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2017年10月03日

テスラがもたらす新世界

過去にゴルフGTEを試乗してPHEVなどのモータートルクの強大さと静粛性がもたらす高級感などに感銘を受け、カーエンスーの大多数が否定的ではありますが、私は電動化にかなり肯定的です。

そんな訳で以前より少し興味は持っていたのですが、ここにきて我が家のファーストカーの条件であるSUVモデルが新たに発表され、かつ奇抜なガルウイングを装備してきたので、いよいよ現車確認することにしました。

あまりにも衝撃的な体験で、一言で言い表すのはとても困難なのですが、なんとか絞り出すとすれば「モビリティの概念を超越した、未来世界の一部分である」ということです。
「クルマの試乗をした」のではなく、「イーロンマスクという天才イノベーターが提唱する未来世界のプロローグを目の当たりにした」と申し上げておきます。




・エンジンなどの駆動部品が大幅に少ない
エンジン車は補器類も含めるとかなりの部品点数となり、そしてそれぞれが消耗摩耗する駆動部品であり、それぞれにメンテナンスやライフサイクルコストが掛ってくる。EVにはそれらが激減するというメリットは主に語られていますが、それ以外にも、例えばラジエーターを配置しなくても良い(実際には小さなラジエーターは存在しますが)ことから外装デザインにも飛躍的に自由度が与えられたということです。AWDにも関わらず室内にドライブシャフトトンネルが無いのでフラットフロアだったり、ボンネット部分をトランクスペースに転用できたりすることも同様です。(しかしながら、あまり突飛なデザインをしてこない、あくまでもヒューマンインターフェイスを基軸から外さないところに、とても好感を持ちます)

バッテリーは(70シリーズであれば)7000個のリチウム電池をモジュール化して床面に敷設し、不具合や劣化についてはモジュールごとの交換で対応。また、モーターの寿命はなんと百万km単位だそうです。エンジン車だと、様々な部品が様々な時期に寿命を迎え、そのメンテナンスに対応しきれず廃車となることが多いですが、テスラの場合は交換部品も少なくかつバッテリーは各モデル共通なため回収リサイクルも容易で、中古車をリフレッシュないしリサイクルすることが燃料車と比べて圧倒的に簡単です。
モデルSについて、「買取保証」キャンペーンを行っており、数年後にある程度のコストを掛けて車を回収しても、リサイクルないしリフレッシュする自信があるようです。本体そのもののライフサイクルについても、全く異次元の発想をしていると思います。

・エネルギー回生システム
最近のエンジン車にも多数装備されていますが、私はこれが大好きです。熱エネルギーを移動に使い、それで生まれた慣性エネルギーを減速時に回収する。エネルギー保存の法則を別角度から体現しているよう。
また、この回収強度を調整できるため、ディスクブレーキそのものの使用頻度及び摩耗度もかなり抑えられます。

・自動運転及び無人運転
Bピラーにカメラが埋め込まれているのが確認できます。これは「将来自動運転が法的に可能になった時点でアクティブにする」ということでした。インターネット経由でソフトウェアアップデートが行われるそうですが、ハードにおいては既に実装しているところに、テスラ社が自動運転がそう遠からぬ時期に実現することを見据えている意思を感じます。
尚、テストフィールドに於いては無人運転まで完全に技術確立しているとのこと。

・ガルウィング、ドリンクホルダーなどに見る地に足が付いたユーザビリティ

ガルウィング(ファルコンウィングと称しています)は、開閉時の見た目のインパクトは強く、奇抜さを狙ったように思うかもしれませんが、乗降性がどのドアよりも優れていて実は大変実用的です。雨天時には傘代わりにもなり、雨にぬれずに乗降できます。

注目したのはドリンクホルダーです。CDホルダーのように数センチ間隔でスリットが入っており、そのスリットにプレートを差してホルダーを作る訳ですが、非常にシンプルで安価ながらも、様々な大きさに対応可能という、なぜ今までこのようなアイデアが出てこなかったのかと驚く素晴らしいアイデアです。高いコストを奢る事で高級感を醸すのがこの価格帯の車輛の宿痾ですが、そんな価値観なぞ意に介さずといったところです。

「内装や各部にチープさがある」という評価があり、それは否めないのですが、もはやこのイノベーティブな創造物においては既存の評価軸で計ることに違和感を憶える訳で、全くネガには感じません。
工業製品の常で、「新開発モノは初期不具合に注意」というセオリーも同様です。私なら、どうぞ私の個体の不具合データを有効活用の上R&Dに資して頂ければ本望です。新世界への協力者という自己陶酔で充分。

・障害物センサー
走行中でも車輛周辺の間隔をモニタリングしており、低速時の前方などは「あと○○cm」などという表示が出るほど精密です。また、これはお好み設定なのですが、走行中でもバックカメラ映像をモニターに映しておくことができます。私は常に「前方6割、後方4割」という割合で周辺確認をしています(中嶋悟はニュースステーションで確か「前方4割、後方6割」と言っていたかと記憶しています)ので、とても安心感が高かったです。

・脆弱な店舗網、サービス網
自動車というインフラを提供するビジネスとしては、これは致命的な欠陥と言えます。ただ、駆動部品の少なさから不具合の大半はオンラインで修復できるという特徴を考えると、従来のディーラー網を基準にして考えることそのものが間違いではないかとさえ思えます。

店舗を持つという事は、当然セールス機会と共に売上が上がるという効果がありますが、平行して様々な資産や在庫を持つということです。この効率を見極めたうえで、実はミニマムの資産で革新的な顧客サービス(オンライン修理や訪問修理など)を実現し利益を最大化しようという戦略ではないかと推測します。
「黎明期は利益を先送りしてとにかく投資優先する」という経営セオリーを無視し、「黎明期でも最大利益を得られる戦略」を描いているのではないでしょうか。

・細部、随所に感じる革新性
店舗の営業開始時間前に到着してしまいましたが、展示車両のスモールランプは閉店中も点灯させてあり、「夜中もずっと点灯させてある」とのこと。また営業時間中は入れ替わり立ち替わり試乗車が稼働していましたが、店舗前に試乗車を待機させている間もずっとハザードランプを点灯させっぱなしでした。
この2点を取っても、EVであることをアピールするパフォーマンスなのではないかと思います。通常ならエンジンアイドリングによる排気ガスやバッテリー劣化への懸念を抱きますが、それが全くないので非常に清々しい気分になります。

サイドドアポケットのデザインや2列目シートポストが1本であることなども、本当に斬新です。先述しましたが、「素材で高級感を出す」という価値世界から完全に“解脱”しているようにさえ思えます。
ドアハンドルはボディに埋め込まれたフラッシュサーフェスで、キーを持ったドライバーが近づくと自動的にせり上がってくるデザインや、折りたたみ式サンシェードはマグネットで保持するタイプだったり。色々なところに技巧を尽くしてあるのですが、シトロエンピカソのようなパノラミックフロントガラスまで採用しており、ユーザーの喜びを追求して妥協しなかった開発陣を称えたいと思います。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

レポートを読み返してみますと、既存観念からすればネガに分類される事項であっても、テスラにおいては全くそう思えず、肯定的に捉えていることに気付きました。これはどうやら狂信的信者になってしまったということだと思います!

やがてそれらのネガも徐々に解消されていくだろうと思います。ただ、この「ネガを解消していく解決過程」もテスラと共有したいとさえ思える自分にとっては、「ネガが解消してからであればオーナーになってもよい」という意見は、テスラの本質的価値を見逃しているように思います。
先進性は時間と共に薄まり、普遍性を帯びていきます。先進性が先進性として在る今だからこそ所有する価値があるのです。

革新的なマテリアルを身近に置くということは、そうそう経験できる事ではありません。そのようなものを身近に置くと、自身の精神にも革新のエッセンスが染み込み、想像もできない自分が生まれる可能性があります。そんなことが1,000万円強で叶うとは筆舌に尽くし難い。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

冒頭に、「モビリティの概念を超越した、未来世界の一部分である」と表現しましたが、帰宅後食い入るように貪ったテスラカタログには、それを示唆する一文がありましたので、エンドロールとしてここに掲載しておきます。

『テスラは従来の自動車メーカーではありません。エネルギーイノベーションに力を注ぐ、テクノロジー会社であり、未来を設計するデザイン会社です。』


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Posted at 2017/10/03 23:27:40

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この記事へのコメント

2017/10/04 00:56:49
電気にシビレちゃったのね~
コメントへの返答
2017/10/04 22:07:29
価格を見て感電死寸前でした!
2017/10/08 08:12:50
こんにちは、初めまして。
大変興味深いレポート、楽しく拝見させて頂きました。

黎明期のPCやスマホもそうなのですが、革新的な新しいプラットフォームが立ち上がった直後は夢中になるものの、これがコモディティ化して広く世間一般に普及し始めた瞬間に興味を失ってしまうのは、人柱もといアーリーアダプターとしての性でしょうか。

プライスさえ許せば(←これ重要)私もEVと自動運転に飛びつきたいです。

充電容量へのブレークスルーとインフラ整備が肝ですね。
技術的なハードルを考えると、4輪よりも2輪の方が先に普及してもよさそうですが、いまだにお目に掛かれないのは全体に対する分母の違いでしょうか。マイノリティは辛いです。

願わくば、クリーンでエコで穏やかな世界よりも、「やっとモーターのコイルが温まってきたところだぜ」的なセリフと共に、荒廃した夜のネオ東京を爆走する未来を期待します。
コメントへの返答
2017/10/09 08:11:21
初めまして!ご訪問有難うございます!

僕は、何においても超が付くほどの「レイトアダプター」です。新しいモノがキライって訳では無いんですが、「普遍的または不変価値」に惹かれる傾向があります。が、それが生まれた瞬間は果たしてそれがそういった価値を持つのかどうか判断することは非常に高度な訳で、それを宣言できる権利を持たれるアーリーアダプターを羨ましく思うこともありますが!

充電容量とインフラ整備については、「クルマの底面と道路に非接触の充電器が埋め込まれて走行と充電が同時にできる」なんていう夢のあるアイデア(スーファミのF−ZEROみたいなw)も考えられる訳で、「レシプロのテイストが〜」とかいう趣向(これはこれで価値がありますが)とはまた違う次元のワクワクするイノベーションが拡がります。
(実は既にプリウスが屋根にソーラーパネルをつけていますが、ベタながらもスマッシュアイデアだと思います)

そんな風に、テスラに触れることによってクルマ世界に収まりきらないイノベーションがそこかしこに生まれるだろうと思うと、そんな僕でさえもアーリーアダプターに宗旨替えしそうです(笑)

文末の世界観はスゴく面白いですね‼︎
「オレのコイル、オメーのと違って職人手巻きだから、出力フィールがsweetなんだわ」なんて会話がかの大黒とかで交わされる。世界がどう変わろうともエンスーな人種は絶滅しないでしょうね(笑)
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