連載企画「フェラーリとランボルギーニ」がまだ完了しておりませんが、今日も昨日に引き続いてマクラーレンネタです。
「フェラーリとランボルギーニ」の続きは、いずれちゃんと完了させますので……。
さて、マクラーレンです。
F1界のビッグネームであるマクラーレンではありますが、スーパーカー業界では新参者であり、歴史という面では、フェラーリやランボルギーニとは比べるべくもありません。
だからでしょうか、一部のファンには支持されても、広く支持は受けられず、従ってリセールバリューは決して良くはありません。
っていうか、フェラーリやポルシェなどは、モデルによってはプレミアムがついて、新車時の価格を上回ったりしますからね。
マクラーレンでも例外的に、とんでもないプレミアムが付いている車がありますけど。
それが、マクラーレン F1 です。
マクラーレン F1(1993年~1998年)
マクラーレン F1は、マクラーレンのロードカー部門であるマクラーレン・オートモーティブの前身であるマクラーレン・カーズの第一号作です。
BMW製6.1ℓ V12エンジンをミッドに積んだその車は、F1デザイナーでもあり、鬼才と言われたゴードン・マレーの手によるもので、特徴的なセンターハンドルに、パッセンジャー席が 中央にあるドライバー席の両隣りの斜め後ろに配置されるという独特のパッケージングでした。
ゴードン・マレーの拘りは細部に渡っており枚挙に暇がありませんが、エンジンルーム内側に遮熱のために金箔が貼り付けられられたり、車載工具もチタン製だったりと、まさにコスト度外視で製作された車でした。
公式には最高速度371km/hとなっていますが、ノーマル車で最高速テストを行ったところ391km/hを記録してしまうなどの逸話も残っています。この辺は、カタログ値の最高速度が出るか怪しいイタリアン・スーパーカーとは違いますね。
この車の登場時は、そりゃもう、憧れの車でしたよ。
ただ、これ以降に紹介する、マクラーレン・オートモーティブに変わってからのモデルには、個人的に興味が湧かなかったのは、昨日のブログでも触れた通りです。
マクラーレン MP4-12C(2011年~2014年)
MP4-12Cという車名は、当時のF1カーにも用いられた “MP4” に続いて、12気筒エンジン並みの性能を備えた、カーボンファイバー(Carbon fiber)を使用した車、からきているそうです。
何だかなぁ、って感じですよね。 12気筒エンジン並みなんてぐだぐだ言うなら、12気筒エンジンを積んでみろって思います。(もっとV8エンジンに誇り持てよ)
搭載される 3.8ℓ V8ターボエンジンはリカルド社との共同開発によるもの。
私は知りませんでしたが、当初はAMG製の6.3ℓ V8 NAエンジンを使用するとアナウンスしていたらしいですね。
メルセデスとは、SLRマクラーレンの生産も手掛けるなど提携していたのですが、この提携が解消されたためAMG製V8エンジンの搭載計画はキャンセルされてしまいました。
マクラーレン P1(2013年~2016年)
同時期に登場したラ・フェラーリやポルシェ918と同じハイパーカー。
車名の P1 は “Position 1” の略、予選で1位だった時に無線で入る “P1!” って奴ですね。
エンジンはMP4-12Cと同じ3.8ℓ V8ターボですが、当時のF1に採用されていたKERSのようなシステムが採用されたハイブリッドカーであり、システム最大出力は916PSを誇ります。
現在ではSENNAと共に「アルティメットシリーズ」に属するようです。
マクラーレン 650S(2014年~2018年)
P1の下位モデルであり、「スーパーシリーズ」として実質的には MP4-12Cの後継として2014年にデビューしました。
MP4-12Cと同じ3.8ℓ V8ターボを継続して搭載しており、車名の650は、そのまま MP4-12Cから50psアップされた 650psを示しています。
スタイリングで特徴的なのは、何と言ってもP1から採用された、マクラーレンのマークを模したヘッドライトなのですが、これの所為で、私は P1 と 650S、そして後述の570Sとの区別が出来なくなり、マクラーレンのラインナップが頭の中で混沌としてしまうのでした。(ちなみに、各モデルに使った写真は、ネットで検索して出てきた写真を使っており、タケラッタ自身は区別がついていなかったりします)
マクラーレン 570S(2016年~)
570Sクーペは、マクラーレンのエントリーモデル「スポーツ・シリーズ」の第一弾。
車名の通り570psにデチューンされた、マクラーレン社の車に共通の 3.8ℓ V8ターボを搭載します。
バリエーション拡充の為に設けられた 540S 共々、「スポーツ・シリーズ」も「スーパーシリーズ」も、誤解を恐れずに言えば「アルティメットシリーズ」ですら、同種のエンジンに、カーボン製シャシーが奢られています。
素人考えでは、ヒエラルキーを考えると、エントリーモデルはノンターボにして、カーボン製シャシーも見送ればいいのに、なんて考えますが、それらを使わないで得られるコストダウン効果よりも、それらを新規に開発するコストの方が高く付くので、高コストであることは承知の上でエントリーモデルの「スポーツ・シリーズ」にも採用しているのでしょうね。
そういう意味では、「スポーツ・シリーズ」はお得と言えそうです。
マクラーレン 720S(2017年~)
「スーパーシリーズ」の第2世代(MP4-12Cを第1世代とした場合は第3世代)となり、P1ルックの外観は一新されました。(これで、ようやく区別できる)
車名の720は、4.0ℓに拡大されたV8ターボエンジンから絞り出す720psを示しています。
以前から、マクラーレンやランボルギーニは出力を車名にしていましたが、最近フェラーリも812スーパーファストで、800ps の V12という命名ルールを持ち出し始めました(以前なら百の位は排気量)。出力を車名にするの、流行なんですかね?
720Sの登場時、穴が開いたようなヘッドライトは好きになれませんでした。
よくヘッドライトを目に例えますが、目の位置に穴が開いているので「ドクロ?」なんて思っちゃったり。
でも、フェラーリ360の紹介のところでも書きましたが、スーパーカーデザインは、段々と美しさよりも空力を優先するようになってきています。
そして、フェラーリよりも、その方向で突き詰めているのがマクラーレン。
当然、このヘッドライト形状にも意味はあります。
さすがに、機能美という所まで昇華できているとは思いませんが、まあ、納得できるようにはなりました。(汗)
マクラーレン SENNA(2018年~)
車名の由来は、もちろん、伝説のドライバー、アイルトン・セナ(Ayrton Senna)であります。
マクラーレン自身が、サーキット走行を最も重視したロードカーと言っている車、「アルティメットシリーズ」と称しており、800PS、ダウンフォース800kg、乾燥重量1,200kg未満、凄い数値が並んでいます。(でもエンジンは、基本的に720Sと同じ 4.0ℓ V8ターボ)
一億円超えの価格もさることながら、詳細が発表される前に限定500台は既に完売というのが驚きです。(汗)
ちなみに、F1以外の車がオレンジなのは、私が選りすぐっているっていうのもありますが、ちゃんと意味はあって、オレンジがマクラーレンのコーポレート・カラーだからです。
最近のマクラーレンのF1カーがオレンジだから知っている人も多いでしょうけど、セナプロの時代、もっと遡ると、ジェームス・ハントの時代からマクラーレンはマールボロカラーが有名でしたが、ブルース・マクラーレンがチームを創設した当時は、パパイヤ・オレンジがマシンのカラーリングでした。
少し脱線すると、フェラーリと言うとイタリアン・レッド! と思う人が多いと思いますが、コーポレート・カラーはイエローだったりします。(
ピッコロ・フェラーリ編でイエローの写真が多かったのはそういう理由)
こうやって、マクラーレンの紹介記事を書いていますが、実は私が勉強しているだけだったりします。(笑)
いつマクラーレンを買う事になっても困らないように。(汗)