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ek-10stとやまの愛車 [日産 マーチ]
日産・マーチR/スーパーターボに搭載のMA09ERT型エンジンについて
3
*MA09ERTエンジンについて補足。<br />
クラストップレベルの動力性能を確保、ターボチャージャーとスーパーチャージャー、2種類の過給機を用い、MA10エンジンの56kw(76ps)から81kw(110ps)、(リッター当り87kw118ps)への高出力化を行った。<br />
これによりリッター当たり換算の高出力は国内最高、世界的にもトップレベルの数値である。<br />
この加速性能については全域にわたり圧倒的に勝っており、<br />
他社のリッターカークラスやモータースポーツのレギュレーション上同一クラスとなる1600cc自然吸気エンジンの車両までも凌駕している。<br />
<br />
*開発にいたる高出力化の達成と<br />
過給システムの選定。<br />
<br />
MA09ERTの要求性能である全域高トルクと良レスポンスを<br />
達成させるための過給システムとして以下を検討した。<br />
<br />
A.小型ターボチャージャー&#215;2個の並列T/Cシステム<br />
B.低速用小型T/C+高速用大型T/Cのシーケンシャルターボシステム<br />
C.低速用S/Cと高速用T/Cの複合過給システム<br />
<br />
・A.の並列ツインT/Cシステムは184kw(250ps)以下では、<br />
等価慣性モーメント(小さいほどレスポンスが良い)が<br />
シングルT/Cより大きく、81kw(110ps)のこのエンジンには向かない。<br />
・B.のシーケンシャルT/Cシステムもこのエンジンに<br />
適用するには低速用に超小型T/Cが必要となり小型化による<br />
等価慣性モーメントの低減代も少ないので、<br />
低速での高トルクと好レスポンスが望められない。<br />
<br />
・[※採用※]C.の複合過給機システムではS/Cが持つ<br />
低速トルクとレスポンスの良さをその使用領域を<br />
低速域に限定する事でさらに向上させることができ、<br />
高速側のT/Cが有効に働く領域では大型のT/Cが使用<br />
出来る為、全域高トルク好レスポンスを実現するには、<br />
最適な過給システムだと言える。この事から、<br />
MA09ERTエンジンでは複合過給機システムを採用した。<br />
<br />
・ターボチャージャー(T/C)の大型化<br />
T/CはS/Cとの併用を前提とし、81kw(110ps)の最高出力を<br />
達成させる為、高速域の性能向上に的を絞った使用とした。<br />
既存していたMA10ET(ターボ)型エンジンで採用した、<br />
HT07型T/Cをベースにコンプレッサー、タービン共に<br />
大型化してHT10型とし、高流量、高過給時での効率を<br />
大幅に改善した仕様にした。<br />
<br />
・スーパーチャージャー(S/C)の形式の検討<br />
S/Cのタイプは<br />
ルーツ、スクリュー、スパイラル、コンプレックスが<br />
あり、内、スクリュー、スパイラルなど効率の良いS/Cが<br />
あるが、複合過給システムでの使用条件(T/Cと併用し<br />
低速のみ使用)や車両への搭載性を考慮して2葉ルーツタイプを採用した。(※S/C形式検討を参照)<br />
<br />
駆動はクランクシャフトからのベルト駆動で、<br />
電磁クラッチを介し、ローターを駆動しており、<br />
T/C過給などのS/Cが不要となる領域では駆動損失を防ぐ<br />
為に、電磁クラッチにより、作動を停止させている。<br />
また、S/C本体をシリンダーブロックに直付けする方法を<br />
採用したことで搭載性の向上と振動の低減を行った。<br />
-------------------------------------------------<br />
[S/C形式検討]◎最良、○良、△中、&#215;不可<br />
ルーツ、 スクリュー、 スパイラル、 コンプレックス<br />
<br />
・全断熱効率、<br />
ルーツは最高60%、内部圧縮なくほぼ限界か「△」。<br />
スクリューはMAX70%、但しスーパーターボの使い方では<br />
優位性小「○」。<br />
スパイラルはMAX65%、「○」。<br />
コンプレックスは記載なし。<br />
<br />
・クラッチ接続時負荷、{数式GD2&#215;(P/R)2}<br />
ルーツは他に比べ増速比少「○」。<br />
スクリューはGD2:ルーツより大、ローターの増速比も大、負荷大「&#215;」。<br />
スパイラルは偏心運動ゆえGD2は小「◎」。<br />
コンプレックス記載なし<br />
・搭載性、<br />
ルーツは吸気マニホールド下に搭載可「○」。<br />
スクリューは吸気マニホールド下に搭載可「○」。<br />
スパイラルは外形大の為ボディドロップNG(K10マーチのスペースで)<br />
コンプレックスは排ガス利用するので取付位置に制限有「△」。<br />
・その他、<br />
スパイラルはディスプレーサーシール部の耐磨耗性「△」。<br />
コンプレックスは排ガス利用のためT/Cとの共用不可「&#215;」。<br />
-------------------------------------------------<br />
<br />
過給特性はMA10ETエンジンが約66kpa(500mmHg)の過給圧で<br />
あるのに対し、MA09ERTエンジンは、約2000rpmから<br />
93kpa(700mmHg)の高過給を達成しており、更にS/Cを採用<br />
する事で、タイムラグ無しに高過給が得られた。<br />
<br />
・インタークーラーの採用<br />
インタークーラーの装着は、吸入空気温度を低下させ、<br />
充填効率を向上できる為、高出力化には不可欠である。<br />
MA09ERTではアルミ製コルゲートフィンタイプの<br />
インタークーラーをエンジン上に搭載する事で効率よく、<br />
吸入空気温度を低下させている。<br />
<br />
・エンジン本体の改良。<br />
大幅な出力向上を行った為、MA10ET型エンジンに対し、<br />
本体構造系、主運動系、動弁系について<br />
基本スペックからの見直しを実施した。<br />
<br />
・過給システムの特徴<br />
MA09ERTではT/CとS/Cを直列に配置した。吸入空気は、<br />
T/Cを通過した後、S/Cあるいは、バイパス弁を通って<br />
インタークーラーで冷却された後、エンジンに吸入される。<br />
バイパス弁は過給切替に伴って流入空気の通路を切替える<br />
機能を持つ。その基本作動は吸気系各部の圧力をバイパス弁<br />
に直結する2つの圧力室に導入し、その差圧で<br />
ダイアフラムをコントロールするものである。<br />
圧力室へ導入する各部の圧力については、エンジンの<br />
運動状態により、コンピューターと電磁ソレノイド弁に<br />
よって取り出し口を切り替えるシステムとなっている。<br />
また、S/Cの作動領域において、過給圧が設定圧力以上と<br />
なった場合は、ブーストプレッシャーコントロールバルブ<br />
(BPCV)が作動し、バイパス弁を機械的にフィードバック制御<br />
する事により過給圧を設定圧力にコントロールする。<br />
<br />
・複合過給システムの作動について補足・<br />
基本作動については以下の如くである。<br />
<br />
1、S/CがOFFの場合、バイパス弁を全開として吸入空気を<br />
バイパスさせてエンジンへ送り込む。<br />
2、S/CがONの時、バイパス弁を閉じ、T/CとS/Cとに寄る<br />
過給空気を有効にエンジンへ送り込む。<br />
3、S/CがONの時、過給圧が設定圧以上となった時は、<br />
バイパス弁を開きS/Cによる過給をリリーフさせる。<br />
4、エンジン始動時には吸入空気量確保の為、バイパス弁を開く。<br />
<br />
・運転状態による作動。<br />
詳細は既出のエンジン解説(1)を参照。<br />
エンジンの回転数、負荷、スロットル開度を基本信号として<br />
読み込み、S/Cクラッチソレノイドをコントロールしている。<br />
<br />
この3の項目を執筆するにあたり、<br />
下記の文献を参考に致しました。<br />
2006年12月18日、<br />
記ダブルチャージクラブ@首謀者。<br />
※この№3のみ記事保護のため、無断転載厳禁
*MA09ERTエンジンについて補足。
クラストップレベルの動力性能を確保、ターボチャージャーとスーパーチャージャー、2種類の過給機を用い、MA10エンジンの56kw(76ps)から81kw(110ps)、(リッター当り87kw118ps)への高出力化を行った。
これによりリッター当たり換算の高出力は国内最高、世界的にもトップレベルの数値である。
この加速性能については全域にわたり圧倒的に勝っており、
他社のリッターカークラスやモータースポーツのレギュレーション上同一クラスとなる1600cc自然吸気エンジンの車両までも凌駕している。

*開発にいたる高出力化の達成と
過給システムの選定。

MA09ERTの要求性能である全域高トルクと良レスポンスを
達成させるための過給システムとして以下を検討した。

A.小型ターボチャージャー×2個の並列T/Cシステム
B.低速用小型T/C+高速用大型T/Cのシーケンシャルターボシステム
C.低速用S/Cと高速用T/Cの複合過給システム

・A.の並列ツインT/Cシステムは184kw(250ps)以下では、
等価慣性モーメント(小さいほどレスポンスが良い)が
シングルT/Cより大きく、81kw(110ps)のこのエンジンには向かない。
・B.のシーケンシャルT/Cシステムもこのエンジンに
適用するには低速用に超小型T/Cが必要となり小型化による
等価慣性モーメントの低減代も少ないので、
低速での高トルクと好レスポンスが望められない。

・[※採用※]C.の複合過給機システムではS/Cが持つ
低速トルクとレスポンスの良さをその使用領域を
低速域に限定する事でさらに向上させることができ、
高速側のT/Cが有効に働く領域では大型のT/Cが使用
出来る為、全域高トルク好レスポンスを実現するには、
最適な過給システムだと言える。この事から、
MA09ERTエンジンでは複合過給機システムを採用した。

・ターボチャージャー(T/C)の大型化
T/CはS/Cとの併用を前提とし、81kw(110ps)の最高出力を
達成させる為、高速域の性能向上に的を絞った使用とした。
既存していたMA10ET(ターボ)型エンジンで採用した、
HT07型T/Cをベースにコンプレッサー、タービン共に
大型化してHT10型とし、高流量、高過給時での効率を
大幅に改善した仕様にした。

・スーパーチャージャー(S/C)の形式の検討
S/Cのタイプは
ルーツ、スクリュー、スパイラル、コンプレックスが
あり、内、スクリュー、スパイラルなど効率の良いS/Cが
あるが、複合過給システムでの使用条件(T/Cと併用し
低速のみ使用)や車両への搭載性を考慮して2葉ルーツタイプを採用した。(※S/C形式検討を参照)

駆動はクランクシャフトからのベルト駆動で、
電磁クラッチを介し、ローターを駆動しており、
T/C過給などのS/Cが不要となる領域では駆動損失を防ぐ
為に、電磁クラッチにより、作動を停止させている。
また、S/C本体をシリンダーブロックに直付けする方法を
採用したことで搭載性の向上と振動の低減を行った。
-------------------------------------------------
[S/C形式検討]◎最良、○良、△中、×不可
ルーツ、 スクリュー、 スパイラル、 コンプレックス

・全断熱効率、
ルーツは最高60%、内部圧縮なくほぼ限界か「△」。
スクリューはMAX70%、但しスーパーターボの使い方では
優位性小「○」。
スパイラルはMAX65%、「○」。
コンプレックスは記載なし。

・クラッチ接続時負荷、{数式GD2×(P/R)2}
ルーツは他に比べ増速比少「○」。
スクリューはGD2:ルーツより大、ローターの増速比も大、負荷大「×」。
スパイラルは偏心運動ゆえGD2は小「◎」。
コンプレックス記載なし
・搭載性、
ルーツは吸気マニホールド下に搭載可「○」。
スクリューは吸気マニホールド下に搭載可「○」。
スパイラルは外形大の為ボディドロップNG(K10マーチのスペースで)
コンプレックスは排ガス利用するので取付位置に制限有「△」。
・その他、
スパイラルはディスプレーサーシール部の耐磨耗性「△」。
コンプレックスは排ガス利用のためT/Cとの共用不可「×」。
-------------------------------------------------

過給特性はMA10ETエンジンが約66kpa(500mmHg)の過給圧で
あるのに対し、MA09ERTエンジンは、約2000rpmから
93kpa(700mmHg)の高過給を達成しており、更にS/Cを採用
する事で、タイムラグ無しに高過給が得られた。

・インタークーラーの採用
インタークーラーの装着は、吸入空気温度を低下させ、
充填効率を向上できる為、高出力化には不可欠である。
MA09ERTではアルミ製コルゲートフィンタイプの
インタークーラーをエンジン上に搭載する事で効率よく、
吸入空気温度を低下させている。

・エンジン本体の改良。
大幅な出力向上を行った為、MA10ET型エンジンに対し、
本体構造系、主運動系、動弁系について
基本スペックからの見直しを実施した。

・過給システムの特徴
MA09ERTではT/CとS/Cを直列に配置した。吸入空気は、
T/Cを通過した後、S/Cあるいは、バイパス弁を通って
インタークーラーで冷却された後、エンジンに吸入される。
バイパス弁は過給切替に伴って流入空気の通路を切替える
機能を持つ。その基本作動は吸気系各部の圧力をバイパス弁
に直結する2つの圧力室に導入し、その差圧で
ダイアフラムをコントロールするものである。
圧力室へ導入する各部の圧力については、エンジンの
運動状態により、コンピューターと電磁ソレノイド弁に
よって取り出し口を切り替えるシステムとなっている。
また、S/Cの作動領域において、過給圧が設定圧力以上と
なった場合は、ブーストプレッシャーコントロールバルブ
(BPCV)が作動し、バイパス弁を機械的にフィードバック制御
する事により過給圧を設定圧力にコントロールする。

・複合過給システムの作動について補足・
基本作動については以下の如くである。

1、S/CがOFFの場合、バイパス弁を全開として吸入空気を
バイパスさせてエンジンへ送り込む。
2、S/CがONの時、バイパス弁を閉じ、T/CとS/Cとに寄る
過給空気を有効にエンジンへ送り込む。
3、S/CがONの時、過給圧が設定圧以上となった時は、
バイパス弁を開きS/Cによる過給をリリーフさせる。
4、エンジン始動時には吸入空気量確保の為、バイパス弁を開く。

・運転状態による作動。
詳細は既出のエンジン解説(1)を参照。
エンジンの回転数、負荷、スロットル開度を基本信号として
読み込み、S/Cクラッチソレノイドをコントロールしている。

この3の項目を執筆するにあたり、
下記の文献を参考に致しました。
2006年12月18日、
記ダブルチャージクラブ@首謀者。
※この№3のみ記事保護のため、無断転載厳禁
カテゴリ : エンジン廻り > エンジン > その他
目的修理・故障・メンテナンス
作業DIY
難易度★★
作業時間30分以内
作業日 : 2006年12月17日

プロフィール

「大したことではありませんがここでお知らせです。2024年3月10日投稿。 http://cvw.jp/b/139692/47583774/
何シテル?   03/10 21:23
Welcome!! To a Double Charge Club. ,board to hold by WEB text translation in...
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