これは、シャランに別れを告げるアスカルが、車高調からノーマルサスへ戻す過程を記録したものです。
正直、取り付けの時に面倒だったし、ノーマル戻しはあまり予定してませんでした。
ただ、フロント車高調(めいっぱい車高アップ)、リアノーマルサスでシャランの査定を受けていて、引き渡し時にどうしよっかなと思い電話で聞いてみると「そのままでフロントだけノーマルパーツを付けてもらってもいいし、前後ノーマル状態でもいいですよ」とのお返事。車高調だからって査定アップしている訳じゃないそうなので、次のオーナーさんが前後揃ったサスペンションで楽しんでもらえたらと思いフロントのノーマル戻しをする気になりました。
ただ、ノーマルから車高調を入れるのにフロント2日、リア1日を要した苦い記憶があるので、仕事と天候を擦り合わせ、年末休暇に有給を組み合わせてDIY作業を敢行しました。
また、前回の作業教訓を生かすべく、こんな助っ人を入手します。
ワイパーアームプーラーさんです。
これがあれば、ワイパーも外せて、サス上にある3本のボルトが劇的に抜きやすくなるはず。
スプリングコンプレッサー君です。
前から持っているタイプは4本爪で、締めこんでいくと上にボルトが伸びてしまい、シャランのタイヤハウス形状では使い物になりませんでした。
こいつは、下側にボルトが伸びているので、締めてもサスペンションとコンプレッサー上端位置が変わりません。
今回はこれでドライブシャフトボルトを抜かずに作業できるはず・・・
そんな事を思い、作業にかかった日は2018年も終わろうとする12月28日。
全国的に寒波襲来に気を付けるよう、ニュースになっていた日です。
アスカルの家もこんな不安な空模様。
作業中は雪にみぞれ、アラレも降る、青空DIY作業には最悪のコンディションでした。
まずは右フロントから作業を始めます。
タイヤを外して車高調とご対面。
スタビリンクロッドを外します。
こいつは18サイズのナットでとまってます。
右前サス交換で最高に時間がかかった作業です。
サスペンションの全長を縮めるため、車高を最短状態にロアシート部をフックレンチで回し続けます。
ラチェット式のフックレンチが欲しいと本気で思いました。(たぶんそんなん無いけど)
ロアシートを最下端まで下げたら、ロアアームとサスペンションを外すべく、ボルトを緩めます。
こいつも60か65サイズのトルクスと18サイズのナットで止まってます。
合うサイズのトルクスが行方不明になってしまったので、9.5spのラチェット延長バーで代用しました。
サスペンションが抜けると、アームが下がって今うので、フロアジャッキで受けておきます。
お次は上側の作業です。
ワイパー付け根のカバーを外して、16サイズのナットを外します。
ほんでもって、このプーラーでグリグリ回してやると・・・バキンんって割れる音と共に、ワイパーアームが外れてくれます。
マジで壊したと思い焦りました。
ワイパー外したら、楽勝で作業できるかと思いきや、意外に作業スペースが確保できません。
結局、前回同様に遮熱材と鉄板も外して作業する羽目になりました。
前よりは断然作業しやすいですが、手が薄い人だと変わらないかもしれません。
サスペンションを止めている3本のボルトのうち2本を外して1本は緩めただけで置いておきます。
前回は、この状態でサスペンションとアーム部が分離してくれず、ドライブシャフトを抜いて下から突き上げたりしましたが、今回は・・・
やっぱり外れてくれません。
車高調を最短モードにしても、アッパーマウントがボディに当たって抜けません。
取り出し後の写真ですが、こんな感じでスプリングコンプレッサーでバネを縮めて、アッパーマウントはタイラップで縮めて取り出しました。
簡単に書いてますが、実際はハンマーでどつき回したり、マイナスドライバーとセットでシバき回したりといった荒作業は必要でしたけど。
ここまで作業して、約2時間です。
10時頃から作業を始めたので、お昼のはずですが、子供を塾に送っていたっり、昼食に連れて行ったりと集中して作業できず、この時点で16時過ぎ。
残念ながら作業は翌日に続きます。
二日目も、寒い朝を迎えます。
昨日同様、塾の送迎や買い出しといったイベントの合間に作業をするので、効率よく進めたいところです。
昨日は車高調の取り出しで時間切れになりました。
今日はノーマルサスの取り付けからです。
まずは車高調に流用していたアッパーマウントを戻します。
車高調から外して、
ノーマルサスへ付けます。
この時、ノーマルサスのバネを縮めておかないと、アッパーマウントも付きません。
スプリングコンプレッサーの位置は、サスペンションを外す際に車体に干渉しない位置を覚えておいて、付けた方がいいです。
また、サスペンション自体は左右で同形状なので、気にしなくてもよさそうです。
スプリングを縮めて、アッパーマウントもタイラップで下げた状態で位置合わせをして、上端のボルトを仮止めした状態でアーム部を下からジャッキで押してやれば、合体するはず・・・なんですが、
こんな感じで入りません。
本来はコーションラベルの下側にアーム上端が来るはずなんです。
なぜだろう・・・30分くらいは試行錯誤しましたが、答えは写真に。
アーム裏側のボルトが付いてますよね。
昨日の作業で外したんですが、付け忘れ防止の為に差し戻したのをすっかり忘れていました。
サスペンションケースにアームのスリットを通して位置合わせをする羽みたいな部分があるんですが、このボルトが付いていると干渉して付かないみたいです。
ボルトを外すと、あっさり合体して所定の位置に収まりました。
作業後の右サスです。
こんな感じで、収まってると思います。
車高は、こんな感じです。
車高調を上げてたんで、あまり変わらないですね。
続いて左の作業を。
作業前の車高は、これくらい。
左にはライトレベライザーのロッドがあるので、作業前に外しておきましょう。
緑に見えるのが、ロッドです。
これは下のリンクを外した状態ですね。
スタビリンクロッドを外し、車高調を下げてと作業は右と同じです。
ワイパー部は、外さなくても手を突っ込めます。
30分ほどで、車高調は外れました。
アッパーマウントを移植して作業を進めますが、この時点で痛いミスをしています。
2日目は、こんな感じで作業完了。
昨日同様に2時間程度の作業で脱着終了です。
さて、試走すると左前からギシギシと音が聞こえます。
アッパーマウントのベアリングにダストがいっぱい噛んでたんで、グリスアップしたんですが、それでも足りなかったのかな・・・と3日目に調べてみました。
こんな感じで覗き込んでみると・・・
スプリングとアッパーシートの位置がずれてます。
これが音の原因か・・・
スプリングコンプレッサで縮めても元位置に入りません。
何かおかしいぞ。
もう一度ノーマルサスを外して、組付けを見直すことにしますが・・・
今度はロアアームが外れません。
結局、この作業が出てきます。
ロアアーム止めてるナットを外して、
24mmの12角ソケットを使って
延長パイプと気合でドライブシャフトを抜きますが、ボルトを抜いても前回のように簡単に分離してくれません。
結局、正攻法でサスペンションを縮めてタイラップ2重巻でアッパーマウントを下げた状態で摘出しました。
チェックした結果、原因はこれです。
スプリングの緑とサスペションケースの緑が合いマークなんですが、スプリングを上下反対に組み付けていました。
元通りに組付けなおすと、異音もなくなり快調です。
最後に車高調とノーマルサスの違いについてレビューめいたものを。
走行性能はノーマルサスの方が上だと思います。
特に高速走行時の安心感は、ノーマルの方がシッカリしていました。
ただ、4万km程度走行したノーマルサスより、車高調の方が乗り心地は良かったです。
パサート用流用なので、バネレート等の違いによるものかもしれませんが。
車高調は見た目のみの選択ですが、シャランは下げると燃料タンクを擦るので冷や冷やしてました。
もしシャランのサスペンション交換をDIYでするなら、フロアジャッキ3台(かウマ2組とジャッキ2台)、18mmや13mm、22mmのメガネとラチェット、8時間のヒマな時間が要ると思います。
作業者の参考になれば、情報を活用してください。(役に立たないかもしれませんけど)