
パイクカーってご存知ですか?バブル期に日産からリリースされたマーチベースの3車種のことです。Be-1、パオ、そして、フィガロ。少しレトロな独特なフォルムは限定車という形で販売されましたが、その人気から抽選により購入者が決定されたという今ではあり得ない人気ぶりでした。面白いのがデザインコンセプトのあり方。通常、クルマはカーデザイナーによってデザインされます。しかし、これらのパイクカーは坂井直樹さんというプロダクトデザイナーによって、外見だけではなく、内装も含めてひとつのコンセプトでまとめられ、製作されました。この頃、坂井直樹さんは絶好調でした。これら3車種だけではなく、私の愛車であるバイク、SW-1、カメラ、時計などなど、発表するものはすべて話題となりました。裏方的な仕事だけではなく、テレビに出演しコメンテーターを務めていたことも覚えています。
3月中ごろ、日産本社ギャラリーで、それぞれのイメージカラーを纏った3台のパイクカー展示されていました。私、個人的にはとても好きなデザインです。最近のクルマはモデルさんのようなイメージがあります。ヘッドライトの流行が、少しきついアイメークした女性のイメージと重なるからかも知れません。でも、これらのクルマは例えるなら中流家庭の品のいいお嬢さん。クルマ好きには受け入れられないかも知れませんが、趣向が合う人にはものすごく魅了を感じると思います。
こちらは87年に発表された初代パイクカーBe-1。今見てもなかなか個性的で魅力があります。黄色のボディーが一番人気でしたが、トマトレッドも捨てたものではありません。キャンバストップモデルが人気でした。
パオは89年に2代目パイクカーとしてデビューしました。私、シトロエンを彷彿させる概観ですが、3角窓やボディーの色合いが、Be-1以上に完成度の高いレトロ感を醸し出しています。

91年に発表されたフィガロはこれまでの大衆車のイメージから一歩抜け出して、高級感のあるデザインが採用されました。非力だったエンジンもターボが採用され、走りも強化されています。私、MH1に出会わなければ、このクルマを買って、コツコツとレストアしていたと思います。本気で購入を考えていましたから・・・

最近はクルマに個性が無くなってちょっとさびしいです。低燃費のエコカーは確かに時代の流れですが、本当にそれだけで良いのかはわかりません。ハイブリットカーが、皆、ちょっと近未来的なフォルムなのも正直気に入らないのです(オーナーの方ゴメンなさい・・・個人的な見解です・・・)。MH1やSW-1を手に入れて思うことは、スペックだけで物を選ぶのを止めることの大切さ。本当に自分らしい選択をしたものには、とても愛着が沸くということを、この歳になってやっと気づいたことです。
Posted at 2012/04/08 02:36:07 | |
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クルマ | 日記