ある晴れた日曜日。
ボクは、1号機・・・もとい、くるま好きらしくカッコよく型式で言えばkiririn-01の、さらなる妹化を果たすべく、とある場所に存在する魔法紳士専用車指定工場を訪れていました。
ボクのくるまは上級魔法紳士専用車のため、進化にかかる費用も並大抵の物ではありません。
何故なら、
『このパーツいいな!』、『あ、こっちのパーツもいいな!』と雑誌を眺めているうちに、いつの間にか買ってしまうからです。
最近では、1桁万円で買えるものは全て買い尽くしてしまったため、すぐに2桁万円に突入するようになってしまいました。
3桁万円に突入した事も1度だけありましたが、あの時は流石のボクも虫の息になりました。
初級魔法紳士レベルでは消し炭と化していたと思います。
この日は、当初の予定では比較的リーズナブルに10万円前後の買い物を満喫するはずでした。
・・・でしたが、気が付くとボクが支払うお金は23万円に膨れ上がっていました。
全然リーズナブルじゃありません。
おまけに、欲望に身を任せて俺妹ポータブル限定版やPSP、その他諸々の余計な物を見境なく買い漁りすぎたせいで、来月のカード引き落としの額が30万円を突破している事に今更ながら気が付いたボクは途方に暮れました。
『どうしてこうなってしまったのだろう・・・』
これから一体どうすればいいのか頭を悩ませ、自分を見失いそうになりました。
『ご利用は計画的に。』
そんなフレーズが頭の中を駆け巡っています。
ボクは天を仰ぎました。
深刻な悩みを抱えたボクを他所に、空には大勢の鳥達が飛び交っています。
大空を自由に飛び回る鳥を見つめていたら、こんな考えが浮かんできました。
『おなかすいた・・・』
とゆーわけで、とりあえず昼食を食べに行く事にしました。
でも、ファミレスにはボクの好きな皮内地鶏のメニューが無かったので、鳥はやめてドリアにしておきました。
あ、書くの忘れてましたが、1日中1人で居るのも暇なので、この日はお供として
『初級魔法紳士ゲイズ』(以下ゲイズ)と、
『魔法紳士候補生魔堕男』(以下マダオ)を召喚しました。
当然、マッパ先輩も召喚したのですが、ファッションにこだわりを持つ彼は、紳士スタイルのラインナップ拡充のために、紳士服の青○とコナ○でオーダーメイドのネクタイとシルクハットを製作しているために遅れると頭の中に語りかけてきました。
さて、新たな人物が登場したことですし、ここで軽くゲイズとマダオの紹介をしたいと思います。
まずゲイズです。
彼は血の滲むような努力と鍛錬の末、ようやくジャイさまに認められ、とうとう見習い魔法紳士を卒業。
初級魔法紳士に昇格する事が出来ました。
獲得した紳士称号は『ガチ○モ魔法紳士』です。
常々
『ボクは男の娘が大好きだぜッ!』とシャウトしています。
正直ボクには全く理解出来ない世界です。
特殊能力は操り人形(マリオネット)です。
何を操っているかはボクの口からはとてもじゃないけど言えません。
ちなみに複数体所有しているらしいです。
そんな紳士です。
続いてマダオです。
彼は、カウンタックという漫画を読んでいるうちに、主人公が
『さらば、ショボイ人生!』という台詞と共に、ランボルギーニカウンタックに火を入れるシーンに憧れるようになりました。
そして、
『ボクも夢を実現してやるんだ!』と、全財産をはたいてロト6に挑んだ結果、当然の如く玉砕し破産。
職まで失ってしまい、ショボイ人生を手に入れてしまいました。
今は河川敷にダンボールで作った、ダンボルギーニという家に住んでいるそうです。
彼は、まるで浦島太郎に登場する亀の如く、毎日のように幼稚園児や小学生に
『やーいやーいっ!ごじまんのダンボルギーニにくるまってないではたらけよっ!www』等と罵声を浴びせられながらフルボッコにされる日々を送っていたのですが、ある日マッパ先輩に助けられ魔法紳士候補生として修行する事になりました。
そんな紳士です。
そんな2人の紳士を加えた懇談会でしたが、途中ゲイズが暴走を始めました。
なんと、公衆の面前にも関わらず、大声で
『オ○エント!オ○エント!』、『やっぱ男の娘いいわー、あーっ、マジでいいわーッ!』等と騒ぎ出したのです!
しかも、どういう訳かグラスにストローを3本差してジュースを飲んでます。
もはや全く意味が分かりません。
このまま放っておいて通報されてしまうと困るので、ボクは彼を止める事にしました。
しかし、そこは上級魔法紳士。
この程度の事で取り乱してはいけません。
ボクは、あくまで優しい言葉と表情で彼を窘めました。
彼は冷静さを取り戻し席に着きました。
これで一安心・・・そう思いながらボクはオレンジジュースを飲み干しました。
その時でした。
『ブルブルブルブルブルブルブルブルブル・・・・・・』
その音は微かに、しかし確実にボクたちの耳に届いてきました。
一体何だろう?
まるで空気を切り裂くかのようなこの音は・・・
窓の外を見るとそこには――――――――――――
この時ボクは確信しました。
本当の混沌はこれから始まるのだと。
(第1話完)
次回の更新日は不明ですッ!(`・ω・´)
Posted at 2011/11/29 00:17:00 | |
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