おばんどす。
今日は、先日分解したコラムスイッチの続きをお話したいと思います。

がんばって何とか分解したコラムスイッチは、このように中で折れていました。
レバーをセンターに戻すバネの力によって、レバーの先端に強い力が掛かり、いずれ割れてしまうのです。
最初は金属スリーブを入れようかと色々検討していましたが、ご指摘もあり、色々考えた末に出した結論は・・・。

プラリペアを盛って直すという安直なものでした。
バネが入る穴には4φのドリルの歯を差し込み、その周りにプラリペアを盛って行きます。
ただ盛ってしまうだけでは強度が満足に出ないため、レバーにリューターで溝や穴を掘り、プラリペアとレバーが機械的に結合するようにします。
大きめに盛り、硬化を待ってヤスリで削り込んで形を出します。

ちょいと雑ですがこのように仕上げました。
さて、レバーが直ったら組み立てて行くのですが、ここで問題になるのがグリスの選定です。
コラムスイッチ自体はプラスチック製なので、プラスチックにやさしいシリコン系のグリスを使いたい所です。
しかし、電気接点にシリコングリスは厳禁なのです。
シリコングリス等を電気接点に使用すると、アークによってシリコン酸化物質が接点上に形成されて接触不良や異常磨耗を引き起こします。
ちなみに、某社の自動車に使用しているリレーが、封止材のシリコンから出るアウトガスが原因で接触不良を起こして走行中に止まる不具合を出し、リコールになりました・・・。
コラムが接触不良になっても止まりはしませんが、灯火類が動作不良を起こしたり、火を噴いたりします。
プラにシリコン、接点に接点グリスと塗り分けた所で、いずれ油分が伝って接点に達します。
たかが接点と侮れません。

そこで、悩んだ挙句見つけたグリスが、
こちらの
「Super Lube Multipurpose Grease」です。
こちらのグリスは合成油がベースになっており、鉱物油のようにゴムやプラを痛める事が有りません。
また、シリコンを含まないので、「電気接点にも使用できる」とあります。
おまけにH1グレードを取得しているので、食品機械をはじめ屋内や水辺でもつかえるのだとか・・・。
まさにSuper! さすがMultipurpose!、
とりあえず迷ったらコレ使っとけ、といった感じのグリスですね。
臭いも少なく、ちょう度も丁度いいので、いいもの見つけました。

接点に残った古いグリスを綺麗にふき取り、Super Lubeをぺったり塗りたくります。
稼動部、接点、構わず全部に盛り付けます。
ひとしきりグリスを塗りたくったら、いよいよ組み立てです。
この組み立てが、分解と同様で非常に厄介な作業でした。

レバーにバネと真鍮のピンを収め、レバーをリンク(レバーの先に付いてるプラの部品)に嵌め、シャフトを通し、本体へ装着するのですが、どうやっても本体に嵌らない!
あれこれ試すもレバーを折ってしまいそうになるので、仕方なくシャフトを一旦抜き、リンクのみを本体へ取り付け、レバーを後から押し込んで穴位置を合わせながらシャフトを打ち込む(意味不)事でやっとレバーを組む事が出来ました。
あまりにも大変で、この間の写真はありません。
また、コラムをもみもみしているうちに、グリスが手に全部移ってしまったしまったので一旦塗りなおしています・・・。

こちらが無事レバーが嵌った記念写真になります。

ここまで来れば後はもう簡単・・・、と言う程ではないですが、難儀しながら何とか嵌めて完成になります。
さて、気になるは耐久性ですが、組み付け時の大きな負荷にも耐え、調子に乗って何度もレバーをパコパコさせても折れる気配がないので、一応現状では問題無さそうです。
車体に組みつけて2週間ほどになりますが、まだ折れていません。
動作も良好で節度のある操作感が楽しめます。
また、各部にグリスアップを行ったお陰で、ウインカーレバーの動きも静かでしっとりとしたものになり、ハンドルを戻した時のレバーの動きも「バチョッ!」から「チッ」に変わりました。
苦労した甲斐が有ったと言うものです。
レバーが折れた皆様、一度やってみては如何でしょうか?
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修理 | 日記
Posted at
2014/05/29 23:54:30