1.↓まずはボンネットを開けてバッテリーにアクセスし、バッテリーの端子を外します。画像に書いているように端子を外す順番に注意しながら作業します。
2.↓バッテリーを固定しているブラケットのボルトを外します。
3.↓ブラケットを外したらバッテリーを車両前方にスライドさせ、トレーとバッテリーの嵌合をはずします。写真ではすでにバッテリーカバーが外れていますが、スライドさせた後に外すほうがボディに干渉せずに外せて楽かもしれません。
4.↓バッテリーの取っ手をもってエンジンルーム内からバッテリーを出します。
バッテリーはかなり重いので、車と体を痛めないように注意が必要です。
↓バッテリーを外した状態です。埃が溜まっているのでエアダスターや雑巾を使って掃除します。
↓奇麗になりました。
↓今回取り付けるのはVARTAのAGMバッテリーです。AGMにした理由などは後述します。
5.↓新しいバッテリーをトレーに乗せ、車両後方にスライドさせてトレーとバッテリーを嵌合させます。手順3と同じ理由で、嵌合させる前にバッテリーカバーを被せたほうが良いと思います。
6.あとは取り外し手順の反対に、ブラケットをつけ端子を装着します。
7.交換後にイグニッションをONにするとメーターディスプレイに数々のエラーが表示されますが、数百メートル走行するとすべてのエラーが消えます。以上で交換完了です。
※古いバッテリーはJ'msで無料で引き取ってもらえました。
<GOLF Ⅶのバッテリーについて>
(1)AMGバッテリーを購入した理由
ゴルフに初期搭載されていたバッテリーはEFBタイプのバッテリーでした。バッテリーを交換した当時はEFBよりもAGMの方が高性能だ、という謳い文句をみて何も考えずにAGMバッテリーを購入しました。
購入前の下調べの段階で、AGMに交換するとコーディングが必須だというような記事を見かけ購入を悩んでいましたが(コーディング装置を持っていないので…)、一方でコーディングは必要ないという話もあり、新しいもの欲しさからAGM導入に至ったわけです(笑)
(2)コーディングの必要性について
しかし実際のところ何の為にコーディングが必要なのか、よくわからないままにもしたくないので色々調べました。自分の結論としては、AGMであろうがなかろうがバッテリーの容量が変わった時点でコーディングが必要だと思います。
ネット上でコーディングが必要だとされている理由の多くは、AGM(※1)はEFBと構造が違うので充電の方法をコーディングで変えなければならないであったり、充電電圧を変えないと過充電になるというものですが、AGMもEFBも基本的には鉛蓄電池なので間違っているのではないかと思います。
充電方法は同じトリクル充電(※2)ですし、過充電に関してもAGMで過充電になるのであればEFBでも同様に過充電になります。過充電にならないように充電容量を見て判断するため、AGMとEFBの違いは充電時の問題になり得ません。
(※1 AGMは電解質の希硫酸を液体ではなくガラスマットに吸収させて極を構成した物)
(※2 トリクル充電ではオルタネータにバッテリーと電装系を並列に接続します。エンジンがかかっている場合は常にオルタネーターからバッテリー・電装系に電源を供給し、エンジン停止時はバッテリーから電源を供給します。アイドリングストップ時にワイパーが一旦止まるのは、電源系統を切り替えているからだと思います)
コーディングはバッテリーの残量を精度よく推定するために必要だと自分は考えています。
(3)バッテリー残量推定に関しての私的考察
鉛蓄電池の残量は電解質である希硫酸の濃度によるため、ネルンストの式からバッテリーの開回路電圧と充電率に下図のような相関があります。
電池が電気化学的平衡状態にある場合、電池の残量はこのグラフを使って精度よく求められるのですが、車が走っている時は平衡状態ではありません。そのため電流積算法という方法と組み合わせて電池残量を推定します。バッテリーのマイナス端子についている部品の性能からGOLFもこの方法を使っているのではないかと思われます。
(バッテリーの内部抵抗から残量を推定する手法もありますが、GOLFの端子装置には内部抵抗まで測定する機能はないようです。仮に内部抵抗をから推定していたとするとAGMはEFBと比較して内部抵抗が低いため正しい推定ができなくなります)

上式より、残量を精度よく求めるためには満充電容量(FCC)が正確でなければなりません。正確に残量を推定することで、過充電による正極格子の劣化や電圧低下によるサルフェーションの進行を改善することができます。
もっと正確にバッテリーの状態を測定したい場合はエンジンを切ってから長時間放置した状態で、専用のテスターを使用して内部抵抗を測定し残量を推定します。(例:Midtronics EXP-800 VWのディーラー指定テスターがまさにこれです。)
全く同じ規格のバッテリーに交換した人にはコーディングの必要はありません。
こうしてバッテリーの状態が管理されているからなのか、自分の車に搭載されていたバッテリーは4年間問題なく作動しました。オーナーズマニュアルにはディーラーでの交換は「必須」ではなく「推奨」とした上で”必ず同じ規格のバッテリーと交換してください”とさりげなく書かれていますが…そういうことなんでしょうか。
なんだが倍以上の値段を出してAGMにしなくてもよかったかなぁ?セル始動からエンジンかかかるまでの時間は短くなったような気はしますがプラシーボ効果かも(笑)
余談ですがGOLFの中でも雪国使用のワイパーヒーター等がついている車には最初からAGMバッテリーが搭載されているようです。またAudi A3も工場出荷状態でAGMを搭載しているみたいですね。