
(はじめに)
昨今、新聞はじめメディアでアジア新興国の政治・経済に関わらず記事を目にしないということはまず無い。今更言うまでもないが、アジア新興国で成長著しい国と言えば中国だ。一方で中国の経済発展に陰りが見え始めたという評論もあることは確かだが、鈍化しているとはいえ、プラス成長していることには変わりはない。
私も仕事の関係で、中国と関わり駐在こそしなかったが2010年、2011年の2年間は、日本と中国の行き来が激しく過渡期では、日本にいるより中国に出張している期間の方が長かったときもあった。
私が、仕事で長らく関わったのは、中国の都市でも上海であり、逆に言うと中国の上海以外には行ったことはない。日本人なら上海と聞いて、まず知らない人はいないだろう。
そんな中国(上海)での車や交通事情を中心に、時にはエピソードも交えながら、紹介していきたいと思う。
(飛行機)
当たり前だが、日本から上海に行くためには、飛行機に乗る必要がある。成田もしくは関西国際空港から上海の「浦東(プートン)」国際空港もうひとつは、羽田空港国際ターミナルからの「虹橋(ホンチャオ)」空港である。虹橋空港は、基本的に中国の国内線を扱う空港であり、ごく限られた国際線しか乗り入れをしていない空港でこぢんまりとしている。
一方の浦東国際空港は、その名も示すとおり国際空港であり、世界各国の飛行機がここから離発着している、非常に大きな空港だ。
羽田空港から虹橋空港に行くルートは、羽田空港が都心からアクセスし易いこともあり、主にビジネスマンが多く利用する。航空運賃も少し割高だ。浦東空港は、ビジネスマンももちろん利用するが一般客も多く利用する。私も観光ではなくビジネスで上海に行っていた一人であり、羽田と成田の両方を利用していたので、浦東も虹橋も両方利用していたが、多くは成田経由の浦東である。
何故かというと、先にも書いたが虹橋空港はこぢんまりとしていて、「つまらない」のである。免税店も2、3件しかなく非常に退屈な空港だ。一方の浦東空港は、むちゃくちゃでかい、それでも何度も行き来しているとさすがに飽きるので、偶に虹橋を利用するという感じだ。ビジネスマンとして浦東を利用する一番のメリットはWi-Fiのフリースポットがあり、無料でインターネット接続が可能だ。
次に実際に、日本から行くとなると日本人であればまず、航空会社はJALもしくはANAを利用すると思うが、もちろん中国東方航空などの中国の航空会社を利用することも可能だが、観光は知らないが、ビジネスマンでそれらを利用する人はほとんどいないと思う。
JALもしくはANAを利用といっても、日本から上海への便は、すべてコードシェア便だ。コードシェア便というのは、日本の航空会社(JAL,ANA)と中国の航空会社が共同(相互コスト負担)で運航をしていることを言う。
なので、便によってはANAやJALの飛行機でなく中国の航空会社の時がある。もちろんこれは便名からどちらの飛行機を利用するのかが予約段階で分かるので、中国の飛行機を避けたかったらきちんと確認した方がいい。
「避けたかったら」という意味は、このコードシェア便を利用した場合、航空運賃は日本の機体でも中国の機体でもほとんど変わらないが、機内サービスの内容は雲泥の差である。冗談抜きに雲泥の差である。素直に、詐欺にあったような気分になる。
私も、たった一度だけ、予約が取れずやむを得ず中国の機体(航空会社)を利用した事があったが、本当にとんでもない目にあった。それからは、絶体に利用しないことにしている。例え予約が取れなくても、仕事のスケジュールを調整して中国機体(航空会社)は絶体に利用しない。
まず、機内の雰囲気が違う。中国の航空会社なので日本人は少なく、今の中国の経済事情を伝えているのだが、ほとんどが中国人しかも団体の日本への観光客だ。
これが、とにかく五月蠅い半端ではない。他人の迷惑などは考えない。さもするとCAの言うことも聞かず、シートベルトサインが出ているにも関わらず、立ち上がって歩き出す始末である。これはさすがにCAも注意するが、逆にシートベルトサインが出ていないときが壮絶だ。
団体客で席が離れていると、みな立ち上がって、席を移動しはじめる。そうすると、自然とあちらこちらで、人の塊ができて、そこで井戸端会議のようにぺちゃくちゃと話し始める。また、声量も半端でないので、とにかく機内じゅうがすごいことになる。
つづいて機内食であるが、中国の航空会社の食事は、日本のコンビニ弁当より質が落ちる。しかも、冷たい。日本の航空会社では例えエコノミークラスでも、「弁当」ではなく暖かい「ランチ/ディナー」が出てくる。中国の航空会社は、繰り返すが「弁当」だ、しかも日本のコンビニ弁当より質が低い、量も少ない。日本のコンビニ弁当の方が暖ためてくれるし味も内容もはるかに良い。中国人はこれを知っているのか、何人かは機内にカップラーメンを持ち込んで、食べだす。お湯は、おそらくCAに頼んで入れてもらうのだと思う。これが、また最悪だ、あちらこちらからカップラーメンの臭いがして機内に充満する、色々な臭いが混じり悪臭に変わる。気持ち悪ささえも覚える。
そしてトドメはゴミである。辺り一面、飛行機の床は、弁当のフタや紙ナプキン、紙コップなどのゴミが散乱している。これは実害はないが、日本人としては視覚的に耐えられない光景である。
中国人のゴミに関する意識は、どこへ行ってもこれが当たり前のことだ、上海万博に行った際も凄かった。これは、追々紹介していくことにする。
最後は、飛行機でのサービスの要となるCAだ。先の弁当だが、片手でまるで囚人に給食を配るかのように、ポイポイと無表情で渡していく。もっとも、中国人のサービス業に携わる人に限らず多くの中国人は表情を顔に出さない。笑顔どころか、機嫌が悪いのかさえ思ってしまう。お国柄と言えばそうなのだろうが、日本では即日クビになってもおかしくない対応だ。
逆に、中国人に日本人の顔の表情の事を聞くと、日本のアイドルはいつもニコニコしてて頭が弱いのか?と思うと言っていた。中国人の男性が好むのは、ツンとした、すこし冷たそうな感じがする方が、頭が切れて美人ということらしい。
まぁ、顔のことは百歩譲って国それぞれなのでよいが、客を客と思わない態度が最悪だ。
まず、トイレ、こちらが機内の通路を通って、トイレに歩いて来るのが見えても、CAは客より先に自分がトイレに入ろうとする。というより、この客より先に用を足さねばと急いでトイレに入る。日本の航空会社は逆だ、CAが入ろうと思っても、客が歩いて来るのが見えたら、譲るのである。さすがに、客を差し置いての中国人CAに関してはNGだと思った。こんな態度だと、いざ航空事故が起こった場合の緊急脱出など、どうなってしまうのか不安になる。
あとは、これは偶々起こった事件だが、機内サービスで隣の客がコーヒーを頼んだ際に、私が通路側だったので、丁度、私の上で、コーヒーをついでいたのだが、ぽたぽたとスーツの上にコーヒーをたらされた。
「ちょっと、ちょっと、たれてるよ」と日本語で指で合図をすると、CAも気がついたようだが、その後、紙ナプキンを、また片手で2、3枚私に手渡し、無表情で何事もなかったかのように、前の席のサービスに行ってしまった。。。。
他、オンデマンド(機内映画上映サービス)が無い、空港でデッキに直接接続しない場合がある(バス移動)など、日本の航空会社に比べ、ものすごく劣る、かといって料金は大差ない。
では、何故中国人は日本の航空会社を利用しないのか?というと、コードシェア便の場合、中国人が中国から購入した、中国航空会社の機体を利用する場合は、チケットは非常に安価であるのだ。
逆に、日本人はどちらを利用してもほとんど料金が変わらない。これは、気をつけた方がいい。
とにかく、ナーバスな人間でなくとも間違いなく、目的地に着いた時には頭痛を発症している。絶体に日本の航空会社を利用することをお勧めする。更に言うと日本の航空会社でも、最近は中国からの団体客が利用している場合もあるので、遠慮なしにチェックインカウンターで、中国人の団体客がいないか?と聞き、もしいたら席を離れた場所にできないか交渉してみよう。空席があれば、問題なくチェンジしてくれる。
とにかく、中国人は徹底した個人主義だ、日本人のような他人への心遣いなどを期待してはいけない、また、咳払いや顔の表情で相手に気持ちを伝えようとしても通用しない、はっきり口に出して言わないと、なにも通じない。
例え口に出したとしても、遠回しの言い方で相手に伝えるのは逆効果でむしろ誤解を招きかねない。はっきりと、言いたいことを直接的に相手に伝える必要がある。
最後に誤解を招かないために言っておくが、私は中国人の悪口を書いているのではないし、書くつもりもない、中国人の習慣や価値観の違いなどからくるギャップを実際の経験から事実に基づき書いている。中国人からすれば先のアイドルの表情の例ではないが、日本人の方がおかしいと感じている面も多々ある。私は、日本人として日本人の目線で書いているだけなので、決して悪口を書いているわけではない。