いやいや、クソ暑いわクソ忙しいわでストレス溜まりまくってたんで、朝方にネットオセロで小学生コテンパンにしてやろうと思ったら、5分で返り討ちされまして、今日はこのへんで許しといてやる。
というワケで(?)相変わらず仕事三昧で、夏が僕の上を虚しく通り過ぎて行きます。空いているラッシュの電車、夏全開のテレビ番組、花火大会や夏祭り特集の雑誌、行楽に向かう若者や家族連れ、すべてが自分の「何もできない夏」のもの悲しさを助長します。しかし先週の日曜(8/11)に奇跡的に休めたので、これが最初で最後の夏休みとばかりに、バイクに跨がり房総の里山へ繰り出しました。よっしゃ、夏を満喫だ!
…ところが、これがとんっでもねえクッソ暑さですよ(汗
長年バイクに乗ってるけど、たとえ真夏でも例えば林道や木陰を走れば多少は涼しくなるのに、山の中を走っててもまるでドライヤーの熱風を浴びているよう。日当りの良い田んぼの中を走る道なんざアンタ、まるで何かの罰ゲームじゃないかと思うほどの灼熱地獄。走っていてもゴーグルの中まで汗が滝のように流れてくるんで、痛くて目が開けられません。膝の前にあるラジエターからは常に熱風が吹き上げ、股間で爆発を続けるエンジンはものすごい熱さ。こんな凄まじい暑さは長年バイクに乗っていても経験がないほどの気温。信号待ちで少しでも止まると、アッという間にラジエターのファンが回り出す始末。路面温度が高過ぎてラジアルタイヤが溶け出すのが早くてやたらズルズル滑るので、フルバンク状態での接地感が掴みきれない。しかし、国産車ってこんな信じらんない灼熱地獄の中でもちゃんとオーバーヒートせず走るもんですね。
涼しい筈だった養老渓谷界隈の林道を走り回り、上総中野駅に到着。突然現れた、頭髪まで汗ビッショリで異臭を発するウェアとゴツいモトクロスブーツ姿のうす汚いオッサンライダーに、ローカル駅の小さい待合室にいた人達もドンびき。それまで携帯していたミネラルウォーターを飲み干していたので、自販機で思わずオランジーナを買ってグビグビ一気飲み。いっそCMみたいにクソガキに思い切り笑われるほうが、このミジメな姿の慰めになるってもんです。異常に蒸し暑い駅構内には、タイミングよく旧国鉄のキハ28&52編成と小湊鉄道のキハ200が並んでました。よく見ると、左側のキハ28は冷房装備車なんですね。しかしこう暑いと旧いディーゼルカーの冷却も心配になりますな。
あまりの暑さに上総興津あたりのビーチまで出ようと思い(
なぜか勝浦界隈はいつも涼しい)、県道を繋いで走ります。しかしプチ脱水症状かプチ熱中症なのか、コンビニを見つける度にヨロヨロと停まってミネラルウォーターをガブ飲み。こう暑いと「ウィンカー出して、停止して、スタンド出して、支えて、降りて、ヘルメットとグローブ脱いで」という一連の動作を想像することすら億劫で、そのうちただひたすら走るだけになってきました(せめて走行風を浴びていないと死にそう)。すると、通り慣れた裏道の筈なのになぜか道に迷ってしまい、走れど走れど田んぼと畑の中の一本道。一体ここはどの辺りなんだ?容赦なく照りつける太陽の下、陽炎の中を苦行のように延々と走り続けていると、しまいにはこれは全て幻想で、自分の頭の中を走っているんじゃという妄想に取り憑かれてきました。
しばらく走ると、農道から一本入った小道の脇に、子供の頃に見たような風景に遭遇。なんだか妙に懐かしくなって、ヨロヨロとバイクを停め写真を撮りました(タイトル写真も)。確かに、子供の頃の夏休みに母親の実家に行って、こんな関や小川でフナやクチボソや水生昆虫を獲っていた記憶が蘇ります。遠くの景色は陽炎で歪み、道路にはギラギラとした逃げ水。日々の超多忙の中で忘れかけていた夏がそこにありました。
しかし、このクソ暑さの中を出歩いている人やツーリングライダーも皆無。それもそのはず、この日は千葉の茂原で39.8度!こりゃ完全に物好きライダーじゃん自分。もうろうとしたままいつしか長南の街からR409に抜け、茂原方面へ走っていると、前方にどこかで見たモディを施したアクセラセダンが…偶然にもみん友のarisaさんでした。暫くarisaさんの後ろを走っていたんですが、向こうが自分に気付かないまま細い道で追い抜かせてもらいました。今度会ったらゆっくり話しましょう!
長柄の道の駅でかなり長い時間ダウンしていると、ようやく少しずつ陽が傾いてきたので、ヒグラシの声を聞きに
長柄ふる里むらまで。ここの夕暮れ時のヒグラシの大合唱には本当に癒されます。しかし、この時間になってもまだ異様に暑い!汗が止まらん。
周囲が暗くなってくると、バイク乗りは視覚より嗅覚や聴覚が研ぎすまされ、自然の音や匂いを強く感じることができるもの。ふと、どうしても稲穂が実る香りを感じたくなり、田園地帯へとバイクを走らせます。田んぼと農道以外に何もない場所。夏の夜の湿った風に運ばれてくるのは実りつつある稲穂の匂い。そして夏の虫の声。灼熱地獄のあとの、そんな癒しのひととき。(写真は限界まで増感しているので粒子が荒いです)
…と思ったら、バイクのヘッドライトめがけて大量の蛾やヨコバイやウンカや羽アリが雨のように飛んできます。ウェアやゴーグルにバシバシと当たって潰れ、タイヘンなことに(泣)。市原ICから館山道と京葉道を経て、ようやくホームタウンに帰ってきました。リヤタイヤのエッジを見てみると、まるでサーキット走行後のようにドロドロに溶けてアブレーションが出てました。実は乾いた砂が積もったフカフカのダートでコケたので(爆)、砂ボコリを雑巾で拭いてやろうと思ったら、バイクのカウルがいつもとは違う手触り。そこにはおびただしい数の潰れた虫さん達が張り付いてました。ただ合掌あるのみ。南無。
真夏の炎天下での無謀なバイクツーリングは、お手軽に夢が見られます(苦笑
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モーターサイクル | 日記
Posted at
2013/08/13 16:19:17