2016年04月02日
入院のあくる日に、昏睡状態に陥り、医者から原因が分から無いので手の施しようが無く、今が ヤ
マなのか、回復できるのか全く分かりませんが、覚悟をしておいて下さいと言われ・・
兄妹で代わる代わる呼びかけていたところ、意識を取り戻し翌日の夜には、ハッキリと受け答え が
出来るようになり、みんなに迷惑が掛かるから、あのまま死にたかったと言う母に「お父ちゃん が迎
えに来たんか?」
「来てへん」
「ほんなら、未だ死なれへんわ!迷惑は掛かってへん!迷惑を掛けてると思うんやったら、早よ 元
気になりやぁ」
「そうか、分かった」
とそれから、日々少しづつながら元気を取り戻し、床ずれを起こしたら大変と
妹達が代わる代わ る病院に、付きっ切りで面会に行き、時間毎に体位を入れ替えながら、時々「お
母ちゃん、リハビ りしよう、手をグッパグッパしてぇ、足を動かし」って、看護をしてた。
「退院したら、みんなでアカセン食べに行こうなぁ~、一心寺に居るお父ちゃんにお参りしようなぁ
~」
「うん、アカセン食べに行こう、一心寺に行きたい」
日曜日に急に様態が悪くなり、先生に呼ばれて病室に入ると、息も切れ切れでハァハァ言いな がら
「帰りたい、連れて帰って」
苦しむ姿と言われた言葉に、死期を悟ったのかと焦った。
「母ちゃん、約束したやん家に帰るにはせめてポータブル便所で用が足せるよ
うにならなアカ ンって、病気治ってへんのに退院でけへんよ」
すると僕の手を掴み「痛い!痛い!」って苦しみだした。
何処が痛いのか聞いてみると、下が痛いって。
慌てて看護師さんを呼びに行って、看て貰ったら下が腫れて一皮むけてるんです、皮膚と皮膚がくっ
ついてる 所が癒着してまして・・お薬を塗りましたので・・
三女が駆けつけ母を見るなり「お母ちゃん、頑張りやぁ約束したやん!みんなでアカセン食べに 行こ
うって!」
「みんなに、迷惑ばかり掛けてるから、もう死にたい」
妹は、泣きながら叱咤激励をして母を励ましていたが、僕は母の苦しむ姿を見て 「父ちゃん、母ちゃ
んが可愛そうや、治らんのやったら早く迎えに来て!
治るのなら早く治してあ げて」と心の中でお願いをした。
それでも母を励ますために「母ちゃん、頑張って治して早く退院してご飯を作ってやぁ」
「もう、嫌や」って言われた。
先生からは、リハビリを来週から始めようと思いましたが、良くなったり悪くなったりの繰り返し と、
MRIの結果を見れば、仙骨を骨折してるの、2カ所のヘルニアが神経をかなり圧迫してます。
ハッキリと言って、寝たきりになります、リハビリは断念しますと告げらた。
先生に母に寝たきりになるとは告げられないので、リハビル頑張ろうと声を掛けて行きますよと言 え
ば、私からもリハビリに向けて頑張って行きましょうと言いますのでって。
話が終わり病室に戻ると、母の容態が良くなっており、自主的に手を上に上げてグッパグッパし なが
ら足を動かしていた。
「兄ちゃん見て、母ちゃんリハビリ頑張ってるわ♪」
「母ちゃん、頑張って家に帰ろうなぁ~」
「はい」って
次の日、3女は休んで看病に努め、インフルエンザだった長女が先生からお墨
付きを貰ったから と3女と一緒に看病し3女には良くなったり悪くなったりの繰り返しやから、休んで
も仕方がないって帰した。
仕事帰りに見舞いに行くと、元気と聞いていたがそうは見えなくて息切れ激し
く意識が朦朧として いる様に見えた。
それでも、母は病院の館内放送の面会時間が終わったのでお帰り下さいの声を聞き 「もう、遅いか
ら気を付けて帰りやぁ」って自分の事より子供の事を心配している。
次の日もお昼は調子が良く、長女と話をしながら、グッパのリハビルをしていたそうだ。
僕が仕事帰りに行った時は、眠そうにしてた。
「母ちゃん、眠たいんか?」
「両方やな」
「何が両方なん?眠たくてしんどいの?」
「眠たくてしんどい」
「母ちゃん、無理せんと寝ぇ~や」
「会社の名前なんやったかなぁ?」
「会社の名前?俺が働いてる会社の名前か?」
「そうや、聞いて無かったわ」
「藤原産業やで」
「藤原談業か」
「母ちゃん、面会時間が過ぎたから帰るよ」
いつもなら、気を付けて帰りやって言うのだが、この日は目を開けるのが精一杯みたいだった。
昨日、11時過ぎに看護師から電話が有り意識が無くなった状態です、危ないのか意識を取り戻 す
のか分かりませんが、来ていただけませんか?と
妹達に連絡を取って、母の容態を見て連絡すると言い病院に駆けつけた。
長女が病室に来ていた、次女は滋賀から駆けつけると連絡が有った。
3女はヘルパーの仕事中で、逐一報告して欲しいと連絡してきた、仕事が終わると駆けつける と。
電話してくれた看護師さんに聞くと、先生が呼んだ訳ではなく、母は家族が来ると元気になるみた い
なので、意識が無くなったのでご家族が来ると元気になると思って連絡しましたって。
代わる代わる呼びかけたが反応は全く無かった。
そんな状態でも息切れしてなく呼吸も穏やかに普通に眠ってみたいで安心してた。
気がかりなのは、顔の浮腫みと手足の浮腫みパンパンに浮腫んでいる。
昨日帰りがけに見た尿の量と殆ど変わってないので、看護師さんに聞くと、点滴に利尿剤を入れ て
るのですが、今日は出て無いみたいです。
それを聞きながらも、全員は夜になれば意識を取り戻し、明日になれば良くなり・・
又、良くなったり悪くなったりの繰り返しなのかなぁ~って思ってた。
それが、突然呼吸が止まった!
次女が慌ててナースコールを押し、駆けつけた看護師が酸素の量を少し増やし、沢山の機械を 身
体に付けた。
少し呼吸が戻ったが弱弱しい呼吸だった。
呼吸が止まったと同時に3女にLINEで呼吸が止まった事を告げたら、直ぐに
駆けつけるけど、1 時間以上掛かると返事が来た。
先生が駆けつけ状態を見ながら、部屋を移しましょうと処置室に移動した。
どんどん弱まる呼吸の母に僕はもう励まさなかった。
もう、これ以上は可哀想だ逝かしてあげようと。
妹も覚悟を決めていたのか、誰も励まさなかった。
数字が0になりピーと機械が鳴った。
堪らず僕は、「母ちゃん、よー頑張った今までありがとう」と声をかけ泣き崩
れた。
妹達も泣き崩れ、次女は見ていて可哀想なほど泣きじゃくった。
母が亡くなった事を3女に告げた。
駆けつけて病室に入って来た3女は、電車の中でも泣いていたんだろう、目が
腫れあがって泣きながら走って入って来た。
「お母ちゃん、ごめん!こんなんなるんやったら昨日帰らんかったら良かっ
た、ごめんなぁ」
「お母ちゃん、約束したやんアカセン食べに行こうって、お父ちゃんの一心寺に行くって」
「なんも親孝行できなかったわ、ごめんやでぇ~お母ちゃん」
「母ちゃん、兄ちゃんどうするの?兄ちゃん1人置いて逝かれへん心配やって言うてたやん!」
母の頭や顔、手を撫でながら泣き崩れた。
泣く僕に「お母ちゃんはな、お兄ちゃんの世話するのが生きがいやってん、今日の晩御飯なに しょう
とか洗濯とか色々考えるからボケ防止になっててん」
「病院に居てる時、ずっと兄ちゃんの心配ばっかりしてたわ、ご飯どうしてるんかとか、洗濯してる ん
やろかとか、心配無いで私らがご飯作って置いてる、洗濯もしてるよって、言うと安心してた」
いつかは分かれなければ成らないと分かっていたけれど、余りにも突然で・・
子供達を看病疲れさせたくないと、子供孝行し過ぎや。
母ちゃん、子供の頃から苦労ばっかりして来て、何一つ良いことをして上げれなかった。
もっともっと親孝行したかったなぁ~。
母ちゃんを楽させたかったなぁ~。
アカセン食べに連れて行きかった。
父ちゃんの居る一心寺に連れて行くからなぁ~。
俺も一心寺にいずれ行くから、待っててなぁ~。
今まで、本当にありがとう。
母ちゃん、父ちゃんの息子に生まれて本当に幸せでした。
俺の事は心配せず、安らかに眠ってなぁ~。
暫くは、泣いて暮らすけれど、泣き虫なのは母ちゃん知ってるやろ?
心配ないから、心配無いから
Posted at 2016/04/02 10:01:41 | |
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