
今年3月3日に北陸道小矢部川サービスエリアで同社の夜行バスが大型トラックに衝突、運転手と乗客の2人が死亡した痛ましい事故がありました。
原因は睡眠時無呼吸症候群による居眠りのようでした。
実は私も睡眠時無呼吸症候群であり、治療の一環として鼻中隔湾曲症の手術をしました。
手術をするにあたり、Webでいろいろ情報を仕入れて実行することにしました。
秋田県とか地方での手術の情報が少なかったので、この記事が参考になれば幸いです。
以下結構長いので、興味のない方はスルー願います。
私の鼻中隔湾曲症が発覚したのは、高校の頃でした。
耳鼻科の診断で発見されて医師から手術した方が良いかもと言われましたが、当時、歯茎の上から切り開いて手術をするという話でびびってしまいました。
実際に過去に歯茎の上から切り開いて手術をした人から聞きましたが、痛いなんてもんじゃない!!と言ってました。
トラウマになるほどの痛みだったそうです。
20代でいっしょに泊まった人からいびきがうるさくて寝られないと言われましたが、あまり気にすることはありませんでした。
30代の時、電車の居眠り事故?だかで睡眠時無呼吸症候群(SAS)を知り、初めて病気を認識しました。
その当時、プラスチックマスクをして寝るCPAP療法を行いましたが、いつも鼻がつまっていて睡眠時に口呼吸が多い私は、夜中に無意識にマスクをはずしてしまうため、全く効果がなく、1ヵ月ほどで止めてしまいました。
その後、会社の会議で寝てしまったり、日中の眠気はありましたが体力があったためなんとか持ちこたえてました。
ところが50代に突入したあたりから、眠気が更に倍増されて毎日8時間寝るようにしても、とにかく眠い。
真夜中に息が止まってゼイゼイ言いながら目が覚める。起床も爽快感が全くなく、かえって疲労しているような気がする。
午後の会議は気を抜くと瞬時に落ちるようになり、カフェイン錠もあまり効かなくなってきました。
車やバイクの運転中に危うく居眠り運転というか、実際居眠り運転したかも?ということを何回か体験しました。
さらには、最近、休日の土日は2時間以上ずつ昼寝をして睡眠を補うようにしないと次の週が辛くなるようになりました。
しかし昼寝中にもいびきが凄過ぎて、自分のいびきで目が覚めることもしばしば。
極め付けが、血圧の上昇です。平気で数値が180を越えるようになり、Webで調べると睡眠時無呼吸症候群(SAS)と関係があるような記事もありました。
どちらかというと、睡眠時無呼吸症候群より高血圧の方を家族に心配されて、2月にとうとう湯沢市の雄勝中央病院へ行きました。
高血圧だから内科と思いましたが、ついでだからと耳鼻科にも行くことにしました。
ついでだから耳鼻科というのは、睡眠時無呼吸症候群の改善は、あまり期待してなかったためです。
耳鼻科の問診では、過去にCPAP療法で挫折したことを正直に話しました。
鼻の診察でCT画像から、鼻中隔湾曲症と肥厚性鼻炎と診断されました。
鼻の息の通りは、左側は常に全閉で、右側からは息がかろうじて出来る程度です。
高血圧は、別途薬で抑える治療を始めることになりました。
その日の夜に測定用のプラスチックマスクをして、無呼吸の度合いと指先にセンサをつけて血中酸素濃度を測定する検査を行いました。
結果は次回の通院で判明しました。
なななんと、睡眠1時間中に60回、息が止まってました。(1分間に一回息が止まっている)
通常、睡眠1時間に5回息が止まっていれば、睡眠時無呼吸症候群の認定を受けるようです。
睡眠1時間に30回で重症なので、60回は我ながらすごいと思いました。
血中酸素濃度は、56となっていました。Webで調べると90を下回ると命の危険があるようでしたが?
まあいずれ、睡眠中にいつ死んでもおかしくない状況みたいでした。
もはや選択の余地なく、鼻の手術を4月に受けることになりました。
鼻の手術も現在はだいぶ進化して、昔の歯茎から切開ではなく、内視鏡で行うということで少しほっとしました。
で、あっという間に手術を受ける日がやってまいりました。
雄勝中央病院で手術を受けた感想やらをを下記にまとめます。
【1日目】
いびきがひどく、過去に他人に迷惑をかけたことが、結構トラウマになっているので、病室は贅沢にも個室にしました。
でも差額が3240円と都会にくらべ、安いと思います。
AM9時に入院し、囚人のようなパジャマに着替えたら、もうすでに軟禁状態です。
めしはまずいです。味がしません。(あとで高血圧用のほとんど味がない食事だったことが判明)
すかさず、院内のローソンにふりかけを買いに走りました。
【2日目】
手術の日です。
もう覚悟は決まってますので、じたばたすることもなく11時ころ点滴をされたまま、車椅子で手術室へ移動。
手術着に着替えてキャップをかぶり、手術台に登ります。時間は11時半。
回りには5,6人の医師やら看護師がいて、なんかテレビで見たような光景だなどと思いました。
麻酔薬入れますよー。と言われてとうとう始まるんだなと思いつつ、次の瞬間目が覚めていました。
時計は16時すぎくらいを指してました。
全身麻酔って初めてですが、まさにタイムトラベルという感じでした。
最初の感想は、背中痛いでした。まったく寝返りもしてないんですね。
心配した鼻の痛みはほとんどなかったのですが、血が出てきて鼻に詰めた綿球を30分毎に看護師を呼んで取り替えてもらっていたのですが、いちいち呼ぶがめんどくさくなって自分で取り換えるようにしました。
その晩はほとんど寝られなかったです。
【3日目】
朝から食事が出ました。
でも両方の鼻が完全に詰まっていると、本当に食いずらいです。しかもまずいめしが更にまずく感じられます。
特に食べ物を飲み込む時に息ができず、今までも鼻の通りが悪かったとは言え、少しでも通っていると違うんですね。
相変わらず、血が出るので鼻に詰めた綿球を30分毎に交換してました。
医師の診察では、のどに血が落ちてないか?気にしてましたが、私はのどに血が溜まることはなく楽でした。
以前、親不知を抜いたとき、寝ている時に血が喉に溜まって固形化し、本当に窒息しかかったことがありますので、それを心配しているのだなと思いました。
【4日目】
鼻から出る血がだいぶおさまってきて、だいたい1時間に一回の綿球交換でよくなりました。
今日の診察で、鼻の奥から6cmはあろうかというバナナ状の詰め物を取り出しました。
Webでは、ガーゼを筒状にしたものという記述が多数あり、それを取り出す時激痛で気を失いそうになるというのがありましたが、それほどの痛みはありませんでした。
まあそれでも痛いことは痛かったんですが。
ちらっと見た感じ、どうも材質がシリコンっぽい感じでした。
それを抜いて息を吸った瞬間、鼻からビューっと風が入ってきて・・・ 感動しました。
【5日目以降】
午前中に鼻の中のカサブタを取ってもらうと後は自由時間です。というか鼻以外健康なのですが、なにぶんにも居場所がベットの上なので食っちゃ寝の堕落した人生を過ごしました。
鼻の中のカサブタが出来ると、鼻の通りが少し悪くなるのですが、かなり快適です。
毎日、医師に鼻の中のカサブタを取ってもらうときは、しばらくガーゼで20分くらい鼻の中をしめらせて剥がしやすくするのですが、これは結構痛かったです。
【11日目退院】
午前中にそそくさと退院しました。
まずに一番最初の行動は、タバコを吸いました。
11日間の禁煙生活だったので、頭がクラクラしましたね。
11日間禁煙したのなら、そのままやめれば良いのにと家族に怒られましたが、やっぱり吸いたかったので迷わず吸いました。
やめようかなとも思いましたが、反対にストレスが溜まりそうだったので。
まあでも本数は減らすことにしました。
【退院後約3週間】
抜糸してカサブタも出なくなり、鼻の通りは素晴らしいものです。
いびきは喉が原因の場合があるため、気になるいびきが無くなるのか?非常に気がかりだったのですが、妻の感想は、
いびきをかく時はあるが、音量は1/3で、息は止まらなくなったそうです。
時々、全然いびきをかかないので、生きているか心配になるとのことでした。
当然、朝の目覚めは快適そのものですし、会社での眠気は解消されました。
おまけに今までは、8時間寝ても寝不足を感じ身体の疲れもとれなかったのが、今は6時間の睡眠でも満足感があり身体の疲れもだいぶとれるようになってきました。
また集中力が格段に上がりましたし、会議も眠くないですね。
高血圧は薬を飲んでいて薬が効いているのかもしれませんが、だんだん下がってきました。
【手術費用など】
請求書の金額は、545,880円で当然、高額療養費制度を活用して自己負担額は119,630円でした。
個室差額が27,000円でしたので通常であれば10万円以下の自己負担額でしょう。
それと生命保険が適用可能な手術ですので、保険に入っていれば、実際の支払額を抑えることは可能です。
【その他】
Webでは、手術時間は30分~1時間が多数のようでしたが、私の場合は2時間20分程度と結構長い時間かかりました。
あとで手術で取り除いた自分の鼻の軟骨を見せてもらいましたが、細かい破片が数十片ありました。
細かい破片の数からしてずいぶん丁寧に手術してもらえたんじゃないかなと思えます。
私が入院した雄勝中央病院ですが、耳鼻科での手術はあまり行われていないようでした。
耳鼻科にかかって入院している患者は私ひとりしか、私の入院期間11日間の中ではいないようでしたので、都会と違い時間に追われるような手術はしていない可能性は高そうです。
田舎の病院の特権ですね。
また雄勝中央病院は総合病院ですので、設備も医師も揃っていて何かと安心でした。
【まとめ】
もっと早く手術すれば良かった。生まれ変わったみたいと言う声が、手術した人の多くの意見として寄せられていましたが、私も全く同感です。
たとえが変ですが、鼻が詰まっているということは、車で言えばエアフィルターが詰まっていると同じで、エンジン(心臓)に充分な酸素が供給されていないためエンジン(心臓や脳)の能力が発揮できないことと全く同じであると思います。
人間も劣化してきますので、オーバーホールは必要ですね(笑)
それと若いころは睡眠不足でも体力があってごまかしが効くんですが、年を取るとボディブローのようにダメージが増えてきます。
実際に睡眠時無呼吸症候群により居眠り運転事故は中高年に多いというデータもあるようです。
最後に睡眠時無呼吸症候群というのは、居眠りなど負の部分の言い訳としか取られず、なかなか周囲の理解が得られない病気です。
当の本人ですらその状況に慣れてしまっていて、病院の敷居をまたぐまで時間がかかりましたが、私のように劇的に改善されることもありますので、気になる人はとりあえず耳鼻科に行くことをお奨めします。
ちなみに雄勝中央病院では毎週1日だけ、イビキ外来というイビキ専門の診断もあります。
この記事によって1人でも多くの患者が救われると良いですね。
2015年2月 追記
この記事のアクセス数が私のブログのベストになりました。
手術してから9ヵ月以上経ちましたが鼻は快適の一言です。
鼻から深呼吸をするたびに、手術して良かったと思います。
それと朝起きたとき、前はぜいぜい言っていましたが、手術後は良く眠ったなあ。という感じです。