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2012年07月10日 イイね!

世界ラリー選手権 『Greece・Acropolis Rally』の思い出③

世界ラリー選手権 『Greece・Acropolis Rally』の思い出③前回の「Acropolis Rallyの思い出」ラリー編に続き、今回はラリー車製作編をお伝えします。

ラリー車は前年度の反省点、国内テスト結果、他イベント結果の最新情報に基づき製作します。

本番ラリー車作りは担当制にしたほうが良い車が出来るということで、この時期の私はギリシャ担当でした。

1.NISSAN 240RSラリー車開発
PA10ラリー車の実績があったので、NISSAN 240RSラリー仕様車は早期にベースが完成しました。
(PA10と240RSは車体のフロア、サスペンション型式が同一)

そこでPA10ラリー車開発の話を少し述べます。

PA10生産車等から、日本の道路舗装率向上で大幅な軽量化、薄板化、耐久実験基準緩和→軟弱車体となり、ラリー車開発は大変な状況となった。
(KP710生産車までは車体が強く(鉄板が厚い)、溶接追加補強程度でラリー車が完成)

その後の生産車はタイヤ性能向上と軟弱車体の反省もあり、車体剛性(操安性向上)と軽量化の両立へと進行。

PA10ラリー車の開発初期は満足に走れませんでした。

①.特にリアが4 link SUSPということでBRKT-Link、Member破損、Rear Floor亀裂(長さ50cm~70cm級の亀裂も有り)、Rear Fenderのバックリング発生、Strut Tower亀裂等々です。

②.ラリー用車高アップでRear SUSP振動(ジダンダ、ワインドアップに似た振動)が発生しトラクションが掛からない。

その対策として
・一部のPanel板厚アップ品採用で特別にラリー用PA10生産車を生産ラインで製作。
・車高の違いにより、Rear Link Pivot位置を選択出来る様に2穴化。
・Rear LWR Link車体側(室内側)に三角補強Box追加。

PA10ラリー車実績;1981年世界ラリー選手権シリーズ総合第2位
1981年世界ラリー選手権 NISSAN PA10 総集編commercial film

PA10の経験内容をNISSAN 240RSの200台生産車に盛り込みました。
そしてラリー車は仕向地によりStrut Tower Panel 2枚合わせ、補強板、アルゴン追加溶接を追加。

2.本番ラリー仕様車製作
NISSAN 240RSベース車総分解→ホワイトボディ状態で補強溶接・Roll Bar組込み→サンダー掛け→
塗装→Harness組込み、Brake配管、燃料配管→各部品取付け

全車馴らし走行→長谷見&星野氏によるチェック走行実施→ギリシャ向け搬出

2.1.1985年Acropolis Rally仕様概要 (記憶が薄れてきているので間違いがあるかも…。)
TransmissionギアレシオはD仕様と称するものをAcropolis Rally仕様として私が設定。
以前はA、B、C仕様の3種を10数年使用、(A~C仕様は国内レースサーキット向けに設定していた)
その後のラリー車は全てD仕様を採用することとなる。

その他の仕様もギリシャ担当の私が決定。
・Transmission;F5D77A-D(Caseは71B用でギア軸間距離77mm、シンクロ無しドッグクラッチ、
フランジ継手、PROP SFTを外してもオイルは漏れない)
・Rear Axle Case;二重管補強、BRKT Link周辺補強、Hub BRGはテーパーローラー
・Final Drive;H190アルミハウジング、レシオ5.429、LSDイニシャルトルク6kgm(Safariは20kgm)
・FR & RR SUSP;Acropolis Rally専用Shock減衰力別タンク付、Springバネレート可変
・FR Strut UPR;キャンバー、キャスター可変式、ピロボールマウント
・Knucle Arm;トー変化特性、キャスタートレール変更
・Steering Gear;R & Pギア
・FR Hub Cace;アルミ合金(初採用)
・Tension Rod;前側ピロボール
・Transverse Link;長さ延長&補強品
・RR Link;片側ピロボール、片側ラバーブッシュ(ラバー高度アップ品)
・Brake Rotor;ベンチレーテッド、MTG Bell;アルミ合金
・Brake Caliper;ロッキード?(忘れた)
・前後ブレーキバランス調整;Reducinng Valve採用(油圧調整)
・Brake Hose;テフロン
・FRP部品薄肉品(FR & RR Bumper、Hood、Trunk Lid)
・FR Door WDW;窓スライド式(レギュレーター無し)
・ポリカーボネートWDW薄肉品(サイド、リア)
・FR WDW;合わせガラス
・Over Fender;柔軟性がある樹脂の薄肉品
・Roll Bar;高張力鋼管
・Engine;280ps、ドライサンプ、エアクリーナー無し(エアホーン金網付き)
・B & B製多板クラッチ
・PROP SFT;3ジョイント両端フランジ継手
・燃料タンク;60ℓ、L字型安全燃料タンク
・スペアタイヤ;1本積、一部で無し(軽量化)
・一部のスペシャルステージでレース用スリックタイヤ使用
・軽量バケットシート
・Roofベンチレーター付き
・無線機、インターコム、ラリーコンピューター、マップランプ、時計タグホイヤー、消火器
・Battery;小型品
・Alternater;高出力品
・Lamp;CIBIE製
・Harness;全てラリー専用品
・Road Wheel;ENKEI製
・Tire;日本DUNLOP
・油脂類;Castrol、SHELL、昭和石油

ラリー&レース車製作工場の写真(雑誌Racing on・2009年1月号抜粋)
時代はNISSAN 240RS前のPA10 & 910ラリー車、S110シルエットフォーミュラ・レース車


本番ラリーサポート編は次回に投稿予定です。
質問等があればコメントして下さい。
Posted at 2012/07/10 15:52:28 | コメント(2) | トラックバック(0) | レース・ラリーの思い出 | 日記
2012年07月04日 イイね!

世界ラリー選手権 『Greece・Acropolis Rally』の思い出②

世界ラリー選手権 『Greece・Acropolis Rally』の思い出②1週間のご無沙汰でした。

年を取ったし、お金もないので整備手帳ネタがないのです。
質問等があれば寄せてください、分かる範囲でお答えします。車種は問いません。悩み事でも結構ですよ。

前回の「Acropolis Rallyの思い出」裏話編に続き、今回はラリー編をお伝えします。

1.Acropolis Rallyについて
昔は総走行距離が3000km以上でした。過酷な路面なので完走車が少ない、サポートが大変等の理由で走行距離が年々減少、現在では1500km以下となっています。

路面は、岩路面、大きい石がごろごろ、地盤が固く、Suspension、Power trainへのダメージ大。
世界ラリー選手権のなかで最もハードであることは、昔も今も変わらない。

路面負荷はSaferi Rallyより遥かに大きい。(Saferiは長距離、ドライバー疲労でミスに繋がる、ペースノート内容が豪雨により変化等で車が壊れる。)

どの位ハードなのか?
80年代のAcropolis Rallyに於ける、Nissan 240RS、PA10ラリー車等のFinal driveの耐久性は、
スペシャルステージ合計走行距離250km以上でギアの歯欠けが発生します。

破断面は衝撃疲労破壊です。因みにSaferi Rallyでは2500km走行しても壊れない、Acropolis Rally
は10倍近い路面負荷なのです。

日産はKP710で第23回Acropolis Rally総合優勝、PA10、240RS等で5回のチーム優勝を獲得。
写真は第24回スタート時、第23回総合優勝なのでゼッケンは①番です。


これは私が受けたインタビュー記事です。





このコマーシャル・フィルムに少しですが私が出演しています。


2.Acropolis Rally仕様に関して
初期はSafari仕様で参戦していましたが、車重が約100kg違う(スペアタイヤ数、燃料タンク容量、特装品)ので、私がギリシャ担当となってから専用Suspension、専用Transmissionギアレシオに変更。

サポート体制に関しては次回アップロードします。
240RS管理人さん、次回まで待っててくださいね。


Posted at 2012/07/04 13:54:13 | コメント(3) | トラックバック(0) | レース・ラリーの思い出 | 日記
2012年06月28日 イイね!

世界ラリー選手権 『Greece・Acropolis Rally』の思い出①

世界ラリー選手権 『Greece・Acropolis Rally』の思い出①私は日産、ニスモを含め、世界ラリー選手権(WRC)出張は、Acropolis rally に始まり、Saferi Rally、Rac Rally等でした。
(のちにギリシャ担当となりAcropolis rallyは5回出張)

Monte Carlo Rallyも出張予定でしたが、出発2日前?位に湾岸戦争勃発、日産海外出張禁止令により中止となりました。

今回の内容は裏話です。

1.渡航関係(1980年代)

WRCの出張期間は、Acropolis Rallyが5週間前後、Safari Rallyが2~3ヶ月、RAC Rallyが約3週間。

70~80年代の飛行機はロシア上空(ソビエト連邦)を飛べないので、欧州行は南回り(香港、中近東経由り)、北回り(アラスカ経由)と呼ばれるルートがあり、ラリー出張は両方のルートを経験。

日産での渡航はビジネスクラスで、事前調整により預け荷物のオーバーウエイト料金の追徴無し。
(ニスモ時はディスカウントツアー・エコノミークラス)

海外渡航時の飛行機・預け荷物重量はスーツケース1個で毎回50kg位、
内訳は車の部品が最も重く、個人荷物が15kg前後、食料という感じでした。

機内持ち込み品は、書類、文房具、大金(T/C)。
(総重量50kgだと海外出張2回前後でスーツケースが壊れ、何回も買い換えました。)

部品は、対策品、性能向上品等が主で手持ちとなります。
(ラリー車は船便送付であり、現地到着までの間ラリー数戦が経過するので、この様な状態となる。)

食料は、即席品、お湯で温める「ごはん、レトルトカレー」、カップラーメン、袋入りラーメン、漬物、
そして必携品は醤油、チューブ入り「にんにく、和からし」(ステーキ等に使用)、唐辛子等。

2.Acropolis Rally出張
写真1
ビジネスクラス機内、この当時は喫煙席がありました。

写真2
宿泊していたAstir Bungalows Glyfadaでの食事会。主食はカレーライス、即席ラーメン。
(オレンジ顔隠しが私です。)

写真3
日本料理店『美智子』のカラオケルームにて
タイヤ供給のDUNLOPエンジニアがギリシャに来られた時、ラリー前の栄養補給&壮行会時にアテネにある日本料理店『美智子』によく行ったものです。

ラリ-本番前の休日は、3週間で1~2日です。勿論、休出手当、残業手当はありません。
観光と言えば、ラリーコース調査、スペシャルステージでの事前テスト、レッキ(ラリー前の走行)車の
トラブル発生時、スペアパーツ・ユニットの馴らし走行時に、ついでに立寄る位です。
写真4
Delphiにある世界遺産『スタジアム(競技場)、劇場、アポロン神殿』にて

ラリー終了後は、
・破損部品の調査(破損品の一部は日本へ持ち帰り)
・現地日産販売店とのミーティング(ギリシャ国内ラリーの車と部品援助)
・次のラリー向け車両の搬出&輸出手配等。
写真5
ラリー終了後も殆ど休日無しでしたが、1回だけ飛行機でエーゲ海のロードス島へ行きました。

写真6
エーゲ海のロードス島にて

ここまで読んで下さった方、大変有難う御座います。
内容が細かすぎ?長過ぎ?疲れましたか?

次の機会にAcropolis Rally内容をアップロードします。
Posted at 2012/06/28 00:34:51 | コメント(2) | トラックバック(0) | レース・ラリーの思い出 | 日記
2012年06月20日 イイね!

私のモータースポーツ歴史&ル・マン24時間レースの思い出

私のモータースポーツ歴史&ル・マン24時間レースの思い出最初に、私の趣味が電気からモータースポーツへと変わった事をお伝えします。

私の中学生時代は鉱石ラジオ、4球真空管ラジオ、5球スーパーヘテロダインそしてプラモデル等の製作が趣味でした。この頃は真空管の全盛期です。



テレビは白黒でこの様な形をしていました。映像は加山雄三さんです。

モータースポーツに関心を持ち始めた切っ掛けは、1969年日本グランプリをテレビで見た時からです。このレースでは日産R382が優勝。

その後、レース関係のテレビ、映画、AUTO SPORT誌は殆ど見ました。
(AUTO SPORTは非常に長い歴史を持った雑誌です。)

映画は1971年放映『栄光のル・マン』1969年放映『レーサー』他に『フォーミュラ1』等。
(数年前テレビで放映されたものをDVD-R化しました。)


自動2輪の免許を取得するまでは自転車で日産プリンス販売店巡り、スカイラインとレースに関する景品を沢山もらった。記憶にあるのはCMソングのソノシートを頂いたことです。
ソノシートって分かりますか?

学校卒業後、日産へ入社、その当時の日産ワークス『特殊車両部・第1特殊車両課』に配属。
オイルショックの時期でワークス活動は中止。

でも開発は続けていました。日産追浜で製作し「辻本レーシング」でエントリー、
ドライバーは高橋国光さん、北野元さん、長谷見昌弘さん


KPB210レース車以外には、F10レース車、KP710ラリー車、PA10ラリー車、
KP710&PA10シルエットフォーミュラの開発をしていました。

1978年8月に有給休暇で欧州旅行に出かける。ル・マンサーキット、モナコF1市街地コース、
モンツァサーキット、ホッケンハイムサーキットを見学、モンツァは走行も出来ました。
写真はル・マンサーキット、撮影日は1978円8月10日

横にいるのは、現在もスウェーデン在住の姉です。

その後の開発車は、S110ラリー車、NISSAN 240RSラリー車、P910ラリー車、P910国内ラリー車、
R30シルエットフォーミュラ、グループC。

1985年8月にNISMOへ出向。
グループC、グループA、WD21パリ・ダカールラリー車、S12ラリー車、国内ラリー車、
マーチ・スパーターボレース車、N13ストリート用チューンアップ等の開発を担当。

1986年ル・マン24時間レース参戦。
この時のグループCはマーチのシャシを使用していたので、日本のレース終了後、英国マーチ社へ空輸。作業はマーチ社内で実施。
マーチエンジニアリング社前で記念撮影。

英国シルバーストーンサーキットでチェック走行後、フランスのル・マン入り。

この頃のル・マンは、ミュルサンヌ・ストレートにシケイン無し、
ミュルサンヌ・ストレート後の直角コーナー内側にサインボードエリアが有りました。

サインボードエリアは、1m30cm高さのコンクリートブロック上でサインボード(照明付き)提示、
内側に小屋があり、ピットとの連絡用に電話がありました。
(現在はピット前でサインボード提示へと変わっています。)

予選中86Gニチラ車がガス欠の為、サインボードエリア前で停車。
私は予選終了後オフィシャルカーに牽引されてですが、ピット迄86Gを私が運転しました。

結果は皆さんご存知の通り、85Gアマダ車が日本車唯一の完走を果たしました。
初参戦で総合16位。
最後のほうはブローバイガス噴出が多く、かなりペースダウンしました。

数年後にグループC専用エンジン、専用ギアボックス、専用シャシ開発へとなりました。

ローマは1日にしてはならず、ル・マンも同じです。
今年優勝のアウディをサポートしたのはル・マンを知り尽くしている「ヨースト・レーシング」でした。

「ヨースト・レーシング」は過去にポルシェ、アウディをサポート、総合優勝13回の実績があります。

今回、日産、トヨタが久々の参戦、マツダもディーゼルエンジンで参戦表明、1年だけで終わらず長く参戦して欲しいものです。

また日産には賞典外カテゴリー参加ではなく、同一カテゴリーで総合優勝を目指していただきたい。
長くなりました。最後まで見て頂き、有難う御座いました。

2012年05月23日 イイね!

私もケンメリのTシャツを持ってました。

私もケンメリのTシャツを持ってました。ケンメリのTシャツは、赤、紺、黄、橙、白、黒、グレー?の7色が発売されたと思います。 私は全色購入。

昨日、ルルの父さん様から紹介があったので、私も写真を探してみました。

ルルの父さん様のページ






橙色の『SKYLINE』Tシャツを着ているのが私です。昔から橙色が好きでした。


黄色の『SKYLINE』Tシャツを着ているのが私です。
北海道1周旅行時の写真です。



Posted at 2012/05/23 22:10:00 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日記

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「[整備] #セレナeパワー RECARO LS オレンジグラデーション取付け https://minkara.carview.co.jp/userid/1375955/car/2926139/6461738/note.aspx
何シテル?   07/17 21:59
tetsuzardです。よろしくお願いします。 昔、○○会社でモータースポーツ関係の仕事をしていました。 2023年10月末で退職、現在は年金生活です。 ...
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