お待たせ致しました、連載企画「フェラーリとランボルギーニ」の再開です。
え? 別に待ってない?
そんな事言わずに、お付き合いください。(汗)
えー、再開後のテーマは、ベビーランボです。
「ベビーランボ」、「ベビーランボルギーニ」、人によって略したり略さなかったりですが、ピッコロ・フェラーリと違ってイタリア語で言う人はいないんですね。
ランボルギーニも、V12以外のランボルギーニの事を指し示す言葉です。
まあ、今まではこの一文で済んだのですが、最近になって登場したランボルギーニのSUV、ウルスがV8を搭載していますのでそうはいかなくなりました。
あくまでスポーツカーのランボルギーニで、V12以外のランボルギーニと言う事になります。
なので、ガヤルド、ウラカンのV10系って事になりますが、もう少し遡って、ベビーランボの始祖から話を始めたいと思います。
ランボルギーニ ウラッコ(1973年~1979年)
ランボルギーニ初のV8エンジン搭載車がウラッコです。
当時、ミウラが大ヒットしていたランボルギーニが、次なるターゲットとしたのが、ポルシェ911の「2+2」スポーツカー市場で、フェルッチオ・ランボルギーニがパオロ・スタンツァーニに車体設計を命じた……と言われていますが、実際に意識したのは、やはり、ライバルであるフェラーリが出したディーノだと私は思っています。
ウラッコの発表は発売開始の1973年を遡る事3年、1970年のトリノ・ショーですが、それにしたって1964年発売の911を意識するには遅すぎます。
それに、フェラーリをライバルとして、V12以外に目もくれなかったランボルギーニが、V8エンジン車の生産を開始するには、理由が弱すぎます。
やはり、1967年に発売を開始したディーノ206GTや、1968年の246GTの成功を目の当たりにしての事と考えるのが自然です。
まぁ、ディーノを意識してV12以外のランボルギーニを作る事を決心した後、911の市場も食ってやろうといった野心も芽生え、上記の指示をしたってところでしょうね。
しかし、野心的な計画とは裏腹に、発表から発売が遅れた事もあって、販売状況は思わしくありませんでした。
ディーノと911の両方を食ってやろうという目標の所為で、どっちつかずの車になってしまったと私は思います。
ランボルギーニ シルエット(1976年~1979年)
私は、ウラッコの後継車だと思っていましたが、併売だったんですね。
ウラッコのオープンバージョンという位置づけになっています。
ウラッコから、後席を外し、フロントスポイラーとオーバーフェンダーを追加して、違う車のように見えます。
シルエットという車名は、同時期に始まったグループ5レースカー、通称シルエットフォーミュラを意識していたのではないでしょうか?
ランボルギーニ ジャルパ(1981年~1989年)
先代シルエットをベースにした……って事ですが、すみませんどこが違うんですか? って言うくらいの車ですねぇ。(汗)
まぁ、ランボルギーニが一番苦しい時期ですから、新規車種の開発なんて出来る訳ないし、マイナーチェンジで乗り切るしかなかったんでしょうね。
基本的なメカニズムはシルエットのままで、エンジンが3.5ℓに拡大されたくらいですね。
ランボルギーニ ガヤルド(2003年~2013年)
久しぶりに復活したV12以外のランボルギーニ。
しかし、搭載されるエンジンは、ウラッコ時代のV8ではなく、V10でした。
そのV10エンジンはアウディから供給されるもの……そう、ランボルギーニがアウディ傘下になった事で復活なったのがV10を積んだベビーランボだったのです。
口の悪い人は、アウディR8にランボルギーニのボディを乗せただけ、とも言いますが、R8は2006年発売でV8でデビュー(V10モデルは2009年)ですから、ガヤルドの方が先です。
むしろ、ガヤルドがあったからR8が生まれたと言って良いです。
じゃ、R8はランボルギーニの技術を流用したのかと言えばそうではありません。
前出の通り、エンジンはアウディ製ですし、ボディもアウディ製のアルミスペースフレームで構成されています。
つまり、アウディの技術で作ったのがガヤルドで、それをR8でアウディに戻しただけです。(笑)
前述の通り、エンジンはV10で、当初は5.0ℓ、2008年からは5.2ℓとなっています。
基本的には4駆ですが、限定車LP550-2 ヴァレンティーノ・バルボーニが好評だったことから2駆モデルも用意され、以後4駆モデルがLPxxx-4、2駆モデルがLPxxx-2というグレードになりました。
ランボルギーニの特徴とも言えた、上に跳ね上げるシザードアは日常の使い勝手を考慮して採用されなかった事は、ファンはどう思ったでしょうね。
しかし、日常用途ならば確実に前ヒンジの横開きのドアの方が良いでしょう。
その辺が“普通の”ユーザーにウケたのか、ランボルギーニ最大のヒット作となりました。
ランボルギーニ ウラカン(2014年~)
大成功作となったガヤルドの後継車。
引き続きアウディ製V10を積むウラカンは、兄貴分アヴェンタドールがシングルクラッチのままなのに対し、DCT(ランボルギーニはLDF(ランボルギーニ・ドッピア・フリッツィオーネ)と呼んでいるようですが)を採用しました。
2017年発売のLP640-4 ペルフォルマンテが、発売前の2016年10月にドイツのニュルブルクリンク北コースで、当時の量産車最速となる6分52秒01を記録しました。
ちなみに、この記録はポルシェ911 GT2RSに破られますが、ランボルギーニは兄貴分アヴェンタドールのSVJで破り返します。
この記録もポルシェ911 GT2RSに、マンタイ・レーシングと協力してニュル様にセットアップした
“GT2 RS MR”でさらに破り返しているのですが……。
ニュルの最速記録は置いておいて……実は、このペルフォルマンテ、気になる車でありました。
過去形にしているのは、今は
マクラーレン720Sに気が移っているからなのですが。(汗)
我ながら、気が多いですね。
現行のウラカンは5.2ℓ V10、ペルフォルマンテは640psあります。
5.2ℓ V10がベビーですかねぇ。
V12が大人だとしたら、大学生くらいになってる気がするんですが……。(汗)