
先週「トヨタ社長交代」が正式に公にされました。
創業家による改革への、期待と不安が入り乱れているようです。
私は、期待をもって観察したいです。
歴史的人事?!オバマさんが大統領就任の宣誓をしたその日(2009年1月21日)。トヨタでは「大政奉還」すなわち
豊田章男氏が社長に昇格するとの報。
昨年、日経がいち早く報じておりました。
過去のしがらみを断ち切る時に、どんなリーダーを据えるのか。
たとえば松下(パナソニック)では、創業家支配との「決別」が、非創業家が主体となって行われました。
武田薬品工業では、それを創業家自身が断行。
日産では、
カルロス・ゴーンという辣腕のリーダーシップによって、V字回復を達成。
トヨタでは、満を持して?の、創業家出身者トップ登壇。
企業の変革期に「正反対の選択」がなされる。
私個人としては、非常に興味深い教材です。
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マーケティングの大家
コトラーによれば、
「今日のビジネス界が直面している中心問題は、商品の不足ではなく、顧客の不足である。世界的に見て、ほとんどの産業が消費者の購買力をはるかに上回る生産力を有している。この過剰生産能力は、競争状態にある個々の企業が、実現可能な限度以上に市場シェアの拡大をめざした結果もたらされたものだ。・・・」
と。
(『コトラーのマーケティング・コンセプト』(東洋経済)P.コトラー, 2003 序文より引用)
蓋し名文なり、と感心している場合ではありません。
端的な問題点は、生産能力の増大によって損益分岐点が上がり、生産縮小の痛みを、日産やホンダよりも相対的にきつく受けている、との由。
(そこで思考停止していいのかな?!と思いますが)
しかし、内部留保が12兆円もある製造企業。
基本的には、最強の企業です。
そんなトヨタの中興の祖、
石田退三翁に愛敬の念をよせていたという「松下」いま"Panasonic"。
前社長時代、創業家支配と決別し、社名変更に象徴される改革が進み、いま、不振にあえぐソニーとは対照的に、強い経営を実現しているように見えます。
ちなみに、松下家と縁戚関係にあった
井植家(三洋電機)は、パナに統合されようという皮肉。
前述の武田薬品工業では、長兄の死後、本命ではなかった末弟の
武田國男氏が社長に就任し、コアビジネスへの集中と大胆なM&A等の改革等を成し遂げ、株式時価総額を3倍に押し上げた、と賞賛されるに至りました。
國男氏は、創業家支配を「自分が最後」と言明し、その通り後任社長を非創業家から任命しました。
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グループの求心力を保ちつつ、拡大路線の軌道修正に大なたを振るう。
一方で、長期戦略のシナリオを描く。
これが、章男氏と、その参謀に課せられたミッションでしょうか。
「家の論理」や、地域の名士である国内系列ディーラーとの関係再構築だけで、世界一の自動車産業の未来が開けるものでもないでしょう。
佐吉翁は、フロンティアスピリットあふれる遠州のご出身と。
日本経済の幾分の一かの、浮沈が賭かっています。
章男氏も「やらまいか」精神で、改革の未来絵図を鮮やかに描いて頂きたいものです。
おしまい。
※ダブルポストです
P.S.1.トヨタさんは、形式的には同族企業ではありません。
創業家支配が続く企業には、どんな企業があるのでしょうか?
→クリック。
P.S.2.
これ面白いですね(http://spysee.jp/)。
顧客情報がこんな風に整理できたらいいですね。
みんカラ友達も、ブログを書いたら
勝手に分析してつながっていくとか(^^; お節介な世の中だな。。
Posted at 2009/01/30 00:55:25 | |
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