
昨日の夕刊に載っていた記事に今夜は注目しました。
読んでみての、感想を書く前に。ちょっと長い文章ですが、
そのまま記事を載せます。
(段落での改行以外は記事のままです)
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(産経新聞 平成24年10月1日 関西版夕刊 経済面より)
焦点@ビジネス
~ダイヤ回復のサポート役に~ ~運転士の頭脳備える新幹線~
JR東海が来年2月に5年ぶりに投入する東海道新幹線の新型車両「N700A」は、新幹線の歴史上初の「自動運転」機能を搭載した。車両自ら加減速し、いわば自分で考えて走る。“賢い車両”なのだが、運転士の役割はどうなるのか?
運転士は運転席に表示される到着(通過)駅までの距離や、到着(同)予定時刻をにらみながら、常に細かなアクセル操作を繰り返し、必要な速度を考えながら運転する。最新技術を誇る新幹線だが、「人間の力が大きい」(同社幹部)のだ。
勾配やカーブなどの線路情報を把握しておくことも重要で、「周囲の景色から次の駅までの距離を割り出す」「新大阪~東京500㌔余りの勾配・カーブがすべて頭の中にある」という運転士もいるという。
年間の運行本数約12万本の平均遅延時間はわずか36秒。この驚異的な正確さを支えているのは「人」なのだ。
新型車両N700Aに搭載される「自動運転」機能は、「定速走行装置」と呼ぶコンピュータープログラムで、東海道区間の勾配やカーブなど線路情報がすべて入力されている。
車両の現在位置を把握し、区間ごとの最高速度を自動的に維持する。上り坂、下り坂、カーブなど、運転士がこまめにアクセル操作してきた箇所も自動で加減速する。つまり、運転士の“頭脳”をそのまま備えているわけだ。
定速走行装置の使用は、運転席のボタンを押すだけ。滑らかに加減速して、最高速度を維持し、目的地まで走る。運転士は運転状況を把握するだけで、“技”は発揮しなくていい。同装置は平成27年までに7割程度の車両に装着される予定だ。
さて、そうなると、運転士の技能はどうなるのか?
「今後も人が中心であることに変わりはない」と同社幹部は話す。実は、低速走行装置の使用は自然災害などで乱れたダイヤを回復させる時だけ。平常時はこれまで通り運転士が操作する。同装置を通常時に使用すると、効率がよすぎて、ダイヤより早くついてしまうことがあるからという。
車両故障といった緊急時に備えるため、かつて新幹線は1列車に2人の運転士が乗車していたが、車両性能の向上などで現在は1人になった。
そしてJR東海が平成57年に東京~大阪で開通させる計画のリニア中央新幹線では、運転士がいない「完全自動」の車両となる。技術の進化と共に「人の手」が不要になっていくのも現実である。
(内山智彦)
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ネットでこの記事がみつからなかったので、 というのもありますが、
WORDで予め『手打ち』してまでブログに書いたのは、理由があります。
この文章を書いた経済記者の思いが伝わってきたから、そして何よりも。
JR東海の先端技術へのこだわりと人間尊重の企業姿勢に感銘をうけたからです。
これぞ、日の丸企業 だと思います。目先の利益ばかりを追い求めている最近増えた大手企業とは
レベルが格段に違うと思います。
昨夜の今頃 何の気なしに読み始めたときは、新幹線に特に思い入れなどなかったし、
車両制御が組まれたシステムなんて人間疎外の極みだと感じていたのですが、読んでいくうちに。
人間を尊重しているからこそ、人命を預かっている自負があるからこそのすばらしい先端技術なんだ
と感銘をうけた次第です。
このあたりまで書いてから。 以前この記事のベースが、8月の『N700Aのお披露目』に書いてあるのを見つけました。(↓下記URLです)
一度書いた記事を、文章のプロが、10月1日という【新幹線の48歳の誕生日】のプレゼントとして
推敲した所にも感動しました。全く感じ方が違うと思います。
こういうお手本があると、つくづく自分のブログ位 せめて読み直す位はちゃんとしなければと反省。
デビューする来年2月以降に、東海道新幹線に乗る機会があるなら。
迷わずに 新型車両N700A に乗りたい と思っております。
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Posted at 2012/10/02 22:42:19 | |
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