
幼い頃憧れたものといえば、大凡、戦隊もののヒーローなりアニメの主人公であったりするわけだが、私の場合はそうではなかった。
渇望するのは、まだ見た事のない景色。
これは今でも変わっていない。見知らぬ土地に行く事は自身の好奇心を満たしてくれる。
外国にも何度か行ったことがあるが、それは正しくは行ったのではなく連れて行かれたというべきもので、自分一人で少し離れた公園に行った時より好奇心は満たされなかった。
ある程度成長すると、自転車に乗れるようになった。あれがあれば大抵のところには行けたし、初めての自分の乗り物ということもあり、かなりの満足を得られた。
しかしあるとき、不満が訪れた。
自転車で行ける場所が思いの外、少ないことに気づいたからだ。
それこそ私は大地の端まで行ったつもりだったが、自分が住む県すらでていなかった。
こんなんじゃダメだと子供心に思った。
それから、電車に一人で乗れるようになりこれならどこまででも行けると思ったが、こいつは所謂ハズレだった。
お金がかかるし、自分で操作できない。単純につまらなかった。
それから大分先になるが、親に勝浦につれていってもらった。別に海なんて初めてきたわけではないし、もの珍しくもなかったが親のある一言に驚くことになった。
遠い海の彼方を指して、あっちいくとアメリカ、と今思えば大したことはなにひとつ言ってないのだが、私はこの言葉に心揺さぶられた。
なるほど、海を越えると外の国にいけるわけだ。一つ学習した。
それから少しして、初めて飛行機で海外に行けることになった。
海を越えていくという願いは叶えられなかったが、空路もなかなかに興味深い。
そうして、初めて異国の地に降りたわけだが、前述したとおりだった。
空を飛びたい、海を渡りたいなどというものは公共の機関を使えば…もっといえば金さえあれば容易だ。金を払ったあとは座って寝てれば良い。
そうすれば、素知らぬ誰かが公共の乗り物でもって私を遠い異国に連れていくだろう。
しかし、そんなものは私の夢ではない。金は同じく必要になるが、組み立て式の飛行機を作って飛びたい、さらに金に任せるがクルーザーを買ってその辺を走りたい。
異国に行けなくても、自身で空と海を楽しみたい。
ただそれだけの夢である。
今、ここにもう一つ夢が加わった。日本一周。それもバイクでだ。車での日本一周もなかなかに乙だが、おそらく違う。
バイクで日本一周したいのだ。
一度はライダーになり、すぐに愛車を手放し、ライダーである事を辞めたわけだが、それはそれで納得していた。やはり夢は夢だったかと。
しかし、ライダーへの憧れ、バイクへの憧れ、幼心に抱いた未知の土地への好奇心・渇望これらが、私が真にライダーであるべきかを糾し、今の私がいる。
大袈裟かつ偉そうに書き連ねましたが、そんなわけで私は再びライダーになりました(正確にはまだ)。
新たな相棒と日本各地を周れることを楽しみにしています。
Posted at 2012/10/15 12:49:40 | |
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