どうも、お久しぶりです。最近、車の整備作業日誌を作成するのに重い腰が上がらず、だいぶ長い間未更新のままになってしまっていました。お盆休みを機に、これまでの作業をまた少しづつアップしていこうと思います。
話はゴールデンウィークまでさかのぼるのですが、エアコンの吹き出し口からスポンジが飛んでくる不具合を直したので、その時のことをちょっと書きます。
車を買ったときから、996の持病として有名な、エアコンの吹き出し口からスポンジのかけらが飛び出してくる症状が発症しているのは知っていたものの、修理するとなると相当面倒だということも分かっていたので、風量を弱にしてスポンジが飛ばないように騙し騙し乗っていました。
その間、YouTubeや掲示板などで皆さんがどうやって問題に対応されているのかも調べまして、ほぼ全員の方が、
①ヒーターコアを外した隙間から風の通路の切替え板にアクセスしてアルミテープで穴を塞いだり、
②ナビを外した奥にあるダクトをカットして板にアクセスして板の穴を塞がれていました。
修理用の専用パーツも売られているんですね。
ただ①の場合も②の場合も、完全には修理できないんですよね。
エアコン(以下HVAC : Heating, Ventilation, Air Conditioningの略)の中には2枚の通路切替え板が入っているのですが、
①の場合は冷暖房の通路切替え板にしかアクセスできませんし、
②の場合はアウトレットとフットダクトの通路切替え板にしかアクセスできない、
つまりどちらか一方しか修理ができないんです。しかもアクセスする開口がめちゃくちゃ狭いので、綺麗には補修できなさそうですし・・・
そんなこんなで悩んでいるうちに時間だけが過ぎてほったらかしになっていたのですが、最近の夏の異常な暑さの中で、エアコン全開で使えないのはさすがにつらすぎるというのと、去年マイホームを建てたときに車庫も一緒に建てたので、1日で作業が終わらなくてもいいやという気軽さが生まれ、ようやく修理を決心しました。
修理の方法は、結局一番面倒だけどちゃんと直せるHVACを下ろして殻割りする方法にしました。自分の車は中古で複数のオーナーに使われてきたものなのですが、これまで整備していてどうも過去の整備が怪しいというか・・・
きっとナビやドラレコ周りの作業もかなり適当なんだろうなという雰囲気を感じていたので、これを機に全部外して綺麗にしてすっきりさせようという作戦です(笑)
まずはエアコンのガスを抜くところから。
さすがに大気開放はできないので、ちゃんとした装置を持っている店を探してガスを抜くだけの作業をしてもらいました。
通常なら抜いた後にちゃんと充填するまでがセットで機械の使用料と工賃が請求されるのですが、抜くだけでも費用が発生するので2倍費用が掛かりました(笑)。お財布は痛いですけど仕方ないですね・・・。
それから各種パネル類を外してようやくこの状態。
どうやって固定されているか分からないパネルを傷つけずに外すのって神経すり減らしますね・・・慎重に作業していたのでかなり時間かかりました。
それでも壊してしまった部分は何か所か出ちゃいましたが・・・。これからのためのいい勉強になりました。
ナビ回りは予想通りきったない!
ビニールテープ、ギボシ端子、雑音防止のためのクッションスポンジ、全部劣化してしまって見るに堪えない状態に・・・。
途中アクセスが非常に難しいところもいくつかありました・・・
あと工具がなくて作業が止まっちゃう場面もありましたね。
ハンドルを外すための24mmのインパクトソケットがなく、ホームセンターでKTCのソケットを買ったら薄肉のソケットじゃないとアクセスできず、買い直しに行く羽目に(笑)。それだけで半日仕事。こんなことなら最初からAmazonでKokenのソケット買うんだったと後悔。
インパネを下ろして骨がむき出しのところ。センターフレームも外してあります。
HVACの開口を見るとスポンジはやっぱりボロボロ。
これでもましな方のようです。完全にはがれてなくなってしまっている方もいたので。
それ以外にダクトの接続部のスポンジもボロボロ&ネチャネチャ。やっぱ分解に踏み切って正解でした。
フロントデフダクトにもスポンジの破片が沢山・・・
一つ一つがネチャネチャしてるのが嫌らしいんですよね。
ボディ側からHVACを固定しているナットを外して引きずり出そうとするも金色のブラケットが引っかかって取り出せず、結局金色のブラケットも外すことに。これ外すのが相当大変で、それは整備手帳の方にでも書こうかな。
外気導入口のシールもひどい有様。スポンジは全てこうなっています。
ようやくHVACが外れました。
HVACを殻割りしようとしたものの、1か所だけとんでもなくアクセスクリアランスがない箇所があり、また工具がなくてスタック。
2面幅6mmの六角頭ねじで締め付けられているのですが、6mmのソケットだと径が大きくてボルトにアクセスできませんでした。
急遽Amazonで径が小さいKokenの6mmのソケットドライバーを購入したものの、今度は軸の長さが微妙に足りず・・・、でも何とか外せました。
結局この後軸の長いT型ハンドルソケットドライバーをまた買い直しました(笑)
殻を割った後。通路切替え板は両面テープは残っているものの2枚ともスポンジはボロボロ。
別アングルから。
内外気切替えのフラップのスポンジは崩れずにちゃんと残ってました。
どうも製造時のスポンジはビニールが貼られている止水仕様のスポンジのよう。
ダクトの篏合部分のスポンジ。古いスポンジを取り除くことが大変なこと、大変なこと。
パーツクリーナー缶を1本丸々使い切っても足りないくらいでした・・・根気との勝負。
板をクリーニングし、空いている穴をアルミテープでふさぎます。
この板の型を取ってコピーし、スポンジを切り抜くための台紙を作ります。
スポンジ貼ったらまた同じことが起こるんじゃない?と思われる方もいるかもしれませんが、貼っているのは加水分解しないスポンジなので大丈夫です。ウレタンスポンジにはエーテル系とエステル系の2種類があり、エーテル系は時間が経っても加水分解しません。製造時に貼られていたスポンジはエステル系だったんでしょうね。
スポンジがないとケースと板の隙間が大きくなってしまうのでスポンジはちゃんと貼り直すことにしました。止水仕様のスポンジはコンシューマーには買えないのでそこは妥協するしかない。
あ、ちなみに両面テープ付きのスポンジは手に入らなかったので、日東電工のウレタンスポンジ用両面テープを自分で貼っています。
内外気導入口のスポンジも貼り換え。
ダクト篏合部分も貼り直し。
エヴァポレーターやケース中の細かいゴミもエアブローで吹き飛ばして綺麗にした後組み直し。
冷暖房切替えの板はこんな感じで流路を切り替えるために使われているんですね。
もう一方の板は顔に風を出すか、足元に出すかを切り替えるためのものです。
ハーネステープもボロボロ&前のオーナーの時の適当作業でビニールテープが巻かれている始末。触るたびにネチャネチャが手につくので耐えられない・・・
ネチャネチャを落とし、耐熱Tesaテープを巻きなおし。これですっきり。
室内のハーネスも同じ状態なので、全部テープを剝がします。
テープを巻きなおしてすっきり。
これはHVACと関係ない話なんですが、前のオーナーが社外ナビをつけた際にBOSEのアンプ外しちゃったみたいで、アンプにつながっていたスピーカーハーネスが切断されてギボシ端子で直接ナビにつながれてました。
って、BOSEエディションの車なのにアンプないのかよ!!
ヤフオクでBOSEのアンプなんて全然出回ってないみたいだし、純正買えばバカ高いし最悪じゃん・・・。
今回使えない社外ナビは外しちゃうので、ギボシ外してなんのハーネスかわかるように処置しておきます。こういう余計な作業が結構多かった。
こっちはカウルトップの座面が割れている絵。
これも996の持病みたいですね。
メグミックスを使って補修
ナビにつながっている意味不明なハーネスが多いこと。作業もいちいち雑で腹立つ。
余計なハーネスは根元から断つ。地味に時間のかかる作業
リアのトリムパネル類も外す羽目に。前の整備士は本当に適当な方だったんでしょうね。吸音材もボロボロにちぎられ、パネルクリップもちゃんとはまってない、散々な状況でした。それをパズルのように組み立て・・・
はがれていたスポンジも接着しようやくきれいになりました。
分かります?スポンジが変形しちゃってるの。ちゃんとした位置に設置しないまま無理やりパネル組んであったんです。
取り外した余計な部品。こんなに大量にあったとは。
この後外した部品を全部組み戻し、エアコンガスを再充填してもらってようやく修理が完了しました。結局ゴールデンウィークから作業始めて、6月の中旬くらいまで作業してましたね。DIYでやってると作業中に見つけたおかしなところがほっとけないので、予想以上に時間がかかって大変でした。なんとかギリギリ夏本番に入る前に作業が終わってセーフという感じです。
なにも気にせずエアコンが使えるって最高ですね。今までは風量を絞るためにマニュアルでエアコン操作してましたが、Auto機能が使えるようになったのですごく楽です。
予想外だったのは古い部品を全部撤去して部品をちゃんと組み直したことで全然雑音がしなくなったこと(笑)。驚くくらい静かになったのでびっくりしました。
細かい作業内容はこれからコツコツ整備手帳に上げていこうと思います。大作になりそうな予感が(笑)