ショウジのブログ一覧

僕は、クロスの職人をしています。

新築の家のクロス貼りや、改築の貼り替え工事等々、その中で老人ホームの居室

の貼り替え工事も僕の仕事です。

これはちょっと前、その老人ホームで仕事した時の事。

この前、会社から電話があり、その日貼りかえる部屋と、他の部屋も一部分だけ

貼り替えて欲しいと依頼があったので、どの部分か聞いて、必要メーター数を測っ
て欲しいと。

早速、現場に着いてスタッフの人に、訪ねてみたが、知らないと言う。

どうしたもんかと思案していると、「分かりました、知ってるスタッフがいるか

聞いてみますので、仕事してください」と言われ、その日、貼り替える部屋に入

って仕事しかけると・・

別のスタッフが来て、その部屋に案内してくれた。

えらい、美人のスタッフだった、なんか今日ついてる気がした。

「部分貼り替えって、プロの方が貼り替える部分を指摘するのでは？」

「いえ、ホームから指示があるんですよ、なのでそれを伺いにきたのです

が・・」

「そうなんですか？では、確認をしてきますので、おたくの電話番号を教えてい

ただけませんか？」

「えっ！？あ、はい」と電話番号を教えた。

スタッフが消え、暫く仕事していると電話がかかって来た。

電話番号だけなので、先ほどのスタッフだと思い、電話をとった。

「もしもし、ショウちゃん、私、分かる？」

「えっ！？誰ですか？」

「ショウちゃん、全然変わって無いなぁ～、昔のまんまやん、私、変わったや

ろ？」

「ごめん！誰かわからへん、誰なん？」

「○エやん、驚いたぁ？」

「○エー！嘘ぉー！どないしたん！いや、何処いっとってん！」

「そうそう、さっきの部分貼り替えの件分かる人行かせたから・・私仕事終わっ

たら電話してもええ？」

「おう！なんぼでもしてきて、待ってるわ！」

○エは青春時代同棲していて、僕の怠慢な愛と傲慢な愛に嫌気がさして出て行っ

た彼女だった。

何度、家に電話しても、取り次いで貰えず、結局２度と逢う事は無かったに・・

でも、なんで一目見て僕と分かったんだろう？

あの頃は髭など生やしてなかったのにぃ。

マスク？そうか老人ホームでは、インフルエンザが怖くてホーム内では、マスク

を付けなくっちゃならない、マスクしてると髭が見えない、見えるのは目だけ！

目はあの頃となんら変わってないのか。

それにしても、同じ条件で僕は○エを見抜けなかった。

女は化粧で変わるしなと自分に言い訳した。


３時ごろ、彼女から電話がかかって来た。

「私、あれから何度もショウちゃんの家に電話してんで、なんで電話くれへんか

ったん？」

「俺こそ、電話したわ！死ぬほど探したわ！」

「結局、ショウちゃんは結婚してたやん」

「そりゃ、するやろ？ふられて何年も経ったら」

「私は結婚してへんねんで」

「うそー！」

「嘘！」

「な～んやそれっ！」笑い

「今度、逢えへん？」

「ええよ、つもる話もある事やし」

「今度の日曜日なんかどう？」

「おう、ええなぁ～、じゃ今度の日曜日にな！」

と言う事で偶然の再会が・・・



ある訳ないやろ！妄想ですが、何か？