
なぜタイトルに(苦笑)が付いているかというと、諸説が入り乱れていたこの話題、もうちょっと何とかならんかったのか?と思うから(^_^;)。
先週から今週に掛けて「真相」と題して2つの記事が公開されました。
マツダCX-30の発売と、SKYACTIV-X延期の真相…ITmedia
マツダの切り札「X」、日本発売延期の真相…日経ビジネス
日本国内向けのSKYACTIV-Xをハイオク仕様にするって、元々の国内向け
レギュラー仕様に加えて、もしハイオクを給油した場合にちゃんと欧州仕様相当の性能が出せるように、マルチオクタン価対応にすること。「ハイオク
指定」とは燃料が
ハイオクに限定されるという意味で、対してSKYACTIV-Xの場合は「ハイオク
推奨」という表現になるようです。
真相はまぁそういうことだとして、池田氏の言葉じゃないですが、根も葉もない噂が一人歩きしてその火消しに追われるくらいなら、他にやるべきことが沢山あるだろう、とボクも思います(^_^;)。
ボクが目に(耳に)した噂は
①開発が難航して初期の性能を確保出来なかったから遅れた
②日本国内向けも欧州と同じハイオク仕様に変更となった
③ハイオク仕様にしたのはレギュラー仕様を望む販売に対して開発部門が強引に押し切った
④SKYACTIV-X搭載車の価格が大幅に高いのは品質に自信がないから沢山売りたくないため
なんて感じで、冷静に考えれば「んなワケないでしょw」というモノばかり。
①なんて、既に欧州向けはデリバリーが始まっているワケですから普通に考えたら有り得ません。
④だって、先代アクセラの最上級グレードXDの登場時の価格が298万、モデル末期が279万~331万でしたから、代替りして314万~355万って、値上がり率は12%~7%です。世代交代して世界初の最新エンジンを載せるんだから、1割位は価格を上げた値付けはしたいでしょう(苦笑)。
他方、
大いに問題だったのが②と③.
これだけ燃費に煩いご時世で、故に燃料代が安いディーゼルが一定の支持を得たという認識があるならば、レギュラー仕様で開発してきた国内向けSKYACTIV-Xを、
土壇場でハイオク仕様に変更するなど、
マツダはバカじゃないか?と誰もが思ったハズです。②
しかもその仕様変更を主導したのが開発部門で、
難色を示す販売部門の意見を押し切った③となれば「
マツダの開発陣は、世界初の圧縮着火技術をモノにして
奢り高ぶっている」と思われても仕方がありません。③
真相が語られてしまえばこれら二つとも虚偽だったワケですが、こうした噂がどうして立ってしまったのか?といえば、そら正確な情報提供が行われず、こういった
ネガティブな噂が立つ隙があったからに他なりません。
メディア記事も含めて「ハイオク
指定」「ハイオク
推奨」そして「ハイオク
仕様」と複数の言葉が飛び交ったのですが、この3つの意味が一般に同じなのか違うのか?というのが問題点の根源です。
それぞれの言葉の定義を皆が正しく理解しているか、或いは改めて説明しておけば話は違ったかもしれませんが、別の視点としては「消費者にどう思われると困るのか?」という話。
「ハイオクXX」と言われたときに、ハイオク限定でレギュラーが使えないとなれば、燃料代が高いのだから消費者には絶対にネガティブです。もしそうなら仕方がないですが、そうでないなら
「ハイオクガソリンしか使えないわけではない」
「レギュラーガソリンが問題無く使える」
と明確にメッセージを出していれば、変な誤解が蔓延せずに済んだでしょう。
我々一般消費者にとって「ハイオク仕様」という言葉が嬉しいのか、嬉しくないのか、どーもこの辺に鈍感というか、無頓着だったと言わざるを得ません。
いくつかのメディア記事と、東京モーターショーでの説明員の解説もそうでしたが、欧州仕様のSKYACTIV-Xの性能が高評価であった点と併せて
「
レギュラーガソリンを入れると性能が下る」
と説明してました。勿論嘘ではないのでしょうが、「ハイオク推奨」とか「性能が下る」とかって言葉は、あまり詳しくない消費者に対して
・レギュラーガソリンは本来入れてはいけないモノ
・レギュラーガソリンを入れると何かエンジンに悪い影響があって、後は自己責任w
という
印象を想起させます。
ボクがもしマツダの企業広報であったなら
・日本国内向けにはレギュラー仕様が基本だが、ハイオクガソリンを使用した場合に欧州仕様と同等性能を発揮するように性能調整を行うため、発売が2ヶ月遅れる。
・SKYACTIV-Xはレギュラーガソリンが問題無く使用できるが、ハイオクガソリンを使用するとパワーや燃費が更に上がる。
と、販社向けにも、市場向けにも説明(発信)したでしょうね。

「ハイオクが標準でレギュラーだと性能が下がる」も、
「レギュラーが標準でハイオクだと性能が上がる」も、
言っている事は同じで
基準の置き方が違うだけ、と思うかもしれませんが、ハイオクとレギュラーで燃料単価が違うのだから、消費者にとってその意味するところは同じにはなりません。そして同じでは無いなら、どっちの言い方がよりポジティブか、或いはネガティブか、という話は必ずあります。
これは今に始まったことじゃありませんが、マツダの企業としてのコミュニケーション能力は、本当にこの中計期間中に「顧客体験の質的向上」と同列に並べて、改善を図るべき領域ではないのか?とか思っちゃいますね(^^;。
副社長が自ら火消しにメディアのインタビューを受けるなんざ、広報担当からしたら失格の烙印を押されたと同じくらい、重く受け止めるべき問題だと思いますょA^_^;)。
因みに企業に限らずコミュニケーションの下手な人の特徴のひとつに
「相手が聞きたいことではなく、自分が話したいことを言ってしまう。」
というのがあります。
今回の件に照らせば「SKYACTIV-Xをハイオク仕様に変更する」に対して
多くの一般消費者が知りたいこと:燃料単価の高いハイオクしか使えないのか?
マツダが話したかったこと:ハイオク仕様にすると大好評の欧州仕様と同じ性能が出せる
という構図でしょうか(苦笑)。
エンジン性能うんぬんは商品が市場に出てさえしまえば自ずと評価は出ます。
発売延期は明らかにネガティブな情報ですが、その理由を「商品力向上のため」と説明したかった気持ちは良くわかるのですが、そのために高価な燃料が必要となれば、それは消費者にとってはネガティブな情報です。故に慎重を期する必要った筈なのですが、、、困ったもんですねA^_^;)。
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SKYACTIV | 日記
Posted at 2019/11/11 17:30:31