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タケラッタのブログ一覧

2021年06月08日 イイね!

追悼、マンスール・オジェ

追悼、マンスール・オジェ日曜日の F1 アゼルバイジャンGPの決勝スタート前、2人のF1関係者の追悼の時間がありました。


一人はマックス・モズレー元FIA(FISA)会長。


前任者ジャン=マリー・バレストルの独裁状態だったFISAを、まともな方向に導いてくれた人でした。


そして もう1人、マクラーレンの株主だったマンスール・オジェも、68歳という若さで亡くなってしまいました。





皆さんは、マンスール・オジェについてどれくらいご存じでしょうか?


亡くなった時の立場はマクラーレンの株主の1人に過ぎませんが、マンスール・オジェがF1界に残した功績は計り知れないものがあります。





マンスール・オジェ(1952年6月24日 - 2021年6月6日)


オジェがF1に係わるようになったのは1979年、ウィリアムズへのスポンサーとして車体横に“TAG”のロゴを飾ったのが最初でした。




ウィリアムズは、前年からサウジアラビア航空(FLY Saudia)がスポンサードしており、サウジアラビア人のオジェは その繫がりからウィリアムズへのスポンサードを決めた様です。


現在の低迷するウィリアムズしか知らない最近のファンは、かつてウィリアムズがホンダやルノーエンジンを積んで、ナイジェル・マンセルやアラン・プロストなどがチャンピオンを獲得した常勝チームだったと聞いたら驚くでしょうね。


しかし、その頃の強いウィリアムズを見てきた40代のF1ファンは、逆にウィリアムズが弱小チームだった事を知らないでしょう。


自ら興したチームがカナダの石油王ウォルター・ウルフに買収されたF・ウィリアムズは、1977年に再び自らの名を冠した『ウィリアムズ・グランプリ・エンジニアリング』を興します。


当時のウィリアムズには、パトリック・ヘッドをはじめ、フランク・ダーニー、ニール・オートレイ、ロス・ブラウンという、今思えば錚々たるメンバーがいましたが、所詮は新興チームです。


初年度は自分らのマシンすら用意できず、マーチ・761を購入して参戦したほどでした。


カーナンバーも既存のチームが使っていない 27、28 という大きな番号を使わざるを得ませんでした。


しかし、オジェを始めとしたサウジマネーを得たウィリアムズは長年の資金難から解放され、1980年にドライバー&コンストラクター両方のチャンピオンを獲得したのです。(つまり、ジル・ビルヌーブの代名詞 カーナンバー27は、新興チームのウィリアムズがチャンピオンになった為、前年のチャンピオンだったフェラーリがその番号を使わざるを得なくなったからなのです)







ポッと出の新興チームをチャンピオンまで導いたオジェでしたが、TAGのロゴはウィリアムズ以外のマシンにも付く事になります。


それがマクラーレンでした。




テディ・メイヤーが率いていたマクラーレンに対して、ロン・デニス率いるプロジェクト4が合併。(事実上はデニスの乗っ取り)


ジョン・バーナード設計による、F1初のカーボンモノコックを採用したMP4/1や、元チャンピオンのニキ・ラウダの電撃復帰などで着々と強豪チームへの復帰への道筋を建てていたマクラーレンに必要だったのは、新世代のターボエンジンでした。


そのターボエンジンこそが、TAGポルシェでした。


そのネームバリューから、よく「マクラーレン・ポルシェ」と言われましたが、正式にはマクラーレン・TAGポルシェであり、ポルシェは TAGに依頼されてエンジン設計を行っただけで、決してワークスエンジンでは無いのです。


だから、もし略すなら「マクラーレン・ポルシェ」ではなく「マクラーレン・TAG」なんですよね。(汗)


初めてTAGポルシェの話を聞いた時、「えっ、何でスポンサーをしていたウィリアムズじゃなくて、マクラーレンにエンジン供給するの?」って思ったもんです。


まあ、ウィリアムズにTAGポルシェが供給されていたら、第二期ホンダF1は無かっただろうから、ウィリアムズにも供給されなくて良かったんだけど……






マクラーレンを強豪チームに復活させた後、マクラーレンがどうなったかは皆さんもご存じでしょう。


セナ&ホンダエンジンを擁し、マクラーレンは一時代を築きました。




マクラーレンとオジェ(TAG)の関係はさらに結びつきが強くなります。


単なるスポンサー、エンジン供給に留まらず、資本関係も持つことになります。


っていうか、一時期はTAGマクラーレン グループとなり、両社は一体となっていました。


ググっても出てきませんでしたが、一時期、F1での標準ECUだか何だかに採用されたものが TAGエレクトロニクス製でしたね。


ただ、現在TAGはマクラーレンからは離れてしまったようです。(前述のTAGエレクトロニクスも、マクラーレン・エレクトロニクスになった希ガス)


オジェも、かつてはマクラーレンの大株主だった筈ですが、いつの間にか単なる株主になっていました。


もはや、現在のF1はオジェの様に個人の力ではどうにもならない程、巨大なものになってしまったって事ですかね。


いや、ディートリヒ・マテシッツ(レッドブルの創業者)は、今のF1界でも影響力を発揮しているな……







ちなみに、TAGといえば、スイスの時計メーカー “ホイヤー” を買収して TAGホイヤーとなりましたが、今はLVMHの傘下になっています。
Posted at 2021/06/08 23:17:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | F1 | 日記

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