道の駅 「南きよさと」、フリスパ車内にて4時起床。
今日のために「
suaoki ポータブル電源 G500」を筆頭にDC扇風機と電気敷き毛布を用意し、完璧な暑さと寒さ対策をしたが睡眠をとるには適温だったので特に必要でなかった。しかし車内温度は25℃。外気温は15℃。網戸付ければよかった。
フリードスパイクは後部座席を倒すだけで完全なフルフラットになるので、助手席を少し前に出すだけで180cmくらいのスペースを確保できる。
座席に座って取る仮眠と、完全に横になって睡眠をとるのとでは翌日起床時の負担が全く違う。
軽キャンピングカーなどもいいが、ベット設営や車内での荷物の移動などの手間を考えるとフリスパはいかに車中泊に特化された車なのかと再認識させられる。
現在地は車中泊をした道の駅「南きよさと」だ。目的地はここから40キロ先の毛木平駐車場。甲武信ヶ岳の長野側から登山する際の起点になる場所だ。
毛木平までは清里や野辺山などの高原地帯を抜けていく。この辺りは高度成長期に千曲川上流ダムへと整備される計画が出ており、ダムの底に水没する可能性もあったのだ。そう言う意味では元長野県知事の田中康夫氏の「脱ダム宣言」に感謝したい。
途中の清里駅近くのコンビニで朝食と行動食を購入。
千曲川に沿って高原野菜の畑地を抜けていく。早朝だが広大な畑を煌々と照らすライトと行き交う軽トラと特殊な作業車。異様な光景だ。
この辺りの収穫作業が始まるのは深夜2時らしく気温が上がらないうちに収穫し、そのまま箱詰めされて冷温を保ったまま出荷される。川上村レタスは「朝採れレタス」としてブランド化されているらしい。
5:20 毛木平駐車場到着。
60台ほど停められる駐車場だが自分が到着した時点では5台ほどしかいなかった。
夏休みも終了直前の平日だが、山頂の山小屋などに泊まってる人も利用する駐車場なのでこんなものか。
この駐車場はとてもキレイに整備されているのだが、そこに至る直前は狭い砂利道だったり、公共交通機関がなかったりとマイカーでないと来るのが難しい。
しかも携帯の電波が全く届かないし公衆電話もない。自販機もなくトイレのみ。
仕事柄多数の携帯スマホを所有しているが、docomo、au、ソフトバンクも電波は全滅だ。
下山後にタクシーを呼ぶことも出来ず、小海線信濃川上駅からバスも出ているとのことだが本数も多くはない。
こうなるとマイカーしかないのだが、この山の人気度に対して駐車場60台は少ないので休日は早朝に満車になって泣く泣く帰宅するなんて話もあるくらいだ。
ここの標高が1460m。無事に駐車も出来たことなのでコンビニでレンチンしてもらった弁当で朝食。
30分ほど食事休憩をしている間に次から次へと車が入ってくる。
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甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)は、山梨県・埼玉県・長野県の3県の境にある標高2,475mの山で、奥秩父山塊の主脈の中央に位置する。甲武信岳(こぶしだけ)とも呼ぶ。
甲州(山梨県)、武州(埼玉県)、信州(長野県)の境にあるのでこの名になっているとされる説が有名だが、山容が拳のように見えるからという説もある。
wikiより転載
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甲武信ヶ岳は長野側の毛木平から登るルートや山梨県の西沢渓谷の途中から徳ちゃん新道を利用して登るルート、金峰山や国師ヶ岳から縦走するルートなどがいくつかあるが、山梨側からは「道の駅みとみ」に停めて西沢渓谷から登る方が首都圏からのアクセスにはいいが、えぐい程の急登が延々と続くガチムチルートなので、翌日に仕事を控えている私としては、最高のパフォーマンスを顧客に提供できないというのはプロとしてあるまじきことなので止むを得ず断念せざるを得ないのだ。
それに比べて長野側からのルートは車移動として首都圏からのアクセスは遠く、日帰りでは難しくなるが、長い工程の中で緩やかに傾斜を稼ぐルートなので、長距離歩行タイプの私には向いているのだ。
さらに8月と言っても体温程度の残暑が続く日々を忘れて涼しいハイキングを楽しみたいものだ。
6:00 毛木平出発。
ようやく登山開始だ。目指すは標高2475m、甲武信ヶ岳山頂だ。
しこも今回のコースタイムは休憩なし健脚者で7時間。一般的には8.5時間というロングコースだ。
始まりは歩きやすい涼しい歩道を歩く。外気温は12℃。止まると少し肌寒いくらいだが丁度いい。
すごく・・・大きいです・・・
少し歩くと水の音が聞こえて千曲川と合流する。
朝の清々しい時間帯に、苔生した緩やかな林道を自分のペースでゆっくりと歩く。前後に登山者も見当たらず、聞こえるのは揺蕩う水の音と鳥の鳴き声。そして自分の足音と鼓動。
8:00 ナメ滝到着。
一枚岩の上をナメるように流れる滝なのでナメ滝。これを滝と呼んでいいものか?
9:00 千曲川水源地標
日本で一番長い川は信濃川の全長367kmとして有名だが、信濃川と千曲川が一緒だということを知っている人は意外に少なかったりする。
元は甲武信ヶ岳から千曲川として始まり長野県を60%の214kmに渡って流れ、新潟県に入ってから40%を信濃川と名前を変えて日本海に流れていくのである。
なら信濃川じゃなくて千曲川が日本一長い川と呼んでもいい気がするが河川法では河口付近の呼び方で記載するらしい。
まぁ艦これでも航空巡洋艦としての筑摩改二より航空母艦としての大和型戦艦3番艦信濃の方が圧倒的に強そうだし仕方ないね。
しかしこれだけ全長の長い川の源流。まさに要所である。
もしファイナルファンタジー6のケフカなら、ここに毒を流すだけで下流の重要拠点を無効化できる。
河口には上田城や小諸城、飯山城、長岡城などがあり、武田家と上杉家に真田家の戦力を削ることができるのだ。真田昌幸の表裏比興の者や、川中島合戦での山本勘助の啄木鳥戦法すら怖くないのだ。
長時間の工程なので歩きながらこんなことばっか考えていたりする。
そんな歴史好きな私が一番好きな道の駅は長野の「小谷」です。
関東道の駅スタンプラリーでも一番端っこにあって温泉も併設されているので車中泊に最適。
しかも近くには浅井長政の居城の小谷城。そして目の前には「敵に塩を送る」で有名な千国街道。謙信が信玄に糸魚川ルートから送ったといわれている道で、歴史的な背景を知っていると道の駅としての魅力をもっと感じられると思います。
話が脱線したが、ここから先は傾斜がきつくなるので、湧き出し直後の千曲川を大量に水分補給。ミネラルウォーター飲み放題。
飲み過ぎた脇腹を抑えつつ少し急になった傾斜を駆け上る。
10:00 国師ヶ岳との分岐点 標高2360mくらい。
右に行けば国師ヶ岳や金峰山方面に向かうことができる。
稜線に出たので、多少景色が変わるかと思ったがそんなことなかった。
広くなった道幅で歩きやすいが眺望にはすぐれない。
山頂に近づくにつれて、道がガレて急に視界が開けた。
10:40 甲武信ヶ岳山頂到着。
すごい立派な山頂標識。
昼近くなので水蒸気で雲掛かってしまった。
そこそこ広かったが、先客がいたので先を目指すことに。
山頂から15分ほど急坂を下る。せっかく稼いだ高度が・・・。
11:15 甲武信小屋到着。
有料だがトイレと水道が利用できる。売店もあつたので、ポケットウィスキーで売り上げに貢献。
屋根の上に徳ちゃん新道を作った山中徳治さんらしき人がいたが、忙しそうだったので会釈程度に。
少し離れたとこにベンチがあったので昼食。コンビニで買ってきたおにぎりセット。
帰りも長丁場なので早々に退散。
先程下った坂を再度登って、再び甲武信ヶ岳山頂へ。
阿澄さんの左腕を持ってくるの忘れた・・・。
帰りは時に目新しいものもなく千曲川水源地標に到着。
家でウィスキーの水割りを楽しむために水を汲んでお土産に。
千曲川に沿ってひたすら下山。道が広くて歩きやすいがルートがわかりにくい。
朝の6時から入山して今は15時。13キロは歩いたので注意力散漫だったのかもしれない。
ルートを間違えたのだ・・・。
川に沿って歩いているのだが、山岳地図アプリのGPSで確認すると15mくらい川に寄り過ぎているのがわかる。
正規ルートに戻ろうにも、川沿いに寄り過ぎたために10mくらい見上げたとこにピンクのリボンが付いていた。
引き返して正規ルートに復帰するのが正解だが、引き返すだけの体力がない事と、開けた道なので全く不安感がない事。そしてこの先に千曲川を跨ぐ橋があって、そこで合流出来る事を知っていたので、そのまま先を進むことにした。
途中で膝丈程まで水に浸かる箇所があったりと、明らかなルートミスなのだが、自分以外の足跡もあるので割と間違える人も多いのだろう。
1キロ程度で元のルートの合流地点に。自分が間違えたルートは昭和時代に川辺でキャンプとして入山する人たちが通るルートのようだ。(現在はキャンプ禁止になってます)
どうりで缶ジュースのプルタブだけが落ちてたり、焚火の形跡があったのか。
正規ルートに戻ってからは、ただただ惰性で下山。体力は完全に回復しているが、距離が兎に角長い。
16:15 毛木平駐車場到着。
約16キロ。腕に装着したスマートウォッチでの歩数計は34000歩。消費カロリーは9748kcal。えっ?
自分の体重+荷物の重量に距離と年齢で5000kcalくらいだと思ってたが、こんなだとは。
おにぎり2個と行動食じゃ全然足りないじゃん・・・。
ん、無料で送ってくれるのか。でも面倒なんでいいや。
車に戻って着替えを済ませ帰路へ。自宅まで高速使っても4時間以上掛かる。
日も暮れ初め、早朝にはライトアップされていて活気もあった畑地は、ひっそりと静まり返っていた。
帰りに野辺山や清里を通るので、観光でもと思ったが、明日も仕事なので少しでも早く高速に乗って帰りたかった。
しかし運転していると途中で気になる看板を見つけた。
くっ、ク・ソフト!?
食べたい! 寄りたい!
しかし下り坂でスピードに乗っていた為に店が開いていたのか確認できず通り過ぎてしまった。
カフェレストラン 睦
https://kiyosatoboku.sakura.ne.jp/
画像転載:「
へんてこグルメガイド」様
清里「カフェレストラン 睦」ではマジでうんこみたいなソフトクリーム『ク・ソフト』が食べられるよ!
ク・ソフトの存在は以前から知っていたが、まさか清里にあると思わなかった。てっきり名古屋のマウンテンのノリで近畿とか関西の店だと思ってた。
悔いても仕方ないので須玉ICから高速へ。
途中の双葉SAで夜飯。さらに談合坂からものすごい事故渋滞の情報が・・・。
23:30 Mad-City帰宅。
編集後記。
スローペースで休憩を多めに取ったが、甲武信ヶ岳は日帰りじゃ難しい山だった。
前から行きたかったのだが、関東からのアクセスが悪く、車移動も含めて日帰りで行ける自信がなかった。
歩行距離は長いが緩やかな傾斜で初心者でも登れる山なので、気合とパニッシャー精神でなんとかなります。
しかし行程が長いので技術より体力、それよりも長丁場に飽きない精神力が必要かもしれません。
ク・ソフトのリベンジもしたいし、また来年、連休が取れたら来たいなぁ。