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2019年06月07日

日本の自動車メーカーの興亡史 その2

日本の自動車メーカーの興亡史 の続きです。


●マツダ

マツダは昔から好きなメーカーの1つでした。


今となってはもう覚えていないのですが、小学生の頃、市内にあった自動車修理工場だか自動車販売店だかで、店の外に小冊子が「ご自由にお持ちください」って感じで無造作に置いてありまして……


手に取ってみると、ロータリーエンジン開発に関する小冊子でした。



「ロータリー四十七士」、「悪魔の爪痕」、「寝ても覚めても……」、ロータリーエンジン開発に関する言葉のいくつかは40年経った今でも覚えています。



車単体でも、初代RX-7(SA22C)が登場した時は衝撃的でしたね。



当時の国産車は押し並べて箱型をしていて、スポーツカーであるフェアレディZ(S30)もノーズにはそれなりの厚みがありました。(Gノーズを付けて流線形になる様にしたりもしていましたが)


そんな時代に現れたRX-7は、異次元のスタイリングでした。(当時は、スーパーカーブームの真っ最中で、リトラクタブル・ヘッドライトを採用している事もポイントが高かった)


RX-7は3世代全て好きです。(実際、FD3Sは自分でも購入しましたし)


RX-7以外だと、ロードスターもいいですね。個人的には初代(NA)と現行(ND)が好きです。


スポーツカー以外でも注目する車が多かったです。


FF化された初代ファミリア(ファミリアとしては5代目)



この車、スポーティなスタイリングがウケて、特に赤いXGが大ヒットしたわけですが、メカニズム的にも ある画期的なサスペンションが採用されています。


リア・サスペンションの2本のロワアームを台形に配置する事によって、ブレーキングやコーナリング時などタイヤに力が掛かった時に、リアタイヤをトーインさせるというもの。これ、同時期に発売されたポルシェ928のヴァイザッハ・アクスルと同じ考えのものです。


このファミリアで、マツダは第一回カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。


カー・オブ・ザ・イヤーと言えば、2年後のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞した、これもFF化された初代のカペラ(カペラとしては4代目)も、個人的には印象に残っている車です。



もっとも、ファミリアと違って販売台数は(少なくても国内では)伸び悩みましたが……




興亡史といえば、マツダほど波乱万丈なメーカーは無いでしょう。


世界で唯一ロータリーエンジンの量産に成功したかと思えば、オイルショックで燃費の悪いロータリーエンジンが敬遠され、一度目の経営危機を迎えます。


この時は、前述の初代FFファミリアの大ヒットが会社を救います。


一時は、トヨタ、日産に続く、三番目のメーカーだった時期もありましたが、バブル景気に乗って拡大路線を敷き、国内5チャンネル化を図ったものの、バブル崩壊もあり、多額の負債と販売不振で二度目の経営危機を迎えます。


1996年、遂に長く提携関係にあったフォードに救済される形で、フォードの傘下に入ります。


バブル期に導入したV6エンジン等の高コストなコンポーネンツを一世代限りで捨てて仕切り直すも、急ごしらえだったり、開発費を抑えた為にチープだったりで、なかなかヒット車を生むことが出来なかったマツダでしたが、ある車がマツダを救います。


それが、初代デミオです。



サイズ的には平凡なコンパクトカー、デザインテイストは当時もブームだったミニバン風、そしてRVテイストを持たせるルーフレールと、個人的にはコンセプトがブレブレで、中途半端な車と思ったのですが、機械式駐車場に入れる車高など使い勝手の良さがウケて大ヒットしました。


これで当面はやっていけると思われたものの、今度はリーマン・ショックで親会社のフォードの経営が危うくなります。


当時の世界最大の自動車メーカー GMですら破綻したリーマン・ショック、フォードは本体を守る為、ジャガー、ランドローバー、ボルボ、そして マツダを手放します。


「400万台クラブ」だとか、「600万台クラブ」だとか、一定の規模の無い自動車メーカーは淘汰されると囁かれる中、マツダは単独で放り出されます。


しかし、この危機も「魂動デザイン」、「SKYACTIVテクノロジー」によって、規模は小さいながらも、市場に確固たる地位を築き、今に至っています。


先日のブログでも少し触れていますが、今後のマツダの課題は次世代車(電動車)の開発でしょう。


今のマツダのスタンスは、内燃機関を出来るところまで極めようというものだと思います。


電動化のスピードがマツダの予想を大幅に上回る事が無ければいいのですが……








●スバル

スバルは、20年近く乗り続けた、一番愛着のあるメーカーでもあります。


一番印象に残っている車は、やはり最初に買ったGC8ですね。(写真は、後になって買い直した2台目のGC8)



当時は、ホンダのVTEC搭載車(プレリュード)に乗っていて、高性能なNAエンジンが好きでした。


当時、次の車にと考えたのが発表されたばかりのアルテッツァ。


ただ、試乗してみると、2.2Lのプレリュードに対して僅かに小さい(2.0L)アルテッツァは思った以上にパワー不足だし、そもそもVTECほど回る感じもない。


それでいて「ワンプライス販売で値引きはしません」と言われ、「この値段なら、フルタイム四駆で、ターボも付いて280psのインプレッサが買えちまうわ!」と思ったのが始まりです。


そう、それまでスバルの事はこれっぽちも考えていなかったのです。


それまでのスバルのイメージはレオーネ中心のマイナーなメーカー、そして、最近になってレガシィのツーリングワゴンが売れ始めたというものでしかありませんでした。



レガシィは、初代、それもツーリングワゴン(BF)に限りかっこいいと思いましたが、その後も売れ続けた二代目、三代目は然程好きなデザインでもなく、そもそもレガシィは当時ブームだったスキーに行く人が乗る車と思っていました。


私は、せいぜい年に一回スキーに行くだけで、その時は友人の車に同乗させてもらっていた為、レガシィ、そしてスバルに興味を抱くことは無かったのです。


「アルテッツァの値段でインプレッサが買えてしまう」、そんな間接的な理由で興味が湧いた車、でも試乗したら凄かった。


一応、国産車最強スペックの280ps(多分、R34 GT-Rはそんなもんではなかった筈)のエンジンを1200kg台の車に積んでいるのですから速くないわけがない。(確か、パワーウェイトレシオは国産車No.1でした)


さらに印象的だったのが、カーブでは4輪すべてに動力が伝わっている為、車がハンドルを切った方向に進もうとする様子がありありと感じられたこと。(FF車が引き摺る感じで、FR車が押し出す感じだけど、4WDだと車全体が進む感じ)


もう、目から鱗でした。


そんな車が、一声で45万引き。もう買うしかないでしょ!(もっとも、契約後に発表になった限定車に無理を言って替えてもらったので、値引きは無くなっちゃいましたけど……)


その後、GDB、GRB/GVB、VABと、インプレッサ(WRX)に乗り継ぎましたが、GC8のインパクトを超える車は無かったですね。まあ、エンジン形式は同一だし、シャシーレイアウトも同じ、大きく違うのは、大きく、重くなったことなので、GC8を超える事ははなから無理なのですが。




スバルの興亡史、これはレガシィ以前と、レガシィ以降に大きく二分できます。


レガシィ以前、国産車初の国民車たるスバル360や、FF&水平対向エンジンのスバル1000など、日本の自動車史に残るようなエポックメイキングな車はありましたが、規模の小さなスバルは、常に経営不安を抱えていました。



そんなスバルに大ピンチが襲います。アウディ クワトロの登場です。


それまで、乗用車の四輪駆動車と言うのは、ニッチな市場ではあったものの、スバルが独占していました。


しかし、アウディがクワトロで示した4WDの高パフォーマンスにより、各メーカーから乗用車の4WDが出てくることになります。


しかも、レオーネはOHV、ターボはありましたが1.8Lで135psとお世辞にも高性能とは言い難く、パートタイム四駆を含め、今後登場してくるであろうライバルたちと戦えるものではありませんでした。



スバルは決断します。


スバル1000以来、ずっと使用してきたプラットフォームから決別し、全てを完全新設計としたのです。


既に倒産危機も報道されていたほどなので、巨額のコストが掛かる新プラットフォームの開発はまさに背水の陣でした。


完全新設計の車、レガシィの成功は皆さんもご存じのとおりです。


その後、このプラットフォームを使った、インプレッサ、フォレスター、エクシーガといった車を次々に投入、一方で、会社の原点ともいえる軽自動車の生産から撤退するなどの選択と集中を実施。


北米中心という偏ったところはあるものの、利益率は国産メーカー中最高を誇ります。


数字(台数)は追わず、安易に工場のライン拡張も行わずに効率を高めることで対応する。(最近は、その事で生産現場の歪を生んだ結果、品質問題を抱えてしまいましたが)


現在、北米と日本では SUBARUブランドは十分に魅力的なものになっています。


新たにスバルグローバルプラットフォーム(SGP)を採用したり、長らく主力エンジンの座にあったEJ系の後継も出てきました。


順風満帆に見えるスバルですが、若干不安に感じるところも……


北米で、フラット6(EZ36)後継として登場したフラット4ターボ(FA24)、所謂ダウンサイジング・ターボですが、大して燃費は良くないとの事。(スバルって燃費がウィークポイントだよなぁ)


EJ系に比べれば改善しているのでしょうが、完全バランスのフラット6を捨ててまで採用した意義をユーザーが感じてくれるかどうか。


スバル(とポルシェ)だけにしかない水平対向エンジンを採用していたって、フィーリングの良くないエンジンじゃ意味は無いですからね。


(その3 につづく)
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Posted at 2019/06/07 21:26:02

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