
はて、今年もお盆は実家に帰省(寄生?)しており、酒を飲み横になり、酒を飲み横になり、この暑い時期に順調に体重を増やしている訳ですが、そんな中でもやはりお墓参りというイベントは避けて通れない道であって。
行って来ました墓参り。
車ネタでも無いし、面白いブログを書ける程の文才もありませんので、先に謝っておきますスミマセン。
この世に生を受けて幾年、おじさんという領域に片足を突っ込んできてはいますが、生まれて初めての場所にお墓参りに行ったので、記録として残しておきたいと思います。
実家のお墓参りも済ませ、遠い記憶の中で顔も思い出せず、地名だけが記憶に残る親戚のお墓参りに。
親父と二人で墓標に手をあわせ、さてミッションコンプリートかな、と。
すると親父が、私が子供の頃遊びに来ていた親戚の家に連れて行ってくれました。
もう住む人はおらず、人に貸しているとかいないとか。
前を通過するくらい問題無いだろうと、家に差し掛かった時に、遠い昔の記憶が鮮明に蘇りました。
そのままでした。家のすぐ脇にあるボロボロになった蔵。
ここで蚕を飼育していたんだ。
この辺りは昔、蚕の繭(絹)の生産が盛んだった様で、蔵で蚕を飼育していた家が多数あった様です。
小さな子供だった頃の記憶と同じ景色がみれて満足、良いもん見れたなぁ。
さて帰りますかと思っていたら、親父が急斜面(一応舗装はしてある)を指差し
親父『この一番上にもお墓があるんだよ。古すぎて分からないけど、ウチのだとかなんだとか聞いた事がある。』
私『へ、へぇ~……(行くとか言うなよ)』
親父『行く?』
私『行く。(ワシャアホか)』
完全にアホですが、この時は何故か『行ってみたい』と思ってしまったのです。
で、車を停めて二人で歩いて登る。
途中から完全に獣道。セミが至近距離を通過する。俺驚愕。セミ無理。超怖い。
で、なんで親父おめーサンダルなのよ。
『いてっ』じゃねーよ。こんな道サンダルで歩いたら、そりゃいてーよ。
親父『前に来た時は長靴で来たんだけどなぁ。ワハハっ』
ワハハじゃねーよ。とりあえず靴履いてこい靴。サンダルなんか履いたって水虫は治らねーよ。
そんなこんなで、しばらく登ると古過ぎる墓標が5つ。一応線香は備えてあるが、古い。良くて春のお彼岸か。今年のお盆は誰も来ていないらしい。
『ウチのお墓らしい』の言葉に踊らされたが、絶対ウソだろ(笑)
古すぎるって。でもまぁ、分からんな。ウチのお墓というか、この辺りに所縁のある人達みんなのお墓みたいな。
で、山の中なんで火事にならない様に線香を焚き、消火を見届けて、さぁ帰るぞ!
親父『この、ちょっとだけ上に、昔々じぃちゃん達が勉強したり、遊んだ場所がある。』
私『行く。』
もうココまで来たら行ってみたいね。
そこからは完全に何年も手入れされておらず、草木を掻き分けて進む。
すると開けた場所には祠?石堂。何が祀られているかは分からないけど、今までの道が嘘の様に開けていて、気持ちの良い木漏れ日が差し込んでいた。
多分、こんな場所を『パワースポット』というのだろう。人々が押し寄せ、観光地と貸した人工パワースポットなんかより、凄く力が沸き上がってくる気がする。
冒頭の写真はこの場所のモノです。
カメラの撮影範囲が狭いですが、実際はもっと広く、小さな広場の様になっています。
ウチのじぃちゃんが勉強して遊んだ頃。
それは少なくとも80年程度は昔の話。
そこの大きな石に座って勉強し、この広場で友達と遊んだのか。
全く知らない場所だけど、目に浮かぶ様でした。
その祠を拝み、目を閉じてお願いをしてみる。
『ウチのじぃちゃんが治りますように。もう一度じぃちゃんに会えますように。』
ウチのじぃちゃんは、2年程前からちょっとボケちゃいまして、今は会話が難しいのです。天気の良い日、調子が良い日もあるのですが、やはり痴呆は進行している様で、日々、何かを探していたり、探している物が分からなかったり。
昔々の話をして、『今日はあそこに行くんだよ』とか。
完全に会話が出来ない訳では無いし、こちらが誰だか分かるので、年齢にしてみたら仕方ない部分もあるのでしょうけど。
でも、ウチのじぃちゃんは昔は怖く、寡黙でしっかりした人でした。
私達は、『昔のじぃちゃんはもう居なくなっちゃったな。』と話をしたりしますが、私はそれでも、昔のじぃちゃんに会いたい。あのじぃちゃんに怒られたいのです。
だから、じぃちゃんが昔遊んだ場所に祀られているであろう神様?にお願いをして来たんです。
そう、今回の親戚のお墓参りは、じぃちゃんが生まれた場所のお墓参りだったんです。
じぃちゃんが今でも口に出す土地。
ボケちゃったじぃちゃんが一人で夢を見ながら話す土地。
じぃちゃんはもう来れないから、親父と二人でお墓参りに来ました。
親父『ここ、覚えておけよ』
私『おー』
そして帰りに二人でお気に入りの蕎麦屋で蕎麦食べて帰りました。
2年振りくらいに食べたけど、やっぱり超美味かった。
あと、カッコつけて書いてたけど、夜は虫刺されが痒過ぎて寝れなかった。
親父、靴買ってやるから来年はサンダルは無しな。