
お待たせしました、9日ぶりのブログです。
前回の「Acropolis Rallyの思い出」ラリー車製作編に続き、
今回はラリー・サポート編をお伝えします。
サポートとは日本国内から始まります。
1.日本国内での準備、搬出作業
海外現地で、ホワイトボディ状態からラリー車を作製出来る位の備品、工具、部品類の収集です。
・備品収集
(牽引ロープ、タイラップ、針金、燃料携行缶、電燈類、乾電池、水タンク、バンド類、バケツ、スポンジ、セーム皮、救急箱、軍手、カッター類、テープ類、油脂類、接着剤、ミネラルウォーター、ウエス、ワイヤ類、ゴーグル、三角標識…etc)
・工具収集
(エアツール類、ジャッキ、リジッドラック、トルクレンチ、特殊工具類、クロスリムレンチ、半田ごて、オイルシリンジ、金鋸、ポンチ、電動ドリル、テスター、タイミングライト、部品箱、メジャー&ゲージ類、工具一式、…etc)
・サブアッセンブリー
(Engine、Transmission、Final drive、Rear Axle ASSY、Front strut ASSY、電装類、Suspension link ASSY、…etc)
・単品部品収集
(車のスペアパーツ、Bolt & Nut、電装配線各種、…etc)
2.ギリシャでのラリー・サポート
2.1.準備編
①.日本からの送付品、ラリー車の確認。
②.ラリーレッキ(練習)車の整備。
昨年ラリー本番車、または他ラリー転送車を使用する。
③.ラリー交換部品の馴らし運転。(昨年ラリー本番車で実施)
Transmission;3~5基
Rear Axle ASSY;6~10基
各ユニット交換時に現地協力メカニックの訓練実施。
④.ラリーレッキ(練習)車のサポート。
⑤.本番ラリールート調査。
⑥.本番ラリー車テスト。
タイヤ、サスペンション、エンジン、Fog & Spot Lamp光軸調整、他。
⑦.ラリーレッキ情報を基に本番ラリー・サービス計画、スペシャル・ガソリン供給分配計画、
タンクローリー車を各地点で待機、サービスカー運行計画作成。
⑧.サスペンションテスト結果を基に、交換用サスペンションのアッセンブリー化。
各ドライバーの好みでStrut(Shock ABS)減衰力、Springバネレートが異なる。
選定に漏れた部品は緊急用スペアとしてアッセンブリー化。
⑨.サービス計画に基づき、サービスカー別に搭載部品、備品、工具等の分配。
2.2.主交換部品の荷姿、交換方法&時間
①.Rear Axle ASSY 交換時間;8分(ブレーキエア抜き作業含む)
交換用部品荷姿
Rear Axle CaceにFinal Drive、Axle Shaft & Hub ASSY、Brake Rotor & Caliper、Lower Link
Brake tube & Hose付き状態で準備。ブレーキラインは馴らし時にオイル充填済み。
交換方法
Final Drive FlangeのBolt & Nutを外す。Brake Hose車体側連結部を外し盲栓取付け。
Propeller Shaftは脱落防止ワイヤがあるので地面に接触しない。
Rear SUSP Uper Linkは車体側は残し、Rear Axle側のBolt & Nutを外す。
Lower Linkは車体側のBolt & Nutを外す。Shock ABS下側のBolt & Nutを外す。
交換用Rear Axle ASSYを組込む。
Brake Hose連結時少しのエア混入なので、各車輪側のエア抜き作業はポンピング2~3回でOK
②.Transmission 交換時間;13分
交換用部品荷姿
Breather Hose約1m付き、後端フランジ止め式の為、単品でのオイル漏れは無い。
INSUL-ENG MTG Rear付き。
交換方法
Propeller Shaft FlangeのBolt & Nutを外す。Member-ENG MTG Rearを外す。
Engineとの接続Boltを外す。Breather Hoseクランプを外す(エンジンルーム側)。
交換用Transmissionを組込む。
③.FR Strut ASSY交換時間;5分
交換用部品荷姿
FR Strut & Spring(ドライバー別にマーキング)、スプリングシート高は調整済み。
Upper MTG付き(取付け用18個穴有り、マウントは偏心キャンバー、キャスター可変式)
Hub & Brake Rotor付き。
交換方法
Brake Caliperを外す(車体側のキャリパーフックで脱落防止)。
StrutとKnuckle Arm取付けBoltを外す。車体側Strut Upper MTG Boltを外す。
車体側Strut Tower上部にアライメント適正位置マーキング済み。
交換用FR Strut ASSYを組込む。
Strut下取付け部はガタがあるので、Knucle Armをトーイン方向に押してBoltを締める。
これは全てのメカニックに統一した作業方法である。車高が変わらなければトーイン調整は不要。
時間と平坦路がある場合はトーイン目視確認実施。(後輪との位置関係を見る訓練で精度向上)
スペシャルステージ毎にTire交換&締付けトルク確認。
燃料はIn Tank量で確認給油(透明ビニルホース・レベルゲージ有り)
3.サービスカー内容
1985年Acropolis Rally実施分の紹介
ワークスNISSAN 240RSで3台エントリー。時間がある時は現地NISSAN 240RS 1台もサポート。
(1984年まではラリー総走行距離が長く、それなりにサービスカー台数も多かった。)
・サービスカー全車に無線機搭載(ラリー車も勿論です)
・サービスカー表示ステッカー貼付
・サービス計画に基づき、部品、備品、工具搭載。
①.一般サービスカー8台(キャラバン・バン)
1台あたり現地協力メカニック3名乗車。
②.メインメカニック・サービスカー4台(セドリック・バン)
1台あたり日本人1名と現地優秀メカニック1名乗車。
③.クイックサービスカー3台(ラリー練習車NISSAN 240RS)
1台あたり日本人1名と現地最優秀メカニック1名乗車
④.コントロールカー2台
1台は現地コントローラー2名乗車(ラリー練習車NISSAN 240RS)
1台は一般乗用車で私とDUNLOP技術員と現地ドライバーの3名乗車
⑤.タンクローリー1台(特殊燃料)
⑥.タイヤトラック1台
⑦.特別サービスカー1台
スペシャルステージのEnd、Beforeが近距離で重なる場所、一度入ると長時間移動できない。
サービスカー合計台数;20台
ラリーハーフでの作業時間は1時間近くあり、現地日産販売店での作業でサポーターも沢山いる。
車体、Engine以外の主要部品は全て交換です。洗車機もあるので綺麗になります。
ドライバー&ナビゲーターはミーティング、軽い飲食。
NISSAN 240RSの戦績は
4位(Shekhar Mehta組)、7位(Mike Kirkland組)
8位(George Moschous組)でマニュファクチャラ-ズ・チーム優勝獲得。
現地NISSAN 240RS(ストラティシーノ組)は10位入賞。
