近頃は、詐欺師を主人公にしたテレビドラマが人気とか。詐欺がすっかり身近な話題になってきたようです。架空請求ハガキは全国的にばら撒かれ、うっかり電話をすると振り込め詐欺の被害者になってしまいます。インターネットの世界でも、フィッシング詐欺やワンクリック詐欺、悪質出会い系サイト、ネットオークション詐欺等々、詐欺が横行しています。
さかのぼれば、豊田商事の「金の現物まがい商法」に始まり、詐欺的な商法は後を絶ちません。最近は真珠の投資商法の被害が新聞等で報じられています。
真珠養殖事業の投資として100万円で真珠のアクセサリーセットを買うと、1年半で120万円を返金する、知人を紹介すれば紹介料5万~10万円を払うと言って投資者を集めたのです。しかし、途中で会社からの返金が止まったままです。宮城県内にも相当数の被害者がいると聞いていますが、消費生活センター等に相談に来た人はごく一部なので、ほとんどの人が泣き寝入りをしていると考えられます。
このような事件に共通しているのは、必ず儲かるというもっともらしい作り話で相手を騙すことです。騙されたことに気付いた時には時既に遅し、預けたお金を全部取り戻すことは不可能と考えて良いでしょう。弁護士に頼むなどして一部でも取り戻せたら良い方です。
大きな詐欺事件が発覚するたびに、マスコミでは注意を促しています。しかし、それでもサギは姿を変えて不死鳥のごとく蘇り、カモを求めて飛び回ります。被害者の中には家族に内緒で投資した人、サラ金から借金してお金を用立てた人もいます。被害に遭っても、「口をツグミ 涙をカラス カモの群れ」、ということになります。
騙されないための秘訣として、是非覚えていただきたい言葉があります。
〈本当にうまい儲け話があれば、自分だけで儲ける方法を考えるのが人の常。赤の他人に教えるはずがない〉
うまい話を聞かされた時は、まず疑いましょう。そしてきっぱり断りましょう。ずるずると話を聞くことは、相手に期待を抱かせ、自分を騙すチャンスを与えることになります。
最後に一句。
雁がねに 追われし鴨や 鷺去りて(借金に 追われしカモや 詐欺去りて)