる。海洋プレートが沈み込むその理由としては、玄武岩は大陸のプレートを構成する安山岩より重く、プレートがぶつかり合う地点より海洋プレートは大陸プレートの下に潜り込む。更に、太平洋プレートは長い時間太平洋により冷やされ(東太平洋海嶺より日本に到達する期間は1億年)、短いフィリピン海プレートよりも重くなり、フィリピン海プレートの下に潜り込む。従って、相模トラフ伊豆列島辺りから関東では大陸プレート、太平洋プレートの二層となっていることが考えられるが、フィリピン海プレートも潜っている可能性もある。複雑である。
何れも地震や火山活動が活発なエリアではある。
諸家の報告によると、富士山の溶岩を分析したところ、新富士火山、古富士火山から噴出された岩石は玄武岩であり、小御岳火山と先小御岳火山からは安山岩が多く噴出されたとされている。とすると、古くは安山岩が存在する地殻からの噴火と思われ、新しくは海洋プレートを中心とする噴火が考えられるのではないか?
一方、そのことから、先小御岳噴火、小御岳噴火はホッサマグナから?と考えてもいいかもしれない。
諸家の報告によると、ホッサマグナ上の火山噴火はホッサマグナの左右からの圧迫により断層が出来、そこからマグマが放出されたと報告されている。
ホッサマグナは深さは6000mとされている。大陸のプレートを構成する地殻は40kmほどの厚さがあり、その下に100km~200kmほどのプレートが存在し、地殻とともに大陸のプレートを構成する。大陸のプレートの下には海洋プレートの地殻(マグマが冷え固まった層)が5~10km存在し、その下30~40kmにマントルからマグマが分離した層があり、最下部にマントルと同じ物質の層が30~100km存在する。この3層で海洋プレートを構成する。
ホッサマグナは大陸のプレート上にU字型に窪んでいる。しかしながら、ホッサマグナの南地域、つまり、藤野木―愛川―構造線より南側は、フィリピン海プレートにより押し上げられたとの考えがある(伊豆半島、丹沢山地)。とすると、その下にフィリピン海プレートが潜り込んでいる。場所によっては、その下に太平洋プレートが沈み込んでいることも考えられる。
・・・・
一方、フィリピン海プレートが富士山直下で裂けているのではないかとの説もある。富士山付近から、北西に向かって東北―南西方面に裂けているため(高橋2000.Aizawa.et.al)、富士山から北西側ではフィリピン海プレートに対応した地震活動は少ないというものだ。
また、富士山から北西側にフィリピン海プレートはあるものの地震を起こすほどのパワーを失っている。という考えもあるようだ。
フォッサマグナの富士山における存在。
フォッサマグナは西は糸魚川―富士川構造線、東は柏崎―千葉構造線に挟まれた地域である。大陸から日本列島が離れる際、二つに折れた大きな隙間である。その隙間に両方から山々が崩れ、また火山ができ、その堆積物や溶岩等により東側と西側がつながり、結果として、日本海と太平洋が繋がっていたところが埋まり、日本列島が出来ている。長野などで貝の化石が発掘されるのはその名残とのことだ。
富士山はその南側のフォッサマグナの上に存在する。フォッサマグナの深さはおおよそ6000mと言われている。富士山、愛鷹山はホッサマグナのほぼ中心に位置する。伊豆半島はフィリピン海プレートの乗って、ホッサマグナとぶつかって出来ているといわれている。
数10万年以上前に噴火した先小御岳噴火、10万年以上前に噴火した小御岳噴火の溶岩は安山岩を主体とすることを考えると、どこの層からの噴火か、悩ましい・・・
また、2000万年前にできたホッサマグナ南側では、その後、フィリピン海プレートがぶつかり、圧縮されているという考えもある。
地震と噴火
プレートの摩擦により生じたマグマは、浮力により上昇し、一旦マグマ溜まりに蓄えられる。そして、何らかの事象により地上に噴出することだが、噴出前にマグマの動きが活発になるとされ、マグマ溜まりの上で低周波地震が起きるとされている。
噴火に関係する富士山の低周波地震は、地下約15、000mで発生している。マグマ溜まりは地下約20、000mであることを考えると、富士山噴火の溶岩は太平洋プレートから、若しくはフィリピン海プレート、更にフォッサマグナを通過して流れ出ていることになるのかもしれない。
マグマ溜まりの大きさと場所が分かれば次の噴火が予想できるのかもしれないが、残念ながら現在はまだその辺りの研究は進んでいないらしい。
富士山の地下のマグマによる低周波地震観測データがあり(防災科学研究所 鵜川他)、おおよその地点が推測されている。1995年4月から2000年7月分布と2000年8月~2001年7月の富士山周辺の震源分布をみると、低周波地震は富士山の山頂から2~4km北東よりを中心にして深さ15km付近を中心にほぼ10kmから20kmの範囲で発生している。
深部低周波地震は一般に火山の深部で発生し、そのうち少数ではあるがマグマの浅部と関連して発生する場合があることが分かっている。深部低周波地震の発生機構は解明されていないらしいが、地下マグマの移動が低周波地震発生の原因となっているようだ。
防災科学技術研究所の報告によると、2008年8月~2009年1月の低周波地震は富士山観測定点のFJ5~FJ6のラインより山頂北東方向に頻発している。その深さは10km~15kmとなっている。これは2000年~2001年の報告とほぼ一致している。(FJ5、FJ6=観測地点)
その後の報告でも低周波地震の発生地点はほぼ同じ地域で発生している。
なお、2011年の3月15日M6.4の地震が富士宮市で発生したが、大方の見解は東日本大震災の余震(断層地震)と考えられている。
既に述べた富士山の地下の構造から、海洋プレート(フィリピン海プレート)と大陸のプレート(ユーラシア大陸プレート)がぶつかり合い摩擦を起こし、マグマを作り、比重の軽さからプレートを突き破り、わずか地下20000メートルにマグマ溜まりを形成していることを考えると、何らかの事象により直ちに噴火してもおかしくないことが考えられる。なんらかの事象、つまり地震による地殻変動、地殻の亀裂が現実的だろう。
噴火予知は大変困難を極めているとのことだ、記憶に新しい御岳山の噴火では噴火を予想させる低周波地震は噴火前15分とのことだった。全く予想外のことだ。また、噴火の研究者は日本に存在する110個所の火山の数よりも遥かに少ないと言うことも大きな問題と思う。その問題は、島村英紀が指摘している通り(富士山大噴火)、「地学」の授業が中学1年で終了していることから、その後に噴火に興味を示さないことにもつながるのではないか?
富士山噴火ハザードマップが改訂されることにより、今までは噴火に伴う、溶岩、噴石、火山灰、泥流等に対する非難に時間的余裕を設けていたが、今回の改定で、直ちに避難しなくてはならなくなり、市や自治体及び各家庭での準備が重要視されてくる。避難の基本は、住民自らが自身の車で逃げることになっている(避難マニュアル)。その事を考えると、予め避難経路を想定しておく必要がある。
更に、噴火年代を1万年前に設定した結果、「約5000年前に噴火した二子山が該当した。」ということであり、二子山が再び噴火するとは限らず、どこから噴火してもおかしくないと言うことも忘れてはならない。
以上 ちょっと考えてみた。
2020年2月16日
遅れましたが、新年明けましておめでとうございます。
で、防災シリーズの復活です((笑))
昨年末に富士山噴火のハザードマップが改訂されました。
その理由は、富士宮市側の二子山という火口が新たに噴火の可能性が示されたためです。
仮にその山が噴火すると、溶岩は2~3時間で市内に達します。
噴石は半径4~5キロで落下します。(御嶽山は悲惨でした。)大きいもので軽自動車並みの噴石です。
二子山から市街地までは約15kmです。小さな噴石は市街に落下します。
富士山は、南海トラフ地震に続いて噴火する可能性が有ります。
1707年噴火の宝永山がそうでした。
さて、避難はどうしたらいいのでしょうか?
市の避難マニュアルによると。
基本は、自身で車で逃げる事になっています。
富士宮市民の避難場所は、静岡県の西部地区となっています。
東名高速、新東名高速を利用するのが基本です。
先ほども書きましたが、富士山噴火は南海トラフ地震に連動して起こる可能性が大です。
その場合、普通タイヤではリスクを伴います。
私は、今回のタイヤ交換は、今も履いているランフラットタイヤにしました。
ただ、高価ですので、これにしました(笑)
タイヤインプレッションについてはまた後日。
bさん主催の『オフ会』に参加しました。 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2016/03/20 18:01:01 |
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