
思いのほかこの房総B級グルメシリーズ(というほど大袈裟なもんでもないですが)が好評?なので、すっかり調子ぶっこいて続編といきますか〜!
※タイトル写真は秘境のラーメン屋・アリランラーメン八平
前々回【
内房篇】、前回【
外房篇】と書いてみたが、思い付いたまま書いてるだけなので、実は両方とも全然紹介し切れてまへん。どこを書いて、どこを書き忘れているか、精査するのも面倒^^;なので、今回は【房総の内陸篇】ってことで。房総の内陸といっても、千葉市や市原市から、南房のほうまで何処を内陸というのかなんて決まりは無いので、何となく海沿いじゃないってユルい決まりだけで勘弁してくだされ。そういう意味では、前々回で紹介した久留里の焼そば専門店「
志保沢」や、牛久にある神のホルモン焼き「
玉屋」も“内陸”と言えるだろう。ああ、なんというテキトーな企画。ちなみに、全国一平均標高が低い千葉県には、山らしい山はありません。しかし丘陵地帯に広がる里山の風景は素晴らしく、内陸部のワインディングを繋げば、
ほとんど信号と交通量の無い快適なルートとなります。(← wataさん、勝手にリンクさせて頂きました)
【村のピザ屋・カンパーニャ】
「これが国道!?」と思うような国道410号から少し入ったド田舎にある、石窯ピッツァの「
カンパーニャ」。数年前にバイク仲間に連れられて初めて行った時に、生地と具材の美味しさ、里山のロケーションにハマってしまいました。昨今はテレビやメディアで紹介されまくっているので、特に週末の昼時にはこんな田舎が大騒ぎで凄い行列となる。ちゃんとした小麦粉をちゃんとした石窯と薪で焼いたピッツァは、生地がまるで七輪で焼いた餅のような香りとモチモチ感があるのだが、まさにそんな味。具材は地産地消に拘った新鮮な野菜や畜産物。千倉の「
Indy'sピザ」、浜金谷の「
ピッツァGonzo」と並んで、房総の田舎で食べられる3大ピッツァということにしとこう(あくまで個人的な感想)。しかし、ここはB級とは呼べないA級店かも。
ちなみに内陸部ではないけど、千葉みなとのNetzトヨタAREA86内にある「
ヴィーコロ」も、相当美味いっす。
【お婆ちゃんの味・アリランラーメン八平】
これぞB級グルメの真骨頂。“秘境のラーメン屋”“最もたどり着きにくい名ラーメン店”等々、割りと大げさな紹介をされることが多い有名店「
アリランラーメン八平」ですが、長生郡の外れにある立地は、確かにウルトラ行き難い。最寄の駅からでも14km、さらにその最寄駅がローカル私鉄としても有名な小湊鐵道の無人駅ときたもんだ。田舎道を繋ぎ苦労して店にたどり着くと、年季の入った店舗で年季の入ったお姐さん(つまり婆さん)が、小柄な身体に似合わないでっかい中華鍋でラーメンを作っている。店の周りにはマジで何もなく、ひたすら里山と田園風景。そんなド田舎の古い建物から漂う強烈なニンニクと醤油の香り。これがどんなジャンルにも属さない、独創的過ぎるラーメン。どんなラーメンでどんな味なのかは、実際に行ってみることを強くオススメします。ドライブやツーリングで「アリランラーメンに行こっか」ってイベントも充分以上に成り立つので、ぜひ来訪を!
【くみあげ生ゆば・ゆば喜】
市原〜大多喜〜勝浦を駆け抜ける国道297号の大多喜付近にある、生ゆばと豆腐製造即売の店「
ゆば喜」。 「なぜ大多喜で湯葉なのだ?」なんてそんな細かいことは気にしてらんない。作り立ての湯葉ってマジ美味いんです。色々な種類の大豆を使っているのだが、個人的にはほんのり緑のヤツと灰色のヤツが好きだ。できたてホカホカの豆腐(激ウマ!)もその場で食べられるので、御宿や勝浦方面に海水浴や釣りにでも行く際に、ちょっと寄って出来立て豆腐を食べてくってのもナイスっス。
【イタリアン・ジェノバ】
内房の保田から外房の鴨川に抜ける県道34号・通称長狭街道を走っていると、ド山の中に場違いなイタリアントリコロールの看板があり、そこを曲がって辿っていくと車1台がやっとなとんでもない山道となる。ぐねぐねガタガタと山を登り続けると「がんばれ!」「あと少し!」みたいな看板がいくつもあり、やっと山頂に辿り着くとそこには小さなレストラン「
ジェノバ」が。しかも山頂なのになぜか意味不明な船もあってB級感が満載。まるで人んち感覚なので「おじゃましま〜す」と入っていくと、人の良さそうな壮年夫婦がイタリアンを手作りしている。自家製生ハムや自家製野菜のピクルスはしっかり美味い。料理は、全体的に気配りが行き届いた素朴な家庭の味の延長なのだが、確実に美味しい。映画“グランブルー”のモデルになったジャック・マイヨール直伝のパスタもある(彼は房総が大好きで生前しょちゅう来てたのだ)。バイクで行くのもまた楽しいので、ツーリングのネタにもオススメです。
【うなぎ・八幡屋】
茂原街道沿いにあるこの「
八幡屋」は、なんだかいつ行っても混んでますね。開店直後とか、午後4時とか、ヘンな時間に行っても。それだけ地元に愛されている証しか。地元だけでなく、県外ナンバーのバイクやクルマも多い。ウンチクが記されたうなぎは確実に美味い。焼き方は関東風の蒸してから蒲焼きにする方法。千葉では成田にもうなぎの名店が多いけど、自宅から比較的気軽に行けるって点ではこっちかな。昨今のシラスウナギの記録的な不漁の影響が心配です。
【手打ち蕎麦・宇左ヱ門】
市原の市街地から房総の丘陵地帯を通って牛久に抜ける“うぐいすライン”沿いの田舎にある蕎麦屋「
宇左ヱ門」。店の正面にある、どう見てもかわいくないリスのイラストがB級な佇まい。どうにも年をとるとツーリングやドライブでの楽しみは、脂っこいものや味の濃い料理よりもさっぱりとした蕎麦を求めがちになるものだけど、そんなオッサン個人の価値観に於いて、この店の美味しさは全面的に保証できる。喉越しの良い十割蕎麦、さわやかな柚子切り蕎麦、更級に田舎蕎麦と、どれを頼んでも間違い無い。初めて行こうとする人にはチト見つけにくい立地ですが、外房方面からの帰りに渋滞回避の抜け道としてうぐいすラインを通る際には是非。あの辺だと八幡高校近くの蕎麦屋「
田」も美味いです。
【手打ち蕎麦・幸七】
上記に続き、オッサンのツーリングの友・蕎麦屋のオススメは、御宿から山に分け入ったところにある、古民家を改築した「
幸七」。かなり辺鄙な立地にあり、こんな田舎に人がわんさか集まって満員の客が蕎麦をすすっている光景はちょっと異様だけど、それだけ集客力のある美味しさ。雰囲気も良いし、女将さんの笑顔も良いし、わざわざ行く価値ありますね。そういった意味では、B級ではなくA級なんでしょうけど。この他に房総内陸の蕎麦屋といえば、養老渓谷の「
ゆい」、鴨川有料道路近くの金山ダムにある、やはり雰囲気サイコーの「
打墨庵(うっつみあん)加瀬」、茂原街道沿いの「
きたこま」もオススメ!
【とんかつ・有家】
まず、大多喜の町並みが良いんです。「房総の小江戸」と呼ばれるだけあって、旧い町並みの景観を留める努力をしているので、散策も楽しい。鉄道ファンには、いすみ鉄道の大多喜駅で旧国鉄の
古いディーゼルカーが現役で走っている姿も拝めるのも楽しい。そんな旧い町並みの中心部にあるトンカツ屋「
有家」は、店主が精肉店出身なだけあり、肉自体がしっかり美味い。しかもB級グルメ系にはお約束の店内テレビと、無造作に積み上げられた大量の古雑誌がイカしている。リンゴやらアーモンドやらが入ったB級感漂う変わり種トンカツも美味いけど、ここのウリは3種あるオリジナルの手作りソース。3種とも絶品の香ばしさなので、これを少しずつかけて食べるとサイコーです。
【イタリアン・キャンティ】
この素朴過ぎるイタリアン「
キャンティ」は、広く紹介してみんなに行ってもらわないと、今にも潰れてしまうんじゃないかと心配になるほど、いつも誰もお客さんが居ないのだ。場所は「
生命の森リゾート・長柄ふる里むら」からの坂を下りるか、茂原街道から誉田方面に曲がって坂を上るかどっちかの、つまり山の中。「ふる里むら」にはアスリートがトレーニングに訪れる施設があり、どうやらそうした有名アスリート達が店に来るらしく、選手達のサインが壁に書かれている。
立地はウルトラ寂しく、前述の通りいつ行っても閑古鳥なので、思わず「やってるのか?」とドン引いてしまうが、入ってみると意外にも居心地は悪くない。料理は今どきの凝りに凝った都会のイタリアンと比較すると平均点だとは思うが、確実にゆっくりできるのと、自分にとっては若い頃からの思い出が詰まっている(?)ので、銚子電鉄のごとく是非ネバーギブアップで残ってもらいたいですね。
【窯焼きパン・酪】
千葉県民であれば、メジャーな観光地の養老渓谷は1回ぐらいは行ったことがあると思いますが、バイクで林道を走ることが趣味の自分にとっては、おそらくフツーの千葉県民の一生分ぐらいは養老渓谷に行っている計算。ところが、ぶっちゃけ養老渓谷界隈は寂しい。なんだか一句詠みたくなってしまうほどなのだ。プラレールのような養老渓谷駅から徒歩で5分ぐらい、細い脇道を入ったところにある「
酪」 は、最近多い田舎の拘りパン屋。実は売り切れ御免なので、人気のあるパンはソッコー売り切れてしまう。パンが売り切れでも焼き菓子系も充分過ぎるほど美味しいです。また、隣に「
麻生亭」というレストランが併設されており、まるで人んチで上等な食事をご馳走になるような良い雰囲気。
しつこいようですが、上記は全て個人の味覚と感覚で結構ランダムにチョイスしているので、そこんとこ宜しくです。自慢できるほど食べ歩いているワケでもなく、偶然立ち寄ったお店とか、佇まいが妙に気になった店をチョイスしてるので、「なんでこの店が入ってないんだ!」 みたいなクレームは受け付けません…悪しからず…。
・【内房編】は
こちら
・【外房篇】は
こちら
・【南房篇】は
こちら