昨日のブログでは、今日は雨が降らなければドライブに行くつもりって書いたのですが……。
思いっきり降りましたねぇ。
時たま日差しも出ていたので、「これならドライブに行けるかも…」って思って出掛ける準備を始めると、その気分を打ち砕くような土砂降りになるなんて事が続きました。
オマケに、台風が接近した土日以上の強風が吹き荒れ、アコーディオンガレージを開けようなんて気になりませんでしたよ。
あまりの荒天に、全天候型のジュリアに乗る事すら躊躇してしまいました。
もっとも、My ジュリア・クアドリフォリオは、ECUチューンで570ps(510ps+60ps)となっており、それを後ろ二輪で伝えるのだから、もはや全天候型とは言えないか。(汗)
そんな訳で、この3連休は買い出し+α程度しか車に乗っておらず、『自分のカーライフ』ネタがありません。
そこで、ちょいと面白いと思った YouTube動画を紹介致します。
題して
“【スバル変態エンジニア伝説】「初代インプレッサ・WRX」(GC8型)の開発秘話を解説”
ははは、スバルのエンジニアが変態呼ばわりされてますよ。(爆)
まぁ、一部の人はこの意見に共感してくれると思いますがね。
中でも、初代インプレッサ(GC8)開発時に「ハイパワーグレード(WRXですな)の開発」や「WRC挑戦」をエンジニアに直前まで内緒にしており、その理由として、それを知ったらエンジニアがソッチの開発に夢中になって、メインストリームの開発が疎かになるからっていうのには笑いました。
とにかく、技術を追求しすぎるきらいのあったSUBARUに対して、リスペクトの意味を込めて“変態”の2文字を使っているものと思われます。
そんな”技術変態”のSUBARUの歴代ラインナップの中でも、世界ラリー選手権 (WRC) でチャンピオンを獲得し、世界中に
変態SUBARUファンを広げた
変態車名車である初代インプレッサが、当初は水平対向エンジンではなく、直列4気筒の横置きFF車として開発が始まったという話に、違和感を持った方もいるのではないでしょうか?
実は、今でこそ水平対向エンジンしか作っていないSUBARUですが、当時のSUBARU(富士重工業)は、軽自動車も作っており、軽のエンジンは直列エンジンでした。
そしてSUBARUは、軽自動車で真っ先に4気筒エンジンを作るなど、直列エンジンでも
変態他社以上に技術に拘りを持っていたんです。
ちなみに、動画中で「スバルには、ジャスティっていう直列エンジンを横置きしたFF車もあったんだよ」って言っていますが、この車は軽自動車のレックスのワイド版です。
技術的にも、2気筒だった軽自動車のエンジンをベースに1気筒足して3気筒のリッターカーにしたもので、ボディパネルもレックスのサイドパネルを流用したジャスティは、鳴り物入りでデビューした日産・マーチに敵う筈もなく、モデルチェンジする事なく消えました。(世界初のCVTなど技術変態らしさは見せていたんですけどね)
つまり、もしインプレッサが直列エンジンの横置きFF車となっていたとしても、ジャスティは参考にすらならない車だったんです。(参考になるのはヴィヴィオやプレオといった、直列4気筒となった軽自動車の方でしょう)
まあ、そんな訳で、SUBARUにも直列エンジンを作る技術はあったのですが、だからと言って、初代レガシィで新規に開発したばかりの水平対向エンジンを使わずに直列エンジンに切り替えるでしょうか?
動画中で、SUBARUが直列4気筒の横置きFF車を作ろうとした理由を「水平対向エンジンはスバルとポルシェしか作っていないマイナーなエンジンであり、他社の直列エンジンの開発スピードに置いて行かれる」としていますが、これは違うと思います。
初代レガシィと共に登場した水平対向エンジンは、名機の誉れ高いEJ20です。
技術的には何ら劣っているところはありません。
いや、燃費的には劣っているか。
そう、燃費です。
水平対向エンジンっていうのはクランクシャフトを挟んで左右にピストン&コンロッドが配されており、とても幅が広いエンジンとなってしまいます。
一般的な直列エンジンの寸法は、一組分のピストンが動くストローク分の“高さ”となりますが、水平対向エンジンは2倍”の幅”が必要になってしまいます。
さらに、インプレッサはCセグメント(カローラクラス)として企画された為、車体の幅を広げる訳にはいきません。
水平対向エンジンを成立させるなら、ショートストロークにせざるを得ないのです。
しかし、燃費(熱効率)を考えれば燃焼室をコンパクトにできるロングストロークの方が有利。
つまり、SUBARUのエンジニアは、燃費が良くて使い勝手の良い、王道の小型車を作りたかったのだと思います。
しかし、悲しいかな、当時のSUBARUには、インプレッサの為に専用のエンジンを開発するだけの余裕が無かった。
そこで、初代レガシィの時に開発した“在り物の” 水平対向エンジン、EJ20を積んだ。
燃費的には不利な(ショートストロークの)水平対向エンジンも、パフォーマンス面では有利になります。
そうして生み出されたインプレッサは、標準モデルよりスポーツモデルの販売比率の方が高いという、変態御用達の車となったのです。
結果として、インプレッサ(GC8)は世界ラリー選手権 (WRC) を席巻。
SUBARUの名は、世界的なブランドとなったのでした。
まさに、結果オーライ。
あの時、使い勝手を考えて真面目に直列エンジンでインプレッサを出していたら、今のSUBARUは無かったでしょうねー。