2012年05月13日
速度振幅を大きくせずに、HSI100%と滑空を行い、エンジン始動回数をなるべく増やさない・・・
ということは、HSI100%出力でも加速が少なく、また滑空しても減速が少なくなるような運転をすればよいわけです。
それは、道の起伏を積極的に利用し、上り区間でアクセルオン(HSI100%)、下り区間で滑空する運転です。もちろん、上り区間でも速度が出すぎるようならアクセルオフし、滑空状態は可能な限り継続します。
このようなパターンにすると、結果的に等速に近い運転ができるので、車の流れに乗りやすい運転ができます。ポイントは、道の起伏をよく読んで、アクセルワークが遅れないようにすることです。速度が低下・増加してから上り・下りであることに気付くのではタイミングが合わず、ギクシャクした運転になってしまいます。
また、起伏に合わせて「等速」にするならクルコンを利用すればよいと思いがちですが、HSI100%とHSI0%のオン・オフ走行するのがTNPのコツなので、中間出力も使用するクルコンまかせでは上手なマニュアルアクセルコントロールよりも燃費が悪くなります。
ただし、よく利用する道路では、クルコンを使用したときのHSIの動きを参考にして、気付きにくいわずかな道の起伏を知り、アクセルタイミングを調節すれば、クルコンをTNPに役立てることができます。
一方、エンジン始動を少なくする方法として、加速後にアクセルをゆっくり戻し、エンジンをオンのままにキープすることも有効です。
THSの制御では、HSIが“ECO”を越えるとすぐにエンジン始動しますが、アクセルをゆっくり戻すとHSIが“ECO”の下あたりまでエンジンが回ったままになります。もし、加速後にアクセルを一旦戻す必要があるものの、すぐに再加速する、あるいは速度を落としたくない状況ならば、アクセルをゆっくり戻してエンジンを回したまま(HSI50%以下でもEVランプが点かない状態)にしておきます。速度を上げたいときに、そこからアクセルを踏んで再加速すれば、エンジン始動回数を増やさずに済みます。
なお、アクセルを戻しすぎるとエンジンが止まりモーター駆動になってしまいますが、モーター駆動を継続しないことがTNPのポイントです。意図に反してEVランプが点いてしまった場合は、潔く(?)アクセルをさらに戻して滑空するのが賢明です。
残念ながら、HSIを見ていても、どこでエンジンオフになる(EVランプが点く)のか一概に判断できないため、どの程度アクセルを戻すかは経験的に体得するしかなさそうです。
さて、ここまでは、起伏の緩いほぼ平坦な道を前提に話を進めてきましたが、私の自宅周辺のようにきつい坂道の多い道路ではどのような運転がTNPになるのでしょうか? (続く)
Posted at 2012/05/13 00:20:24 | |
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机上の空論 | クルマ
2012年05月06日
HDNポイントの獲得率を高める運転方法を考えています。ポイントは1km区間毎に計算されるので、1kmをどのように走ればよいか、目標ポイント別のパターンを見つけたいと思います。
なお、厳密に計算することもできますが、実際にはその結果どおりに運転できるわけではないので、大体の目安となるレベルで考えていきます。
まず、5pt/kmを目指す運転方法です(ECOモードを前提にしています)。
ポイント計算方法に従えば1km区間での平均が4.5点以上になればよいので、走行距離を逆算すると、思いつくのは以下の単純な3パターンです。
① 1000m をすべてHSI50%以下(ハイブリッドエコエリア)で走る
② 250mをHSI50%-100%で、残りをHSI50%以下で走る
③ 100mをHSI100%以上(POWERエリア)で、残りをHSI50%以下で走る
では、それぞれのパターンの具体的な走り方を50km/h程度の速度で走行するものとして説明します。
パターン①
発進加速や坂道の上りをHSI50%以下だけで済ますのは無理なので、平坦な道での定常走行の時だけに適用できるパターンです。大幅な加速を行わないように注意して、ほぼ等速で走ればよいのですが、バッテリーの消耗が激しいのでTNPとの両立はできません。
パターン②
(ケース1) 平坦な道を定常走行する場合
HSI50%以上で走るのは、速度が45km/hに落ちたときに50km/hまで加速する場合を想定しています。
HSI100%(出力一定)で45km/hから50km/hへ加速するときの走行距離は約35mです。HSI100%の加速で走れる合計距離は250mですから、250÷35 = 7.1より7回まで加速することができます。加速を等間隔で行うものとすれば、(1000-250)÷ 7 = 107mを走る毎に加速を行うわけですが、目安として電柱4本毎に加速すると考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
また、45km/h~50km/hで107mを走るのに約8秒かかり、HSI100%で45km/hから50km/hへ加速するのに3秒弱かかりますから、時間の目安としては8秒間走って2秒間加速と考えればよいでしょう。
(ケース2) 発進加速を伴う場合
停止状態から50km/hまでHSI100%で加速すると約130m走ります。したがって、発進加速後の定常走行中は250-130 = 120mしか再加速に使えません。45km/hから50km/hへの加速可能回数は、120÷35 = 3.4回ですが、確実に5ptを獲得するには3回までに抑えるべきでしょう。距離でみると、少なくとも(1000-250)÷ 3.4 = 220m走るまでは加速を控えなければなりません。(続く)
Posted at 2012/05/06 10:03:54 | |
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机上の空論 | クルマ
2012年04月28日
今回は、定常走行時の燃費を改善する運転方法について考えます。
CTの取扱説明書には、「通常走行(ガソリンエンジンと電気モーターによる走行)において、最も燃費がよくなるように制御されています。」という記述はあります。ただし、HSIのどのあたりが最も燃費の良いポイントかは示されていません。
エンジンの燃焼効率が最大になるのはECOエリア上限近く(HSI100%付近)だと推測しますが、定常走行でこの出力をキープするとどんどん加速してしまいます。平坦な道を50km/hで走るにはHSI50%以下で十分です。
この出力差をカバーするのがハイブリッドの特長であり、エンジン効率の悪い低出力域をモーター駆動することで燃費の向上を図っているわけですね。HSI50%以下のハイブリッドエコエリアでは、モーター駆動のみのため燃料を消費しないので、MDIの瞬間燃費が30km/Lオーバーを示します。
それならば、モーターのみで走り続けると低燃費になりそうですが、使った電力はその分をエンジンで発電しバッテリーに充電しなければならないことを忘れてはいけません。前にも書いたようにバッテリー(EV)走行は、充電するときの燃料消費を考えるとエンジン駆動より効率が悪くなります。
したがって、最も燃費が良い走行方法は、ハイブリッドシステムであってもバッテリーを使わず、エンジン効率のよい出力域のみを使うことです。また、一度得た運動(走行)エネルギーは無駄なく使いきり、回生を行わないこともポイントです。
なお、「ハイブリッド車は、なるべくエンジンを使わずにモーターだけで走るようにするのがTNPのコツだ」という意味のアドバイスを見かけますが、これは正しくありません。
例えば、HSI100%で制限速度までエンジンで加速し、HSI0%で“滑空”する。速度が落ちてきたら、再びHSI100%で加速し、HSI0%で滑空する。これを繰り返し、バッテリー/モーターは使わない。いわゆる「速度振幅走行」が理想的なTNP運転だということは理論的に明らかです。
しかし、「速度振幅」の度にエンジン始動が必要な点に注意しなければいけません。エンジン始動は、エンジンのクランキングに必要な電力と初爆用の燃料を余計に消費するので、燃費悪化の大きな要因です。
そのため、速度の振幅が小さく、頻繁にエンジンのオン・オフを繰り返すような運転では燃費が伸びません。燃費を悪化させないためにエンジン始動をなるべく少なくするには、速度振幅を大きくする必要があります。
極端なケースを考えてみると、発進後HSI100%で加速し、所定の速度に達した後は滑空。速度が25km/h程度(加速にモーターを使用しない下限速度)になったらHSI100%で再加速。この繰り返しが究極のTNP運転になります。
とはいうものの、実際にそんな極端な運転はできませんし、車の流れに乗ろうとすると速度振幅を大きくするのも難しい場合が多いので、エンジン始動回数をなるべく増やさずにHSI100%と滑空を繰り返す方法を考えてみます。(続く)
Posted at 2012/04/28 18:27:34 | |
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机上の空論 | クルマ
2012年04月21日
発進加速の結論は出たので、定常走行における燃費について考えることにします。
まず、現状の定常走行燃費はどのくらいでしょうか?
MyCTの場合、東京-神戸間の高速道路で80km/h(メーター読み)定常走行時の平均燃費は27km/L程度なのですが、50km/h定常走行での燃費は計測したことがありません。また、あいにく実際に計測できそうな道路が近くにありません。
そこで、走行抵抗曲線から推定してみます。残念ながらCTの走行性能曲線がわからないので、手元にあるマークIIのグラフを参考にすると、50km/hの走行抵抗は80km/hの65%程度です。走行抵抗が少ない分だけ燃料消費が少なくなると考えれば、推定燃費は27km/L÷65%=42km/Lとなります。
ちなみに、50km/h定常走行でこの燃費が稼げた場合の一般道路における平均燃費を計算してみましょう。
その前に、ここで燃費計算式のおさらいです。1000mの区間を、燃費10km/Lで500m、30km/Lで500m走りました。平均燃費はいくらでしょう?
10km/Lと30km/Lの平均で20km/L・・・ではありません。
燃費Akm/LでXm、Bkm/LでYm走った場合の平均燃費Mは
M = A * B * (X + Y) / (A * Y + B * X) ・・・式1
で求めることができます。
この式にそれぞれの数値を代入すると、
M = 10 x 30 x (500 + 500) / (10 x 500 + 30 x 500) = 15km/L となります。
では、話を戻しましょう。自宅周辺の普段走る道路では信号が多く、発進・停止の間隔が平均すると500mにも満たないのですが、例として500m区間を走行した場合を計算してみます。
発進時HSI125%では瞬間燃費4km/Lでした。また、50km/hに達するまでに約60mの走行距離が必要ですから、定常走行時の燃費42km/Lで走る距離を440mとして、式1に代入してみましょう。
M = 4 x 42 x (60 + 440) / (4 x 440 + 42 x 60) = 20km/L
普段走っているときによくある値になりました。では、交通量の少ない郊外を想定し、発進・停止の区間が1kmまで延びたら燃費はどうなるでしょうか?
M = 4 x 42 x (60 + 940) / (4 x 940 + 42 x 60) = 27km/L
おー、ぐっとよくなりました。道路条件がよければ、JC08モードの燃費くらいにはできるということですね。
しかし、HDNの燃費ランキングで30km/L以上を記録している方もいるのですから、うまく走れば定常走行燃費はもっとよくなるのでは?という疑問が残ります。定常走行時の燃費をさらに改善するにはどうすればよいのでしょうか?(続く)
Posted at 2012/04/21 12:15:33 | |
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机上の空論 | クルマ
2012年03月24日
バッテリーの電力で走る場合は、エンジン→発電→充電→放電→モーターというエネルギーの流れになり、それぞれの矢印部分でロスが生じています。公表されている情報から総合的に判断すると、各矢印部分での効率が95%程度のようなので、全体効率は0.95^4 = 0 .81になると仮定します。
つまり、エンジン出力はバッテリー電力に変換されてしまうと、走行駆動力に直接使用する場合に比べて80%程度しか有効となりません。言い換えれば、同じ走行距離に対し、モーター駆動では約20%も多くの燃料を消費する計算になります。
これは、取扱説明書に「EVドライブモードを多用すると、燃費が悪くなることがあります。」と書かれていることを見ても明らかですね。
ところで、HSI125%におけるモーターアシストはどの程度なのでしょうか?
CTのスペックでは、最高総合出力が100kW、エンジンのみの最高出力が73kWとなっています。最高総合出力がエンジンの最高出力発生時に得られるとすれば、そのときのバッテリー電力によるモーターアシストは100-73 = 27kWです。
モーターアシスト比率をHSI150%(POWERエリア上限)で27/73、HSI100%で0、その間ではHSIに比例するものとすると、HSI125%におけるモーターアシストは13.5/73=18%になります。これがどの程度の燃料消費に相当するのか計算してみます。
モーターアシストがエンジン出力の18%に相当し、かつ効率は80%ですから、燃料消費はエンジンが消費した量の18/80 = 23%に相当します。したがって、HSI125%の出力をモーターアシストなしでエンジンのみが発生した場合は、23%だけ余計に燃料を消費することになります。
そうすると、HSI125%での69km/Lという計測値は、実質的に69/123%=56km/Lということです。HSI100%の60km/Lより悪くなってしまいましたが、計測誤差も考慮すれば、ほとんど差のないレベルでしょう。
結局、発進加速は、燃費だけを考えるならHSI100%~HSI125%の範囲でもそれほど差がないので、交通状況によって必要な場合は無理にHSI100%以下に抑えなくてもよいといえそうです。
さて、発進加速の次は、所定の速度に達してからの定常走行について考えてみましょう。(続く)
Posted at 2012/03/24 14:22:41 | |
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