二日ほど車とは無縁なブログが続いたので、本日は車ネタで行きます。(笑)
先週、とある みん友さんから要望があったようなので(笑)、本日は ”グループB” について書いてみます。
グループB
1982年に 当時の国際自動車スポーツ連盟(FISA) によって定められた自動車レースに使用する競技車両のカテゴリーの 1つ。
カテゴリーはアルファベットで表され、主なカテゴリーとしては以下のものがありました。
・グループA
連続する
12ヶ月間に5000台製造された車両
・グループB
連続する
12ヶ月間に200台製造された車両
・グループC
2枚のドアを有する(実質的に2座の)レーシングカー
それまでのカテゴリー分けは1~8までの数字で分けられていて、こちらの主なカテゴリーは以下の様なものでした。
・グループ4
連続する
24ヶ月間に400台製造された車両
・グループ5
外観だけ市販車の形状を有する車両(俗に言うシルエットフォーミュラーカー)
・グループ6
2座席のレーシングカー
各クラスの車種をポルシェで説明すると、グループ4 が量産車の911 をベースにチューニングを施した
934。
グループ5 は "外観は911" という
935
グループ6 が
936 でした。
ポルシェは、車名の1の桁がグループ名だったので分かり易かったです。(笑)
1982年のカテゴリー変更では、大雑把に言えば グループ4がグループB、グループ6がグループCに変更された感じです。
なんか グループ5に替わるカテゴリが無い感じですが、そもそも グループ5の「外観が市販車」というレギュレーションに合致する為には、最低でも下位カテゴリであるグループ4の
400台製造を満たす必要がありました。
当時のスポーツカー選手権はグループ5で行われていましたが、ほぼポルシェの独壇場であり、BMWは「ポルシェに勝つ為」に M1を開発する事になります。
ただ、本来のBMWとは異なる車だった為、レギュレーションの400台製造の達成には困難を極めました。(その話はまた別の機会に…)
結局のところは、製造台数を義務付けたという意味ではグループ4とグループ5は同じだったんですよね。
ちょっと話が長くなりましたが、グループBは「連続する12ヶ月間に200台製造された車両」であり、従来カテゴリーであるグループ4の「連続する24か月間に400台生産された車両」から負担を軽減したものになった訳です。
FISAにしてみれば、参入障壁を低くして、多くのメーカーの参加を促したかったのでしょうね。
そして、そんなFISAの思惑通り、WRC(ラリー)には多くのマニファクチャラーが参戦しました。
ところで、グループ4〜6の説明ではレーシングカーを例にしていましたが、グループB車両にはラリーカーのイメージしか持っていない人も多いのではないでしょうか?
しかし、グループBは決してラリーカー専用のカテゴリーではありません。
あくまで"競技車両"のカテゴリーであり、それはサーキットを走るレーシングカーにも適用されるものです。
グループB車両がラリーカーばかりなのは、当時のラリー選手権(WRC)を戦っていた車両がグループ4であり、スムーズにグループBに置き換っていったからです。
その一方で、サーキットを走るレースはと言うと、BMW M1のところでも述べましたが、ポルシェ935が強過ぎた為、レースカテゴリー自体が無くなってしまったのです。
新たなレギュレーションでの耐久選手権(WEC)は、グループCで行われていました。
しかし、数は少ないものの、サーキットレースを念頭にしたグループB車両の開発を行っていたメーカーもありました。
その、数少ない車というのが…
フェラーリ288GTO
1984年のジュネーブショーで発表された288GTOは、エンツォが関わった最後の車である F40のベースとなった車でもあります。
GTOのOは、ホモロゲートを表すイタリア語『オモロガート(Omologato)』の頭文字で、その名の通りグループBのホモロゲートを満たす車として開発されました。
まあ、どちらかと言うと、フェラーリの歴史的名車 250GTO へのリスペクトだと思いますが…。
ポルシェ959
959は、1983年のフランクフルトモーターショーで発表された"グルッペB"をベースとして、1986年に登場しました。
ただ、この959をグループBと呼んで良いのかというと微妙なところが…。
この959が登場した1986年、事実上グループBが終焉。
前出のフェラーリ288GTOを含め、グループB車両として開発はしたものの、戦う筈だったグループBレースは開催される事も無く、カテゴリー自体が無くなってしまったのです。
長くなったので……
ーつづくー
Posted at 2024/03/28 23:40:22 | |
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