2012年03月04日
て~お~さんのブログ(TNP基礎講座)をはじめ、いろいろな方の提供している情報を参考にTNP走法を試みてきましたが、これまでの燃費は最高でも28km/L程度(月間平均)かつHDN20位台が精一杯という状況です。普段走る道の条件でこれ以上は無理だろうとは思うのですが、技術屋としての悪あがきで、今の走り方に問題や改善の余地がないのか理論的に考えてみることにしました。もちろん、詳しくて正確な技術データが揃っているわけではありませんから、大体こんなもんだろうという程度の話です。
話を簡単にするために、一般的な道路での走行パターンを「発進加速」+「定常(ほぼ等速)走行」という形で考えてみます。
まずは、発進加速です。
MyCTの発進加速は、通常、HSI100%(ECOゾーンを100%とした場合)以下でPOWERエリアに入らないようにしていますが、約14秒でメーター読み50km/hに達します。
一方、最近は「ふんわりアクセルeスタート」のフレーズで低燃費運転が推奨されています。(財)省エネルギーセンター(ECCJ)の調査結果では、5秒間で20km/hになる程度の緩やかな発進に変えると、燃費が10%~11%改善するとのことです。しかし、どんな調査か詳しく公表されていませんし、一律に燃費が10%向上するとしている点も技術的根拠が無く、インチキくさい話に思えます。
この発進加速方法では、20km/hまでが5秒間なので、加速度一定と仮定すると50km/hになるのは発進から12.5秒後になる計算です。実際には速度が上がるにつれ加速度が低下するのでもう少し時間がかかるはずですから、MyCTでHSI100%の加速とほぼ同等でしょう。このレベルの発進加速では、ややまどろっこしく感じるときもありますし、交通量の多い場所では後続車の「早く行けよ~」という声が聞こえてきそうです。
これに対し、CTのTNP運転方法として、発進時にHSI100%以上(POWERエリアを100%-150%とした場合)の強めの加速をしても燃費は変らない、それどころか燃費が良くなるという経験談をよく目にします。これは本当でしょうか?
それを議論する前に、CTのパワートレイン制御(THS-II)における燃費特性をみておきたいと思います。
普通のエンジンでは、燃料消費率が最も低くなる(燃費が良くなる)エンジン回転数領域は最大トルクを発生する回転数付近になっているので、回転数が低過ぎても高過ぎても燃費の良い領域から外れてしまいます。
そこでTHSでは、アトキンソンサイクル・VVT-i・大量EGRなどさまざまな技術・制御を採用することで回転数全域に亘り燃費を改善しつつ、モーターでアシストすることにより低回転でもエンジンを高負荷にキープし、燃費の良い領域を拡大していますね。
しかし、それも限度のある話なので、あるレベルより低負荷・低回転の領域では、エンジンよりもモーターだけで駆動する方が効率は良くなります。EVランプの点灯するHSI50%(ECOマーク)以下がその範囲に相当しているはずです。
恐らく、HSIのECOマーク付近がモーター駆動とエンジン駆動の効率が等しく、ECOエリア上限近く(HSI90%~100%)がエンジン効率最大、そしてPOWERエリアは、バッテリーからの電力も加勢して、その名の通りさらに出力は出るものの効率が若干低下する領域になっているのだろうと推測しています。
さらに、取扱説明書に「インジケーターの針をエコエリアに保つことで、エコ運転が可能です。」と書いてあるので、発進加速時のパワーはHSI100%以下を目標にしていたのですが、HSI100%以上で燃費がどの程度変わるのかは確認したことがありませんでした。
そこで、百聞は一見にしかず、実際に試してみることにしました。(続く)
Posted at 2012/03/04 00:38:46 | |
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