
4月25日は氷川丸の誕生日だそうです。1930年に竣工したということなので、今年で82歳になります。氷川丸は横浜とシアトルを結ぶ定期船として活躍した船です。そして、母港は大桟橋。戦前、海外との行き来は船でした。飛行機の時代になり、羽田、成田が日本の玄関口になるまで、横浜、大桟橋こそがその役割を果たしていました。氷川丸は紆余曲折の末、母港である大桟橋の袂に客船の時代の象徴として係留されています。もう、嵐も戦争に利用される心配もありません。母の懐で静かに時を刻んでいます。
子供の頃から見慣れた船ですが、乗船するのはこれが2回目。初めて乗船したのは友人の結婚式。ピアノトリオで演奏して祝福した楽しい思い出があります。

誕生日に近い4月21日はなんと無料乗船ができました。そのため、いつもは静かなこの船もたいそうな賑わいです。長い船旅の間、乗客たちはどのように過ごしたか気になるところです。今も昔もお金を積めば良い生活ができます。まずは一等客室。小さいながらも立派なリビングです。これならお茶もおいしいでしょうし、ゆっくり眠りにつけそうです。

対してこちらは三等客室。たったこれだけのスペースに8人もの人が寝泊りしなければなりません。
船内から見た横浜の景色。丸窓から見える景色にちょっと旅情を感じます。

大桟橋で下船した多くの外国人が宿泊したのがホテルニューグランドです。最近、山崎洋子さんの"横浜の時を旅する(ホテルニューグランドの魔法)"という本が出版されました。この本には、このホテルの歴史とエピソードが多く語られていますが、当然、氷川丸も多く登場します。ニューグランドのロビーから見下ろす氷川丸の姿、そして氷川丸から見上げるニューグランドの姿は、横浜が華やかだった時代を思い起こさせます。
考えてみたら、マリンタワーに何回登ったことがあるだろう?ニューグランドにも泊まったことないし・・・氷川丸への乗船は、知っているようで知らない横浜を再探訪するきっかけになったかもしれません。
Posted at 2012/04/27 00:22:33 | |
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横浜 | 日記