皆さま、こんばんわ。
こおらです。最近は暇していて、ハイパワーLEDドライバ回路の検討などをして楽しんでいます。
(本当は冷却に悩んでいます。悩みと楽しみは紙一重???)
実は、先日から実験中だった、データ自己記録式地震計はうまく行かなくて、中断してしまっています。
さて、今日のテーマは、「車は灯油では走らないのかなあ?」で始まります。
そこで出てくるのがインタークーラーならぬ「インターヒーター?」です。
その昔、三菱ギャランΣのセダンに乗っていた時代、こおらは空港で仕事をしておりました。
空港の旅客機の駐機場の下には、燃料補給のための地下タンクがあります。
ところで、普通の旅客機のジェットエンジンの燃料ですが、何だと思いますか?
ガソリンでも軽油でも重油でもありません。
はい、正解は、灯油です。
エェー、嘘ーって声が、悲鳴のように聞こえてきますね。そうなんです。
航空機のジェット燃料は、実はハイオクタンの灯油です。業界では、ケロシンと
呼んでおります。
空港ビルの屋上などの見学エリアに入ると燃料が燃える独特のにおいが流れて
きますよね。
あれがケロシンの香り? なんです。
さて、空港の地下に何万リッターのケロシンが保管されているのか存じませんが、一定の時期になると残っているケロシンは全て廃棄物として取り出されて、新しい
燃料が注入されます。これは、 実に無条件で定期的に全ての空港で行われてい
ます。恐らく古くなった水分を吸った燃料で航空機がその燃料系やエンジンで故障が発生することを未然に防ぐためだと思います。自動車と違って、航空 宇宙業界
は実に厳格な管理がされているものですね。
さて、廃棄物として取り出された古いケロシンは何処へ???
本来ならば、燃料の供給元へ逆販売されて、回収され再生産に回されます。
ところがこの価格が異常に安いので、お近づき?になっておれば、200リッターの
ドラム缶単位なら手に入ってしまうん です。しかも運んでくれて、ここに置いてって
言えば、配置までしてくれます。
実は法律違反でしたよね。
「法に定める一定以上の揮発油類を保管するための耐火構造物」を何にも持たずに、いきなり 「家の裏の軒先に置いて下さい」は、不味かったですね。 ま、当時
は皆様とも人間が大らかだったという ことにしておきましょう。
もう一つ、とっくに時効ですから言いますが、車のガソリンと違って揮発油税を払
っていないのです。 これもあとで、税法違反であるということを知りました。
(税の時効は5年です)
さて、このケロシンをおそるおそる、車の燃料に混ぜ合わせます。最初は5%程度、次に8%程度 と試すと、10%を越える濃度に近づくと加速や燃焼がおかしく
なるようで、急加速をするときや坂道になると調子が外れ ます。
色々試すと、ガソリンと違って常温だと揮発率が悪い奴の割合が増加したため、
エンジンが消化不良を起こしている事が解かりました。
そこで仲間と色々話をしているときに出てきたのが、インターヒーターです。 その昔、オートバックス でも扱っていたようですが、寒冷地において、ガソリンがキャブ
レターで気化しにくいので、常温より少し上の温度まで高めてから供給しようとするヒーターでした。(燃料噴射になった現在では、寒冷地でもこのような心配はあり
ません。です。)
このヒーターを使ってみたらと言う仲間の意見に乗って早速購入。 説明書によると、キャブレターとインテークマニホールドの間に挟んで使用する28mm程の厚
みのヒーターでした。ヒーターは太いバネ状の物が8本x2段で構成されており、
エボナイトの絶縁体の間にはさまれたもので、キャブレターで混合気にされた燃料は、このヒータ表面にぶつかって蒸発し軽く動きの良いガスに変わるとの事でした。
気が付かないで、ここをばらしてキャブを外したのが大間違い。 おおおっ。
このキャブとインテークマニホールドの間に薄いガスケット(当時は石綿系か)が挟まれており、しかもギャランΣでは、なぜかエンジン水冷の冷却水のインとアウトの
穴があって水が貯まっていました。
元のガスケットは、一部破れてしまっているし、ここに冷却水が来ているとは思わ
なかったし、しかもヒーターには、この冷却水を通過させている部分までサポート
されておらず、ヒーターを挟んだ後、水冷の穴を接続する手段すらありません。
しかもヒーターの上と下でガスケットは2枚必要になリますので、慌てて10枚ほど購入して、とりあえず、元通りに組み立て、走れるようにしたのが、やっと1日目です。
あーあ、疲れちゃったね。
沢山購入したガスケットを使って図面化し、ヒーター以外の部分(水冷水が通る)
をアルミブロックから削りだして、ヒーターと同一厚みの冷却水通路をなんとか
製作しました。
次の休みに、このアルミ製のものがぴったり合うことを確認して、ヒーターも鋏み
組み付けしました。
ガスケットは、どんなに丁寧に外そうとしてもどこかに亀裂が入ったり、破れてしま
うもののようです。分解の都度、毎回交換が必要です。
<この写真がギャランΣ用ヒーターと切削で製作したアルミの補助材>
ああしんど。 とりあえず、冷却水を通すアルミブロックがぴったり合ったことで
満足するか。
聞くところによると、他車では、このような冷却水が通る部分など無いので、
ガスケットを新品にして組み付けたらお仕舞いだったようです。
こうして組み付けたヒーターとACCとの配線を接続して、何とか完成。
この「ご苦労」の結果を書きますね。
はい、25%ぐらいまでケロシンの割合を増やしても、何ら問題なく快調にギャラン
Σは走るようになりました。 です。 はい。
わざと坂道での運転を試みたり、急加速してみたりしても特別ガソリンだけの時と
異なる動きはしません。ただ、特に走りが良くなるわけでは有りません。
この当時は丁度石油ショックがあって、ガソリン価格も高騰していたときの話です
から、そのため、燃料価格平均をちょっと下げようと試みた実験でした。
喜んで走り回っていたら、200リッターのドラム缶などあっという間になくなるし、
検問で止められた時、「排気ガスのにおいがおかしいですが大丈夫ですか?」と
聞かれ、「ああ、エンジンに入れている 添加剤のにおいでしょうね」何て答えて
いたことを思い出します。
確かに20%も越えると、車から空港のにおいがしましたね。 考えたら変な車。
ジェット燃料で飛んでいるのですから。
とにもかくにも、灯油もハイオクタンなら、車が走る事がわかりました。
量が無くて、残念ながら30%越えは実行できなかったのですが。
このような経験がありますので、今でもいざとなれば、5%までぐらいなら普通の灯油を足して走る事は絶対可能だと確信しています。 ガソリンが高くなったらやる
かもね。(燃料ポンプのノズルは大丈夫かねえ????)
ただ、税法違反まではね。しーらない。
しかし、ちょっと真面目に考えると嫌になりますよね。
ガソリンには何十%という揮発油税が掛かった上で、さらにその税金も含めた
総額全体に消費税が掛かる仕組みには、なんとも納得できません。
揮発油税にも消費税が掛かるなんて。憲法違反にならないのかね。
完全に2重課税ですがな、こりゃ。
自民党の阿部さん、消費税上げるつもりなら、2重課税を何とかしてよ。
皆さんでもっと騒いでくださいね。
本日は、これまでにしましょう。 別に勇気を出さなくても5%までなら石油ストーブ
から取り出した普通の灯油を混ぜても車は走る事を納得していただけましたで
しょうか?
試して、「ガッテン、ガッテン、ガッテン」。 有難うございました。