ショウジのブログ一覧

逃げなければ・・。兎に角必死で、運転する。
気づいたのは、右カーブでは離れるが、左カーブになると
寄って来る。それもコッチを覗きこむ様に。
コイツは走っているのだろうか？
フェンダーミラーを見る。真っ黒の中に顔だけが浮いている。
生首だ、のっぺらぼうの生首だ。
恐怖におののいた、もうパニック状態。
ブレーキを踏もうがアクセル吹かそうがまるで、貼り付いた
様に着いてくる。
これ以上、逃げようとスピードを上げることは出来ない。
今でさえ、限界以上の運転しているのにもう無理だ。
逃げれない・・。
目から涙が出てきた。
もう景色がぼやけてきた。
一体コイツはなんなんだ、正体を見極めてやる。
不思議なもので、逃げ切れないと諦めた途端、少しだけど
勇気が出てきた。
道はストレート、少し速度を落として、見極めるにはココしかない。
私は、ありったけの勇気を振り絞りその物を、ハッキリ見ようと
決断した。
今だ！
グイッと首を９０度回しハッキリとその者を見た。
ウ、ウワ～ッ。

エッ！

あ、足の裏。
従兄弟が後ろの席で、窓の外に足を出しているだけ。
思いっきり腹が立った、私は黙って車を止め半泣きで、
従兄弟の足の裏を平手で、何度も何度も叩いた。
コイツ、コイツと叫びながら、従兄弟はあまりの痛さに目を覚まし、痛っ、痛っ、なんや、なんや、なにすんねん。
訳を話すと、二人は涙を流しながら腹を抱えて笑いました。
従兄弟は、足が窮屈なので、窓から足を出して寝ていたそうです。
チャンチャン！
ある人に口止めされていたと言うのは、従兄弟の事だったのです。
なにしろ、足が大きくてサイズの合う靴がこの当時何処にも
売って無くて、進駐軍のお下がりを買っていたそうです。
この話を知ったあなたに、従兄弟から、言わんといてや～
とメールが来るかも（笑）