ショウジのブログ一覧

山道を喋りながら暫く走っていたら、０野からの返事が無い。
生真面目な男なのに、助手席で眠るなんてよほど疲れているのだろう。
暫く眠らせてやろう、と仏心を出したのが間違いだった。
話す相手もいず、そろそろ睡魔が現れる頃、カエルが前を横切った。
べチャ、カエルを轢いた様だ。こんな山奥にカエル？
近くに池でもあるのだろう、あんな小さなカエルでも轢けば大きな音が鳴るのに、人間を轢いたらどんなだろう、と背中に寒気を感じながら走っていると、私の右後方からなにかが現れた。
エッ！
なんだろう
横目で、恐る恐る見るが、怖くてチラッチラッとしか見れない、
カーブの連続なのと恐ろしいのとが、混ざって首を90度にまげて
見れないのだ。
なんやろ、なんやろと段々怖くなる。
一瞬だけ４５度位首を曲げて、その者を見る。
ノ、ノ、ノッペラ坊だぁぁ～。
肌色の顔に目も鼻も口も無い、確かに一瞬だけど見た。
ウ、ウワァア～と叫びたいが、声が出ない。
人間あまりにも怖いと恐怖で、叫び声など出ない。
逃げなくちゃ、と思いアクセルを踏み込む。
一瞬消えたかと思えたが、また現れる。
もっとスピードを出したいが山道なので、限界がある。
なんだか小首をかしげながら、こちらを覗いているみたいだ、
あわてて前を見ながら窓を閉めるオートでは無いから
必死で、ドアのハンドルを回す。
危なかった、中に入られでもしたら大変だ。

明日へつづく